2016年11月のアメリカ大統領選挙では、フェイクニュースが、SNSや検索エンジンで拡散しました。
そこでGoogleは、フェイクニュースを駆逐するために、ファクトチェックラベルを導入します。
なぜ、フェイクニュースが拡散したのか?
Google検索エンジンは、検索クエリに対して、関連性が高いウェブサイトを判断することには非常に優秀です。ところが、ウェブサイトのコンテンツが「事実」か「虚偽」かどうかを判断することは難しいのです。
また、Facebook上でも、フェイクニュースをシェアする際、いくらでもシェアして拡散できる仕組みになっていました。
そのため、2016年11月のアメリカ大統領選挙では、フェイクニュースがSNSや検索エンジンで拡散してしまったのです。
なぜ、ファイクニュースを運営するのか?
そもそも、なぜフェイクニュースを運営するのでしょうか?
フェイクニュースを拡散させることで、フェイクニュースの運営者が、広告収入やアフィリエイト収入を稼ぐことができるからです。
フェイクニュースの運営者は、「虚偽」のコンテンツであっても、SNSで拡散したり、検索エンジンの上位に表示されることで、広告収入やアフィリエイト収入を稼ぐというビジネスモデルでサイトを運営していますからね。
WELQなどのキュレーションメディアと、基本的な構造は同じです。
フェイクニュースへのGoogleとFacebookの対応
フェイクニュースへのGoogleとFacebookの対応を見ていきましょう。
2016年11月のアメリカ大統領選挙の後、GoogleとFacebookは、フェイクニュースを提供しているサイトへ、広告システムを使わせないようにしました。
まずは、フェイクニュースのサイト運営者に広告収入が入らないようにしたのです。
米アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルは14日、同社の広告配信サービス「アドセンス」を通じて提供する広告が虚偽のニュースサイトに掲載されないよう規定を変更する方針を明らかにした。
このあたり、WELQ問題の後も、NEVERまとめに広告を提供しているYahoo! JAPANとは、企業の体質が違います。
Googleのフェイクニュースに対する取り組み
Googleは、2016年10月からGoogleニュースにおいて、ファクトラベルチェックの機能を、一部の国で導入しました。
で、先日、Googleニュースを提供しているすべての国で、ファクトラベルチェック機能を導入したのです。
記事の事実確認については、Googleと115の第三者機関で検証されることになります。
「Google検索」結果に「ファクトチェック」ラベル表示–偽ニュース対策を強化
「Google検索」に、偽ニュース拡散を防止するためのツールが導入された。
Googleは米国時間4月7日、検索結果の一部に「ファクトチェック」(事実検証)ラベルを表示すると発表した。何かを検索して、PolitiFactやSnopesといった信頼できるファクトチェック機関からの記事が得られれば、その記事にラベルが表示される。
こうした記事に対し、検索結果には、その内容、主張した人、事実検証元を示す情報などが表示される。例えば、「27 million people enslaved」(2700万人が奴隷となった)といった情報を入力すると、その内容を「ほぼ正しい」とする判定とともにPolitiFactの記事が提示される。
Facebookのフェイクニュースに対する取り組み
Facebookは、2016年12月にGoogleよりも一足先に、フェイクニュースへの対策を始めました。
Facebook上では、フェイクニュースが表示されにくくするだけでなく、シェアされる際に、警告文が出るようになったのです。
Facebook、偽ニュース対策を発表 「真偽がはっきりしない」警告を表示する機能を追加
Facebookは12月15日、ニュースフィード上の偽ニュース対策を発表し、同日から試験運用を開始した。アメリカ大統領選に影響を与えたと指摘されている捏造記事の拡散を防ぐことが狙いだ。
デマが本当のニュースのように拡散された大統領選以降、Facebookは1カ月以上にわたって世界中から抗議を受けていた。偽ニュース「ピザゲート」を信じ込んだ人間による銃撃事件がアメリカで実際に起こり、Facebookは、ようやく偽ニュースの拡散を防止する取り組みを強化した。
Facebookは15日、ユーザーが「Disputed(真偽がはっきりしない)」とフラグをつけることで偽ニュースに警告ラベルを貼り、ラベルが貼られた記事を事実確認専門の第三者機関が確認する、ファクトチェック機能を取り入れていくと発表した。ニュースフィードの責任者アダム・モセリ副社長が、報道関係者に向けた発表で変更について公表した。
これからは、ユーザーがサイト上で偽ニュースをシェアする前に、その正確性について「真偽がはっきりしない」という警告が出る。ユーザーは理由を確認するため、記事の事実を確認するリンクをクリックできる。
Googleニュースに、ファクトチェックを実装する方法
Googleニュースでは、ウェブサイトの管理者が、ファクトチェックしたコンテンツにラベルを表示することができるようになりました。
なので、Googleニュースに、ニュースを提供しているサイト運営者は、すぐにでも、ファクトチェックを実装する必要があります。
この実装がなければ、Googleニュースから、コンテンツが削除されることもあるようです。
↓ファクトチェックを実装する方法を紹介します。
Google ニュースは、schema.org ClaimReview マークアップで示される、ファクト チェック コンテンツを含む記事を公開した場合に、このラベルを適用する場合があります。特に、1 つの記事の中に複数のファクト チェック分析を含むまとめ記事などが該当します。(ファクト チェック)ラベルは、主要な記事のファクト チェック コンテンツを見つけるのに役立ちます。
記事にこのタグを使用するかどうかを判断する際には、記事が以下の条件を満たすかどうかを検討してください。この条件は Google がファクト チェック サイトの特徴と考えるものです。
- ファクト チェック記事の本文内に、申し立てや確認事項が特定しやすい形で記載されていること。何を確認し、どのような結論に至ったかが、読者が理解できるように記述されている必要があります。
- 分析で用いた情報源や手法を開示し、一次情報源を引用、参照していること。
- タイトルが、記事が申し立てを確認していることとその結論、または単純に記事の内容がファクト チェックで構成されていることを示していること。上記の ClaimReview マークアップの条件を満たしていないサイトが見つかった場合は、Google は独自の裁量でサイトのマークアップを無視する、または Google ニュースよりサイトを削除する場合があります。
マークアップの使用について詳しくは、Google Developers のファクト チェック ページをご覧ください。

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