2018年4月1日より、ANAの国内線でWi-Fiサービスが無料で使えるようになりました。
国内線の場合、搭乗時間は1時間〜2時間くらいですが、重要なメールチェックやSNSで連絡を取りたいニーズもあるはずです。
ANAはこういったニーズを捉えて、機内での時間を有意義に利用するために、無料Wi-Fiを提供しているんだろうね。
でも、「どうせ機内の無料Wi-Fiなんて、ネットの速度は激遅で、セキュリティも穴だらけで使いものにならないでしょ?」という声も聞こえてきそうですよね?GWにANA国内線に搭乗したので、無料Wi-Fiの「ANA Wi-Fi Service」を試してきました。
ANAが機内で提供する「ANA Wi-Fi Service」の速度やセキュリティについてお話します。
ANA Wi-Fi Service とは?
ANA Wi-Fi Service とは、機内で無料Wi-Fiが利用できることに加えて、機内でWi-Fiを経由したエンターテイメントを無料で楽しむことが可能です。
次のサービスを提供しています。
- 無料Wi-Fi・・・機内で無料Wi-Fiが利用できます。が、YouTubeなどの動画コンテンツの利用は不可です。あくまでウェブの閲覧やSNSを利用することを想定しています。
- エンターテイメント・・・人気ドラマやバラエティ、アニメ、音楽、電子書籍など、およそ100コンテンツのエンターテイメントを利用できます。
無料Wi-Fiの速度は遅いし、コンテンツに関しては、ぶっちゃけ大したことはありません。元々、機内の映画とか音楽ってしょぼいでしょ?アレの延長線上にあるコンテンツなので、暇つぶしにはなるかもしれませんが、充実しているとは、とてもじゃないけど言い難いですねw
ちなみに、無料Wi-Fiを使うだけならばブラウザでANA Wi-Fiサービスポータルサイトにアクセスすれば利用できますが、エンターテイメントを利用する場合、アプリをインストールしておく必要があります。
システムはパナソニック アビオニクスが提供
Wi-Fiネットワーク、エンターテイメントのシステムを提供しているのは、パナソニック アビオニクスという会社です。ANAだけでなく日本航空、ユナイテッド航空、シンガポール航空など世界中の航空会社を顧客にして、70%のシェアを持っているとのこと。パナソニックの稼ぎ頭です。
納入後のメンテナンスも引き受けており、世界の空港にエンジニアを派遣して常駐しているので、なかなか他社が入り込む余地はないんだろうね。
だからANA Wi-Fi Service が提供する「無料Wi-Fi」も「エンターテイメント」もいまいちなんだよね。競争の原理が働けば、もっとまともなシステムになるはずなので。
利用できる時間は?
機内にある案内では、離陸して5分後から、着陸5分前まで利用できるとなっていますが、実際は、シートベルトの着用サインが消えるまで利用できませんでした。なので離陸後20分位は使えない感じですね。
機内のWi-Fiの仕組みは?
ANA Wi-Fi Service が提供する機内のWi-Fiの仕組みは、地上から飛ばした電波を、衛星通信経由で飛行機へ飛ばす仕組みです。
衛星経由でインターネットを提供しています。
以前のエントリーに書きましたが、JALの国内線にWi-Fiを提供しているGogo Inc.も同じ仕組みでWi-Fiを提供しています。
ANA Wi-Fi Service が提供しているWi-Fiの速度は?
ANA Wi-Fi Serviceで提供しているWi-Fiの速度は、あまり速くないです。
飛行機に割り当てられた帯域を、搭乗客で分け合う形なので、通信速度は搭乗客の人数次第ということになります。
大型機で満席に近いような状況だと、ネット回線の速度は、はっきり言って激遅です。小型機で空いている状況ならば快適なネット環境になります。
今回、大型機でほぼ満席という状況でしたので、ネットの速度は遅かったです。インターネット速度テストをしてみたので、具体的な速度を書きますね。
- 下り・・・2.24Mbps
- 上り・・・0.08Mbps
体感速度ですが、MVNOで昼休みの時間帯に都心部で繋いでる感じですね。SNSならあまり遅い感じはしませんが、Chromeでネット閲覧するとモタモタする感じです。
とはいえ、docomoやauなどのキャリアで速度制限がかかったときよりは、若干速いかな。
無料Wi-Fiのセキュリティは?
無料Wi-Fiのセキュリティは、ビジネスホテルや空港のWi-Fiと同様、誰が覗き見しているかわからない状態です。
HTTPS通信ならば、覗き見されるリスクは低いですが(ゼロではない)、HTTP通信ならば筒抜けですので、ご注意ください。
はっきり言って、VPNを使わなければ、無料Wi-Fiなんて怖くて使えないですわ。
僕は、無料Wi-Fiを使う時は、必ずVPNアプリを使って通信するようにしています。
機内の無料Wi-Fiサービスを使う場合も、VPNアプリをインストールすることを強くオススメします。
ANA Wi-Fi Service は、もっと改善すべし
ANA Wi-Fi Service が提供する「Wi-Fi」と「エンターテイメント」は、もっと改善しなければ、利用者は満足できないでしょう。次の2点は、すぐにでも改善するべきです。
「Wi-Fi」
今の速度では、かったるくって使う気がしません。2.24Mbpsですよ・・・
最低でも10Mbpsは出ないと、利用者は快適に使えません。
「エンターテイメント」
ANA Wi-Fi Service のエンターテイメントは、はっきりいってしょぼい。
飛行機に乗る人を満足させるには、もっと改善が必要ですね。
しょぼいコンテンツを揃えるのにお金をかけるくらいなら、Amazonプライムのコンテンツが利用できるようにすればいいと思いますけどね。
映画や音楽、電子書籍も面白いコンテンツがたくさんありますからね。
ANAのような規模の会社ならば、Amazonプライムのコンテンツを使えるようにするくらいの交渉はできると思いますけど。
さいごに
以上、「ANA Wi-Fi Service」を使おうと思っている方に読んでいただければと思います。
無料Wi-Fiはセキュリティは低いし、通信速度は遅いことを頭に入れておきましょう。
ぶっちゃけSNSや、ネットの閲覧、メールの送受信くらいしか使えません。とはいえ、ネット回線が無いよりははるかにマシなので、状況に応じて、機内の無料Wi-Fiを使えばいいのかなと思っています。
あと、セキュリティは低いので、必ずVPNを導入してから利用してくださいね。
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