そろそろiOS10.3がリリースされます。
iOS10.3では、Apple File System (APFS) という新しいOSのファイルシステムが導入される予定です。
2017年1月24日にリリースされた「ベータ版のiOS10.3」では、すでにAPFSが導入されており、開発者がテストを繰り返しています。
今日のエントリーは、iOS10.3から導入されるApple File System(APFS) についてお話します。
ファイルシステムとは
ファイルシステムとは、OSが持つ機能の1つで、ハードディスクなどの記憶装置に記録されているデータを管理するシステムのことを指します。
記憶装置はハードディスクだけでなく、SSD・SDカード・USBメモリなどもあります。
macOSやWindowsといったOSは、ハードディスク内のデータを、ファイルシステムを使って管理しています。OSによってファイルシステムは異なります。
- Windows・・・「NTFS」「FAT32」
- Mac・・・HFS+
- iOS・・・HFS+
Apple File System (APFS) とは
Apple File System (APFS) とは、Appleが20年ぶりに導入する新しいファイルシステムです。
macOS、iOS、tvOS、watch OSなど、Appleが開発しているOSで、共通で利用できるファイルシステムになっています。
Apple File System (APFS) は、2016年6月のWWDCで発表されました。
まずはiOS10.3にAPFSが導入されて、その後、macOSに波及していくことになりそうです。
なぜ、AppleはApple File System(APFS)を導入するのか?
今のMacやiPhoneは、HFS+というファイルシステムを使っています。
HFS+が開発されたのは1998年。しかもHFS+のベースとなるファイルシステムは、1985年に開発されたHFSです。
HFSが開発された1985年からは30年以上経過しているし、HFS+が開発された1998年からだって20年近く経っているのです。
SSDが主流の現代と、フロッピーディスクが主流だった20年前では、PCのハードウェアの構成は大きく変わりました。
SSDが主流になって、メモリも8GBや16GBを搭載したPCが登場している現在と、20年前を比べると、ハードウェアは大きく進化しています。当時と比較すると、ストレージの種類やサイズは大幅に進歩し、メモリのサイズも大きく進化し、CPUの処理速度も桁違いにスペックアップしていますからね。
だって20年前のハードディスクって、容量は1GBとかですよww
20年前に設計されたファイルシステムを、現在のSSDで使うというのは無理があったために、今回Appleは、Apple File System (APFS) という新しいファイルシステムを導入するのです。
Apple File System(APFS)の特徴
APFSは、SSDに最適化されたファイルシステムで、強力な暗号化によるセキュリティとプライバシーを備えているのが特徴です。
Apple File System (APFS) の特徴を見ていきましょう。
Appleが開発者向けに、Apple File System (APFS) についてまとめているサイトがあります。
- Clones
- Snapshots
- Space Sharing
- Encryption
- Crash Protection
- Sparse Files
- Fast Directory Sizing
- Atomic Safe-Save
いくつかの機能を説明します。
APFSのスナップショット機能
APFSに導入されるスナップショットとは、「ある時点のファイルシステムを保存する」機能です。
現在のmacOSのエコシステムでは、Time Machineによるバックアップ機能がありますが、バックアップの保存先は、Time Capsuleか外付けハードディスクを用意しなければなりません。
今後、APFSのスナップショット機能が導入されれば、外部ディスクを用意しなくても、macOSの内部にバックアップできるようになるかもしれません。
スナップショットが、macOSにどのように実装されるかはまだ分かりませんが、2017年のWWDCで発表になるはずです。
APFSの暗号化機能
APFSに導入される暗号化機能は、次の3つの暗号化モデルを用意しています。
- 暗号化しない
- シングルキー暗号
- マルチキー暗号
現在のmac OS Sierraにも、「FileVault」というディスクの暗号化がありますが、不具合が多いので、わたくしは使っておりません。APFSの暗号化機能は、もっと改善されて、不具合が少なくなると思います。
APFSを導入すると、iPhoneが高速化される
APFSを導入すると、iPhoneは高速化されるようです。
No joke, iOS 10.3 performs almost twice as fast on my iPhone 7 – it’s insanely fast https://t.co/lonktcKTGm
— Owen ⚡️ (@ow) 2017年1月24日
次期mac OSでもApple File System (APFS) が採用される
通常版のmac OS Sierra は、HFS+のファイルシステムを使っています。が、開発者向けのmacOS Sierra ベータ版では、Apple File System (APFS) を導入しています。
macOS Sierra 10.12.4 beta 8 (16E192b)
2017年6月のWWDCでは、Apple File System (APFS) を採用した新OSの発表があるはずです。
まとめ
以上が、iOS10.3で採用されるApple File System (APFS) についての説明です。
2017年に新しく登場するiOS・macOSは、Apple File System (APFS) が採用されることは間違いないだろうね。
SSDに最適化されていて高速化されるということなので、非常に楽しみです。
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