2018年12月17日に放送されたウェブマスター オフィスアワーのまとめです。
今回はプロダクトエキスパートも参加しています。ちなみに僕も後ろの方にいます。
Q&A
Lazy Load の実装のヒント
【質問】
PageSpeed Insightsの改善できる項目「オフスクリーン画像の遅延読み込み」を改善するには、Lazy Load (jQuery) や echo.js のようなライブラリを使用すればいいのか?その場合、クローラが認識できるようにするための注意点も教えて欲しい。
【回答】
サードパーティのツールをご利用いただくのも一つの手だし、CMSを使っているのであればプラグインもあると思う。
注意点として、サードパーティのライブラリはファイルサイズが大きくなるので、サイトのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある。
そのあたりを気にするのであれば、Intersection Observer を使っていただいて、自前で実装していただくと良いのでは。
mozilla公式 Intersection Observer API
クローラが認識できるようにするための注意点としては、実装の方法にもよるが、通常のLazy Loadだと検索との相性に若干問題が発生する場合もある。理由は、クローラはスクロールしないので、画像が出現しないため。
次の2つの解決法がある。これによりクローラに画像の存在を伝えてインデックスするように指示を送ることが可能。
- noscriptタグで画像を囲う
- 構造化データに画像URLを記述する
WordPress の Lazy Load 導入を検討してます
【質問】
運用しているWordPressサイトに画像を多用しているので Lazy Load 導入を検討している。
プラグインで対応予定だが、検索エンジンフレンドリーなものを見つけることはできなかった。
検索エンジンフレンドリーでないLazy Loadを実装しつつ、画像サイトマップを送信している場合でも、画像のインデックスに不具合が出ることはあるか?
【回答】
検索エンジンフレンドリーでないというのが、どういうものを指しているのか分からない。実装方法にもよるので、断定することは難しい。
一つ前の質問で回答した2つの方法を試していただくとクローラに画像の存在を伝えることが可能。
- noscriptタグで画像を囲う
- 構造化データに画像URLを記述する
一般的でないダウンロードが繰り返し出る
【質問】
Search Consoleのプロパティに赤いマークが付き、「プロパティの健全性の問題」をクリックすると、「不正なソフトウェアが検出されたかどうかチェック」の項目に黄色いマークが付いており、詳細には「致命的なマルウェアが検出されました」と表示されていた。
「セキュリティの問題」レポートを開くと「一般的でないダウンロード」と表示されているが、思い当たるところがない。
このアラートの識別はどのような理由で付与されるのか?
【回答】
セーフブラウジングで、認識されていないファイルがあると、Chromeでダウンロードしようとした時に警告が表示される。
サイト内に何らかのファイルが置かれていて、セーフブラウジングでファイルが安全かどうか確認できないファイルがあることが原因。
Googleで問題ないとなった場合には自動的に解除されますし、再審査リクエストを送っていただくことで解除されることもある。
どのファイルが対象なのか分かりにくいという声もあるので、セーフブラウジングの担当者に伝えておくとのこと。今後改善される可能性もあるのでは。
再度表示された場合、その期間に新しくアップロードされたファイルはないかどうかチェックしてくださいとのこと。
CGMを利用した方が有利?
【質問】
あるCGMで作成されたアフィリエイトサイトが、CGMのドメインパワーだけで上位に来るのはおかしい。
【回答】
具体的なCGMを頂いていたが、名称はぼかしたとのこと。
金谷さんが見た限りでは、そのCGMが特別強いという感じはしなかったとのこと。
具体的にどんな検索クエリで順位が上に来ているのか、事例があれば送って欲しい。
内田さんの回答:CGMによってはインデックスのところでしっかり気を使っているので、Googleに認識されるのが早いこともある。評価には関わらないが、間接的に関わっているところはあると思う。
意図せぬ検索結果のスニペット
【質問】
検索結果に表示するdescriptionを設定しているが、意図せぬテキストが表示される。指定したdescriptionを表示させるための改善点を知りたい。
【回答】
スニペットは基本的に検索クエリに応じたものが自動的に生成される。
ただし、descriptionで設定されているものが、より正確にページの内容を伝えられると判断した場合は、そちらが使われる。
このような仕組みなので、本文の中から、自動的に生成されたスニペットが表示されるのは何の問題もない。
descriptionを設定する場合としない場合でテストして実際にどうかを判断するといいのでは。Search Consoleでクリック率が分かりますので。
もし意図せぬテキストが表示されるのであれば、descriptionのテキストを見直してくださいとのこと。
suzukikさんの回答:頑張ってdescriptionを設定しても、使われないケースも多いので、Googleがいいスニペットを作ってくれるのなら、一切設定しないでGoogleに任せてしまう選択肢もある。
内田さんの回答:Fetch as Googleをかけて、ソースコードの中のdescriptionを確認していただきたい。動的にソースの中の一部をdescriptionに反映させているときに、うまく拾えてなくて、そういう症状が出ていることもある。
公式 検索結果に効果的に表示されるタイトルとスニペットを作成する
HTTPSにリダイレクトするHTTPサイトマップ
【質問】
SSL化に伴う過去のサイトマップについて質問します。
月別にサイトマップを生成し、sitemap_indexとして管理している。過去の月次生成のサイトマップは、HTTPのバージョンがそのまま残ります。
HTTPS化すると、以下のような状況になる。
- HTTPサイトはHTTPSに301リダイレクトする
- 過去のページはHTTPのサイトマップが残る
- 新しいページはHTTPSでサイトマップが生成される
この場合、過去の月次生成のサイトマップはHTTPバージョンのURLのままでも、クロールやインデックスに影響は出ないか?
【回答】
サイトマップはcanonicalつまり正規バージョンのURLを載せるのが基本。
ただし、今回のケースに限れば、HTTPのURLがサイトマップに記載されていても正規URLに301リダイレクトしているので、Googleは新しいHTTPSのURLが正規URLだということは理解できる。設定に不具合がなければ、特に問題は生じないと思う。
ただHTTPSに移行しているのであれば、HTTPでサイトマップを生成し続ける必要もないのでは。
Charioさんの回答:すでにHTTPSでインデックスされているのであれば、気にしなくてもいいと思うが、大前提として、301リダイレクトしてHTTPSで古いコンテンツが見れるのであれば、HTTPSでサイトマップを生成するシステムに組み直すのがベスト。
suzukikさんの回答:HTTPで吐き出すファイルが更新されないのであれば、HTTPSで修正してアップロードし直してみては。
たんのかんさんの回答:ページの数がものすごく多いとかでなく普通の規模のサイトであれば、個人的には全く気にする必要はないのでは。
以下、プロダクトエキスパートから金谷さんへの質問です。
suzukikさん:noindexを付けていたページは、noindexを外してもクローラがなかなか来ないケースがある。
金谷さん:具体的なURLを見てコメントしたい。一般論でいうと、ページの存在を知らなかった場合、クローラがなかなか行かない可能性はある。サイトマップを送っているのであれば、サイトの規模とページの中身次第かなと言う気がするとのこと。フォーラムにご質問いただくのであれば、ぜひURLも共有してくださいとのこと。
金谷さんからプロダクトエキスパートへの質問です。
金谷さん:大規模サイトで運用のコツはありますか?
内田さん:URLについてはインデックスがゼロになるのを確認できるまでサイトマップを保留にしてもいい。そうすれば本来インデックスしたいURLにクローラが行くのが分かる。
「初回入力遅延」と「入力の推定待ち時間」
【質問】
PageSpeed Insightsにおける「初回入力遅延 (FID)」と「入力の推定待ち時間」の違いを教えてください。
- FIDが「初回」であり、CrUXの項目であること
- 入力の推定待ち時間がLighthouse分析のデータである
これら以外に違いはありますか?
【回答】
FIDはChromeユーザーエクスペリエンスレポートのデータを用いているので、基本的にはフィールドデータとしてユーザーデータを集計したものを使っている。
入力の推定待ち時間は、Lighthouseのデータを使っているので、基本的にはラボデータとしてシミュレーションした結果のデータを使っている。
PSIで英語のページが表示されてしまう
【質問】
PageSpeed InsightsでURLを調査したが、海外向けのページの結果が返される。日本国内向けのページのデータを取得したいのだが対処方法はあるか?
【回答】
頂いたURLを確認してところ、英語版のページの結果が返ってきてしまう。クローラがそのページを見に行くと、日本語版のページを見に行くことを確認できたので、なぜそのような現象が起きているのかは分からない。
サイト側の方でリダイレクトしている可能性があるので、一度見直してみてはとのこと。
海外からのアクセスに対してどのように振り分けているのかといったリダイレクトの設定を見直ください。
hreflangの設定で一部正しくないところがあった。HTTPのプロトコルから記述して欲しいところが、相対的な記述だったので、その点も改善してみるとよいのでは。
公式 ページのローカライズ版について Google に知らせる
新Search Consoleでのサイトマップの運用法
【質問】
旧Search Consoleではサイトマップの再送信を行う運用をしていたが、新Search Consoleには再送信ボタンがない。
サイトマップは一度送信すれば、再送信の必要はないのか?
【回答】
新Search Consoleに移行してサイトマップの運用が大きく変わることはない。
「サイトマップは一度送信すれば、再送信の必要はないのか?」というご質問には、そのとおりということになる。
ただし記事を更新したタイミングでGoogleに更新を促したいのであれば、サイトマップを再度送ることが必要になるのでは。
基本的にGoogleはサイトマップを頻繁に見に行くので、サイトマップを更新しておけば、新しいページはインデックスされていくと思われる。
プロダクトエキスパートから金谷さんへの質問です。
suzukikさんの質問:1つのURLを複数のサイトマップに並列に置いておいても問題はないが、5つのサイトマップに同じURLを記載した場合、クロールは5倍になるのか?キューに入るのは1つだけなのか?
金谷さんの回答:クロールは5倍にならない。
オフィスアワーのお知らせはどこで?
【質問】
オフィスアワーのお知らせはどこで取得できるのか?
【回答】
金谷さんのTwitterで確認して欲しい。
フォーラムのお知らせ欄にも投稿がある。
将来的には定期的に毎月第何曜日みたいな感じで開催したいが、現状なかなか難しい。
特定のディレクトリでインデックス登録に問題
【質問】
運営するサイトで「検出 – インデックス未登録」や「クロール済み – インデックス未登録」が、特定のディレクトリで増えている。
特定のディレクトリでSearch Consoleの除外が増える現象はどのように捉えたらいいか?
Bingはディレクトリにクロールバジェットが存在すると述べているが、Googleも同様の仕様なのか?
【回答】
プロダクトエキスパートからの回答です。
たんのかんさんの回答:すごくよくある現象。ディレクトリによってコンテンツはグループ分けされている。例えば「下層のディレクトリ」「商品詳細ページ」「一覧ページ」「クロスカテゴリの一覧ページ」がある。この場合、次のような問題がある。
- コンテンツが似ている
- ページの品質が低い
このようなバリエーションが特定のディレクトリに多いといった理由で除外されているケースがあるように思う。
実際にURL検査ツールで調べると、他のページに正規化されているので。
内田さんの回答:基本的には、たんのかんさんと同じで、質問にあった「クロールされたけどインデックス未登録」の場合、その可能性が一番高い。
- Googleはインデックスの中に似たようなページや同価値のページを入れない判断をすることがあるのでは。
- 検出されたけどインデックスされないケースとしては、クロールバジェットがかつかつで、クロールされないことも考えられる。
- 内部リンクが存在しないページもインデックスされないことがあるので、そのページは本当に必要なのかどうかを見直すとよいのでは。
削除されたページへのリンクの効果
【質問】
あるページに外部からのリンクがあるとする。
そのページを別ページに統合して削除してしまうと、404になる。このとき、301リダイレクトをすれば被リンクも引き継がれると思うが、リダイレクトを行わなかった場合、つまり404が表示される場合、被リンクは無効になるのか?
【回答】
URLの変更を伴うサイトの移転の話と同じですので、それまでのページの評価を引き継ぐには301リダイレクトが必要。
プロダクトエキスパートとの雑談
30分くらいプロダクトエキスパートとの雑談があります。
ウェブマスターオフィスアワーに質問するには?
質問フォームから質問できます。
質問が多い場合は、翌月に持ち越されることもあります。
URLを非公開で質問したい場合、その旨記載すると、URLは公開されません。
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