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携帯キャリアが「違約金を1,000円」「端末割引の上限を20,000円」にすると、ユーザーが理解できない複雑な料金プランを作りそうな件

インターネット

総務省が6月18日に発表した「モバイル市場の競争促進に向けた制度整備案」によると、携帯の違約金が1,000円、端末割引の上限が20,000円までといった内容が盛り込まれた模様です。総務省は省令改正を行い、2019年秋に法律が施行される予定とのこと。

このエントリーでは、携帯キャリアが「違約金を1,000円」「端末割引の上限を20,000円」にすると、ユーザーが理解できない複雑な料金プランを作りそうな件についてお伝えします。

ユーザーが理解できない複雑なプランを作って、莫大な利益を上げる携帯キャリア

総務省は有識者会議を作って、利用者が携帯電話会社を乗り換えしやすくなるようなルールや、ユーザーが利用しやすい料金体系など、各社に価格競争を促すようなことを行っていますが、毎回失敗しています。

簡略化すると、以下のような構図になります。

  1. 有識者会議がルールを決める
  2. 携帯キャリアが表面上従う
  3. ユーザーが理解できない複雑なプランを作成
  4. 携帯キャリアは各社、年間1兆円近い利益を上げる

以前のエントリーも合わせてご覧ください。

決算を見ると、3社だけの利益で2兆3056.5億円です。

参考 携帯キャリアの決算を読み解く!キャリアの利益は2兆円超え

2015年の大手キャリアの決算

総務省の介入で、一括0円がなくなれば、そりゃ、大手キャリアは儲かりますよ。今まで無料で配ってた端末からお金取れるんだから。一括0円や実質0円の部分が、全て利益になるわけだしね。

  • docomo・・・営業利益 7839億円(前年度比+22.5%)
  • au・・・営業利益 8333.5億円(同25.2%増)
  • ソフトバンク・・・営業利益 6884億円(同+7%)

参考 総務省のガイドラインに従うと、大手キャリアの利益は増収増益になるという・・

僕が「携帯キャリアは、ユーザーに料金を把握させないことを目指してない??」と考える理由をあげます。

  • 「月々サポート」や「端末購入サポート」など、端末の割引サービスがいくつもあって分かりにくい
  • 48回払いの分割にすると、24ヶ月支払った後、残りの分割金が免除とかイミフ
  • 使用したデータ通信量に応じて、プランが自動で変動するプランが主流
  • 郵送で明細書を送らない

参考 携帯キャリアは、ユーザーに料金を把握させないことを目指してない??

携帯キャリアが利益を追求する姿勢には、凄まじいものを感じます。
一言でいえば、携帯キャリアは、利益のためならユーザーの利便性は無視しているといっても過言ではありません。

「違約金が1,000円」「端末割引の上限が20,000円」というのは携帯キャリアの主導ではなく、総務省が主導している

「違約金が1,000円」「端末割引の上限が20,000円」というのは携帯キャリアの主導ではなく、総務省が主導しています。
どちらも利益が減る話ですから携帯キャリアが主導することは考えられません。
携帯キャリアは、次のような感じで戦略を立てていると思われます。

  1. 本来であればやりたくない
  2. でも総務省に楯突く訳にはいかない
  3. 表面上、総務省の案を受け入れる
  4. でも、ちゃっかり莫大な利益が出るようなプランを考える

違約金が9,500円から1,000円になると

違約金が9,500円から1,000円になると、ユーザーは解約しやすくなります。当たり前ですよね。

キャリアは2年縛りをして2年間使い続ける契約なので、ユーザーに毎月の携帯料金を割引しています。なので9,500円というユーザーが簡単に解約できない違約金を設定しています。

違約金が1,000円になりユーザーが簡単に解約できる仕組みになれば、キャリアの利益は減るり、料金プランを上げてくることは間違いありません。

端末割引の上限が20,000円になると

端末割引の上限が20,000円になると、新しい端末は売れなくなります。
iPhone XSは112,800円です。端末が昔よりも高くなっているのと、iPhoneならば3〜4年は快適に使えますので、2年ごとにユーザーに買い換えるメリットはありません。

今まで一括0円でばらまいていたときであれば、2年ごとにユーザーは買い替えていましたが、割引が20,000円しかないのであれば、買い換えなくなるのは当然の流れです。

携帯キャリアが「違約金を1,000円」「端末割引の上限を20,000円」にすると、ユーザーが理解できない複雑な料金体系が登場しそう

今までの経緯を見れば、携帯キャリアにとって何の利益も生まない「違約金を1,000円」「端末割引の上限を20,000円」を設定すれば、今までと同じ利益を確保するために、ユーザーが理解できない複雑な料金体系を作ってくることは間違いありません。

ちなみに2019年6月からdocomoやauは新料金プランを打ち出しておりますが、この料金プランは違約金が9,500円ということを前提に作られています。

秋に「違約金を1,000円」「端末割引の上限を20,000円」にする法律が施行されるので、この時期に合わせて、料金プランは改定されそうです。

さいごに

以上、携帯キャリアが「違約金を1,000円」「端末割引の上限を20,000円」にすると、ユーザーが理解できない複雑な料金プランを作りそうな件についてお伝えしました。

ユーザーに分かりやすい料金プランにして欲しいと思っているのは僕だけではないと思います。MVNOのような明瞭な料金体系になぜできないのだろうか…