美容室のオーナーとお話すると、「ホットペッパービューティーをやめたいけど他に集客方法がありますか」とかなりの頻度で質問されます。
以前と比較すると、ホットペッパービューティーの費用対効果が下がっている美容室が多く、掲載料を無駄と感じているオーナーも多いのではないでしょうか。
ホットペッパービューティーをやめて、自社のウェブサイトだけで集客している美容室も、全くないわけではありませんが、僕の知っている限り数えるほどしか知りません。有名な美容師、超有名店でもない限り、なかなかホットペッパービューティー抜きの集客にかじを切ることは難しいのが現状です。
今日のエントリーは、ホットペッパービューティーをやめたい美容室が、ネットで集客するために知っておくべきことについてお伝えします。
美容室の店舗数はコンビニの4.2倍
ネットからの集客を考える上で、美容室はレッドオーシャンをいうことを頭に入れておく必要があります。厚生労働省のサイトに記載された美容室の店舗数を見ていきます。
平成27年3月末現在の美容所数は、23万7,525施設で前年度比1.5%の増加となっている。(衛生行政報告例より)
参考 美容業概要
2018年2月現在の全国にあるコンビニの店舗数は55,396店舗なので、美容室の店舗はコンビニの4.2倍あることが分かります。
ちなみに競争の激しいと言われている歯科医院は約68,000ヶ所なので、いかに美容室の競争が厳しいかはご理解いただけると思います。
他業種と比べて、開業する費用が安い
駅前の立地の良い場所に空き店舗ができると、美容室がどんどん開業しますよね?僕が住んでいる藤沢は、美容室の店舗数が多く競争が激しいエリアの1つです。
飲食店などの他業種と比べると、開業する費用が圧倒的に安いことが、美容室が乱立する原因にもなっています。僕の知り合いでオーナー1人で回している美容室のオーナーがいますが、店舗を居抜きで借りて、シャンプー台などの美容器具は中古で揃えたこともあって300万円以内で開業しました。
スタッフ5名位の中規模な美容室であっても1000万〜2000万円くらいで収まるはずです。
技術さえあれば独立できる
スタッフを雇わなければ、技術一本でいけますので、一定数以上の指名客を確保できるのであれば、独立したいと考える美容師は多いです。
美容室の集客方法の推移
ネットがない時代、ネットがある時代、ホットペッパービューティーが登場してからの美容室の集客方法の推移を見ていきます。
ネットがない時代
ネットがない時代の美容室の集客方法を見ていきます。
25年くらい前の話ですが、ネットがない時代の美容室の集客方法は、非常にシンプルなものでした。お客さんは自ら美容室について調べると言っても、ネットがなかったので調べようがありませんでした。
↓ネットがない時代の美容室の集客方法は、以下のような感じです。
- チラシの配布やポスティング→来店→リピート
- 顧客からの紹介→来店→リピート
- 良い口コミ→リピート
- 良くもないけど悪くもない→他の美容室にいく勇気はない→リピート
ネットがある時代
ネットが登場してからは、お客様は美容室について積極的に情報を調べるようになります。
美容室の集客方法としては、ネットがない時代の方法に加えて、「地名 + 美容室」などの検索クエリで検索エンジンに上位表示したり、ポータルサイトに掲載したりするようになります。
ホットペッパービューティーが登場してから
2011年10月にホットペッパービューティーが登場すると、集客をホットペッパービューティーに依存する美容室が増えました。理由は簡単で、ホットペッパービューティーに掲載するだけでお客様が増えたからです。
ホットペッパービューティーにお客様が集まったのは、以下の理由が考えられます。
- お得なクーポンがある
- 予約システムが優れている
- 検索結果の上位には、ホットペッパービューティーが表示された
なぜホットペッパービューティーの費用対効果が落ちているのか?
ホットペッパービューティーに掲載することで、美容室の売上を大きく伸ばすことができたのは、もう過去の話です。なぜ、ホットペッパービューティーの費用対効果が落ちているのでしょうか?大きな理由として、次の2つが考えられます。
Googleマイビジネスの登場
Googleマイビジネスが登場した影響は大きいです。
以前は「地名 + 美容室」の検索クエリで検索すると、ホットペッパービューティーなど専門サイトばかり検索結果の上位に表示されていました。
ところが現在の検索結果は、通常の検索結果よりも上位に、ローカル検索の検索結果 (Googleマップ上に店舗が表示) が表示されます。
ホットペッパービューティーよりもGoogleマイビジネスの優位性が高くなっていることは言うまでもありません。
クーポンをばらまかないと集客できない
クーポン目当てのお客様が激増したため、多くの美容室はクーポンをばらまかないと集客できなくなりました。その結果、ホットペッパービューティ経由の仕事は利益率が低くなり、費用対効果が低くなってしまいました。
美容室の戦略は、クーポンを使ってくれた顧客が、リピーターとなってくれることを期待しているはずです。また、次回からはホットペッパービューティーからの予約ではなく、直接店舗へ予約してくれることを狙っているはずです。
女性向けのクーポンの場合、カット・カラー・トリートメントで通常2万円を超える金額が、クーポンを使えば1万円くらいで利用できるようになっています。
ところが実際には、リピーターになってくれずに一度来店してそれっきり、というケースが非常に多くなりました。リピーターになる場合でも、直接店舗へ予約してくれず、常にホットペッパービューティーからの予約というケースも多いです。また、一度来店してそれっきりを何度も経験している店舗は、何度でも使えるクーポンを発行しているケースも多いですね。
ホットペッパービューティーで集客している美容室は、やめない方がいい
ここまでの話を聞くと、すぐにでもホットペッパービューティーをやめたくなると思います。
でも、ホットペッパービューティーの費用対効果は落ちているとしても、いきなりやめたら来店するお客さんは激減します。
どのくらい集客の依存しているかどうかによりますが、継続して出稿することをオススメします。その上で、ホットペッパービューティーヘの依存率を減らす努力をしてください。
ホットペッパービューティーの依存率は減らすにはどうすればいいのか?
ホットペッパービューティーの依存率は減らすには、集客チャネルを増やして行く必要があります。以下、美容室の経営者の方が今すぐに取り組みる方法を紹介します。
- Googleマイビジネスで集客
- SNSから集客
- 自社のウェブサイトから集客
- チラシ・看板などオフラインで集客
- お客様の行動を考えて集客
Googleマイビジネスで集客
美容室は位置情報に基づいたローカル検索に表示されますので、すぐにでもGoogleマイビジネスに登録することをオススメします。
以前は「地名 + 美容室」のキーワードで検索すると、検索結果の上位にはホットペッパービューティーなど専門サイトばかりが表示されていました。
現在の検索結果は、デスクトップ・モバイルの両方の検索結果で、ローカル検索の検索結果 (Googleマップ上に店舗が表示) が表示されます。
まずはローカル検索へ表示されるようにGoogleマイビジネスを運用することをオススメします。
「地名 + 美容室」の検索クエリで、ローカル検索の自社店舗が表示されるようになれば、ホットペッパービューティー依存から脱却する第一歩を踏み出すことが可能です。
SNSから集客
TwitterやInstagramをきちんと運用すれば、UGCを大きく増やすことができ、自社のブランディングができます。
- 店舗名の検索を増やす
- 口コミを増やす
- 新規顧客の獲得を増やす
自社のウェブサイトから集客
自社のウェブサイトから集客できれば、ホットペッパーの依存は減りますが、サイト運用には手間も知見も予算も必要になり、難易度が高いことを頭に入れておいてください。
とはいえ、簡単にできる方法も知りたいですよね?美容室がすぐにできる方法を紹介します。
普段、美容師の方は髪の悩みを持っているお客様と接しているはずです。そのノウハウを、悩みを持っているユーザーに対して、ウェブサイトで発信することをオススメします。
- 髪の悩みを解決できるコンテンツを用意
- 顧客の信頼を獲得できるコンテンツを制作
コンテンツを作る際の注意点
髪の悩みを抱えているユーザーにとって、ページを読むだけで解決できるコンテンツが理想的です。
ただし、コンテンツを読んで終了してしまうケースもあり、この場合、美容室の予約につながらないこともあります。とはいえ、同じユーザーに継続的にコンテンツを読んでもらうことができれば、顧客の信頼を得ることができます。
このあたりのバランスをどうするかは、コンテンツを作る際に予め決めておくとよいでしょう。
また、コンテンツから予約への動線もきちんと設計しておくことをオススメします。
チラシ・看板などオフラインで集客
地域によっては、チラシ・看板などオフラインで集客することも有効です。
お客様の行動を考えて集客
お客様が美容室を変更するタイミングについて、もう一度よく考えてください。
- 担当してる美容師が辞めた
- 美容師に不満がある
- 店舗に不満がある
上記の不満がかなり溜まった段階で、お客様は美容室を変える決意をします。
このあたりをもう一度考えてみて、改善できる点については改善していくことをオススメします。
さいごに
以上、ホットペッパービューティーをやめたい美容室が、ネットで集客するために知っておくべきことをお伝えしました。
美容室の集客としてのホットペッパービューティーは、以前に比べると費用対効果が格段に下がっています。
Googleマイビジネスなど、ホットペッパービューティー以外の方法からの集客について、どんな効果があるのかを確認して、準備することを強くオススメします。
ナレッジ