Googleが展開する相乗りサービス「Waze」が、いよいよ本格運用になる模様。
これでいよいよ相乗りサービスはGoogleが主導権を握る格好になります。
Googleが、カーナビアプリからスタートした車の相乗りサービス「Waze」を、米国およびラテンアメリカで本格展開することが明らかになりました。
Wazeの魅力はその料金です。あくまで「相乗り」であるため1マイルいくらという料金体系であり、UberやLyftと比べかなり安価になっています。現時点では利用者が支払った料金は運転者が全額受け取るようになっていますが、今後Wazeが普及すれば、サービス料金を課金する予定だとGoogleは述べています。
Wazeとは?
このブログを読んでいる方はWazeをご存じの方が多いと思いますが、簡単に説明します。
ルート情報・リアルタイムの渋滞状況を提供するカーナビアプリですが、情報をコミュニティでシェアできるのが、他のカーナビアプリとの違いです。
Wazeを立ち上げて運転すれば、リアルタイムの渋滞情報・運転中に遭遇した事故・スピード違反などの取締情報をレポートすることで、近くを走行している人にシェアすることが可能。
このカーナビアプリに、相乗り機能が追加されることになります。
わたくしも2016年8月にWazeについてのエントリーを書いたので、Wazeをよく利用していますが、日本ではそこまで使い勝手が良くないです。
Wazeにドライブレコーダーはついてない
Wazeで運転中に様々な道路状況をシェアする際、ドライブレコーダーの機能があると便利ですが、今の時点ではついてないですね。
今後、ドライブレコーダーからの情報を、Googleの人工知能が解析して、「渋滞」「事故」「取締情報」などを自動でシェアしてくれたら、めちゃ使い勝手は上がると思いますけどね。
ちなみに、わたくしが普段使っているドライブレコーダーのアプリを紹介します。
DailyRoads Voyager – Google Play の Android アプリ
無料バージョンで十分使えます。バックグラウンドで録画してくれるので、Googleマップでナビをしながら使うことが可能です。
Wazeの料金体系
利用者がドライバーに支払う料金は、政府の定める1マイル54セントの燃料費で、相乗りしている全員で割り勘になるようです。
- 54 cents per mile for business miles driven, down from 57.5 cents for 2015
- 営業マイル数はマイルあたり54セント、2015年は57.5セント
2016 Standard Mileage Rates for Business, Medical and Moving Announced
ちなみにドライバーからGoogleへの手数料は、今の時点では0円です。ある程度普及した段階で、手数料を取るようになると思います。
相乗りサービスでGoogleが主導権を握る理由
相乗りサービスでGoogleが主導権を握る理由は、GoogleがGoogleマップを持っているからです。
WazeはGoogleが展開するサービスなので、Googleマップを持っているのは本当にメリットになります。
相乗りサービスでGoogleが主導権を握るのは間違いないです。
UberもLyftも地図はGoogleマップを使ってる
ライバルであるUberもLyftも、Googleマップを使っています。
ちなみに、uberXは、Googleマップから直接呼び出せます。GoogleはUberの株主でもあるから、見えないところでものすごい戦いが繰り広げられてそう。
今後、UberとLyftがGoogleマップを使うのかどうかは、UberもLyftもGoogleの人材をガンガン引き抜いているから、将来的にどうなるかは分かりませんけど。
Wazeと競合するのは?
「uberPOOL」と「Lyft Line」が競合するのは間違いないです。ともに相乗りサービスです。
こういうところに日本の会社が入ってないのは残念ですよね。
uberPOOL
同じ方向に向かうユーザーでUber Xの車両とドライバーを複数の乗客とシェアすれば、費用が割り勘になります。1回の迎車について2名までの乗客が同乗します。
uberPOOLを利用するには、Uberのアプリから簡単に依頼することが可能。
まだ日本でuberPOOLのサービスは展開されていませんが、以下の都市で利用が可能です。
- アトランタ、バンガロール、ボゴタ、ボストン、シカゴ、デンバー、グアダラハラ、ハイデラバード、ジャカルタ、コルカタ、ロンドン、ロサンゼルス、マニラ、メキシコシティー、マイアミ、ムンバイ、ニューデリー、ニュージャージー、ニューヨーク、パリ、フィラデルフィア、リオデジャネイロ、サンディエゴ、サンフランシスコ、サンパウロ、シアトル、シンガポール、トロント、ワシントンD.C.
Lyft Line
uberPOOLと同様のサービスです。
グリーンCEOによれば、半年前にサンフランシスコで『Lyft Line』のサービスを開始して以来、通常のサービスを行っていた『Lyft』を抜き、同市における配車の50%以上を占めるまでになったという。
「ほとんどの人は、(Uberのモットーにあるような)プライベートドライバーを使うほどの余裕がない。我々が行っているのは、低価格での移動手段の革新への手を緩めないことだ」
Lyftは自動車交通での移動中“空席”の8割を埋めたいと考えている。無駄なエネルギー、無駄な駐車、無駄な時間をなくし、さらなる効率化をはかる。『Line Lyft』も、同乗者の増加によって道路を走る自動車台数を削減し、利用料金の値下げを実現する試みだ。
Lyft Carpoolはサービスが終了した模様
Lyftは、ベイエリアでLyft Carpoolという相乗りサービスを展開していましたが、こちらはサービスが終了したようです。
配車サービス、リフトが「相乗り」事業停止 参加ドライバー不足が原因
相互評価はどうなる?
uberPOOL・Lyft Lineのようなシェアリングエコノミーのサービスでは、トラブル回避のため相互評価が重要です。
Airbnbもそうでしょ?
Wazeも相互評価の仕組みがないと、思いもよらないトラブルに巻き込まれるリスクがあるから、そのうち導入されるんだろうね。
まとめ
以上がGoogleが相乗りサービスの主導権を握る理由です。
2013年にGoogleがイスラエルの一スタートアップだった「Waze」を13億円かけて買収したのは、相乗りサービスの主導権を握るという明確な戦略があったと思われます。
ナレッジ