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キュレーションメディアの未来はどうなる?

Google

昨日、MERYの中の人へのインタビュー記事が、はてブで炎上していました。

――MERYとしては「必ずしも問題のある記事が多い」という認識は無かったということですか?

A: まぁ当時は組織全体的には(そういう認識は)無かったですし……ただ画像に関しては着手しなければいけないというのはありましたね。DeNAとは別組織で動いているし、自分たちでちゃんとコンテンツ作っているし、11月の終わりから12月の頭くらいまでは大丈夫といえば大丈夫という風には思っていました。

――コピペや画像の転載について、著作権者からクレームへの対応はあったんですか?

A: それはDeNAグループ全体としてやっちゃってるので、ペロリの手から離れてるんですが、やってますね。多分これはもともとシカトしてたと思うんですけど、「私のブログの画像ですよね」みたいな過去にクレームが来ていたものにも、ちゃんとコンタクトを取り直してあらゆる手段を含めて対応してますね。

「社長退任のあいさつで皆泣いた」 WELQに端を発したキュレーション騒動、MERYから見た実情

インタビューを受けている人のMERYの中におけるポジションは分かりませんが、画像のパクリや記事のリライトなどの著作権に関して、インタビューの中で反省している様子は全くありませんでした。

この記事を見て、もう絶対にMERYを含む、DeNA系列がキュレーションメディアを再開することはありえないし、キュレーションメディアの未来はないと強く実感しました。

検索エンジンのアルゴリズムを逆手に取ったキュレーションメディア

Google検索エンジンのアルゴリズムを逆手に取ったのが、DeNAが展開していたWELQなどのキュレーションメディアです。

10月時点では、8000文字前後の記事が、毎日およそ100本も掲載されていた。それらの記事は、医療関係者のチェックを経ず、検索上位に大量に並ぶ結果となっている。

WELQの運営元であるDeNAは、データ分析により検索エンジンで上位を狙える記事のテーマ・構成を決める。
次に、クラウドソーシングサービスで見つけた外部ライターに、WELQ編集部が配布するマニュアル通りに執筆するよう求める。外部ライターの採用は、主に「クラウドワークス」「ランサーズ」「シュフティ」といったクラウドソーシングのサービスを利用している。
記事の編集、公開作業はDeNAが担う。大量の外部ライターを抱えることで、記事の量産化を可能にしている。

DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言

コピペ・パクリ・リライトと言った低品質なコンテンツでも、組織的に記事を量産をすることで、検索エンジンの上位を占めていたのです。

多くのキュレーションメディアは、検索エンジンのアルゴリズムを逆手に取って運営されていたのです。

DeNAのキュレーションメディアが閉鎖した後、キュレーションメディア界隈はどうなった?

2016年11月29日に、WELQのすべてのページが非公開になってから、DeNAのキュレーションメディアは全サイト閉鎖に追い込まれました。

この時、漁夫の利を得たのが、スタートアップ系のキュレーションメディアです。

MERYとかWELQが消えて心の底では喜んでたのが日本の一部のスタートアップです。
そこそこ近いところで見てたけど、飲みの席では競合消えて検索順位が上がって収益150%でラッキーとか平気で言っちゃってる

RETRIPとKAUMOが儲かりまくってた件

その後、2月3日のGoogleによる検索品質向上のアップデートで、スタートアップ系のキュレーションメディアは、検索ランキングを大きく低下することになります。検索結果のトップページから駆逐されました。

Googleの検索アルゴリズムの変更で、キュレーションメディアは大打撃
WELQが閉鎖した後でも、Google検索の上位には、キュレーションメディアが猛威を奮っていましたが、いよいよ検索結果の上位には表示されなくなりました。Googleのウェブマスター向けのブログを見てみましょう。Google は、世界中のユー...

今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。

日本語検索の品質向上にむけて

↓昨日のエントリーで詳しく書きましたが、2017年3月14日に、Googleが検索品質評価ガイドラインの内容を更新しています。

Googleが「検索品質評価ガイドライン」の内容を更新!
2017年3月14日、Googleが検索品質評価ガイドラインの内容を更新しました。今日のエントリーでは、今回Googleが更新した「検索品質評価ガイドライン」についてお話します。「検索品質評価ガイドライン」とは?Googleは、ユーザーの検...

唯一生き残っているキュレーションメディアは?

唯一生き残っているキュレーションメディアは「NAVERまとめ」です。

「NAVERまとめ」だけはキュレーションメディアの中でも例外のようで、今でもいろんな「検索クエリ」でトップページに出てきます。

「死にたい」の検索クエリで、検索1位に表示されるのは「NAVERまとめ」なんだよね。役に立つコンテンツには思えないんだけど・・・広告主のYahoo!JAPANは、広告配信を止めるべきだと思いませんか?

NAVERまとめ

WELQが消えて以降、露出しているキュレーションメディアは?

SEO専門家の辻正浩氏によると、昨年年末にWELQが消えて以降、「スキンケア大学」「いしゃまち」といったキュレーションメディアの露出が増えているようです。

WELQとの決定的な違いは、両メディアともに、すべての記事ではありませんが、一部の記事で、医師や専門家による監修が行われている点です。

とはいえ、記事を量産しているという点ではWELQと同じ構造です。「スキンケア大学」のインデックス数は72800記事あるし、「いしゃまち」のインデックス数は23040記事あります。

キュレーションメディア運営のプロの手に入っていることは間違いないですね。

まとめ

Googleのアップデートによって、低品質のサイトを量産するだけなキュレーションメディアは駆逐されました。

Googleは、ユーザーに役に立つコンテンツを高く評価し、検索結果の上位に表示します。つまり、高品質なページが上位表示されるということになります。

3月に入ってからも大幅に検索順位の変動は起こっていますので、「NEVERまとめ」の低品質なページは、トップページから駆逐される日は近いと思います。

低品質なページばかりのキュレーションメディアに、未来はありません。