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Spotifyの日本上陸で、定額制音楽聴き放題サービスはどう変わる?各社の生き残り策を考えてみた!

アプリビジネスモデル

Spotifyの無料プランの登場で、定額制音楽聴き放題サービスの勢力マップは大きく変わります。

2015年は定額制音楽聴き放題サービスの元年とも言われており、AWA・LINE MUSIC・Apple Music・Google Play Music・Amazon プライムミュージックが続々とローンチしました。でも、音楽サブスクリプションの元祖であるSpotifyは、2016年9月29日まで、日本に上陸することができませんでした。

理由は、Spotifyの無料プランの存在でした。レコード会社の抵抗は凄まじかった模様です。当初は、Spotifyに無料プランが有る限り、日本上陸は難しいと言われていましたからね。

今日のエントリーは、Spotifyの登場で、日本の定額制音楽聴き放題サービスはどう変わるのか?また、各社が生き残るためにはどうすべきなのかを考えてみます。

Spotifyの日本上陸後の勢力マップ

日本における定額制音楽聴き放題サービスの勢力マップは、以下の3つに分類されます。

  • Spotifyの登場で終了しそうなサービス
  • Spotifyと思いっきり競合するサービス
  • Spotifyの影響は受けないサービス

以下、詳しく見ていきましょう。

Spotifyの日本上陸で終了しそうなサービス

AWA・LINE MUSICは、現状のサービスを続けている限り、間違いなくサービスは終了します。どちらも有料会員のユーザー数は10万人程度しかいないしね。

  • AWA
  • LINE MUSIC

AWA

日本で一番最初に始まった定額制音楽聴き放題サービスですが、現状のままではサービスを継続していくのは厳しそう。

だってプランがしょぼいんだもん。一応無料プランがありますが、月60分まで。。セコすぎますよね?

有料プランは、プレイリストに制約のある「Liteプラン」が月額360円。すべての機能が使える「Standardプラン」が月額960円です。

「Standardプラン」に月額960円払うなら、ユーザーはSpotifyかApple Musicに行きますって。

AWAが生き残るには

正直、今のままでは生き残りは厳しいです。AbemaTVとコラボするというのもありますが、今度はGoogle Play Music + YouTube Redと思いっきりバッティングします。AbemaTVが、オリジナルのコンテンツを作ることができれば、復活できるはず。

LINE MUSIC

LINE MUSICもこのままだとサービス終わりますね。そもそも無料で視聴できるプランがありませんから。

有料プランは、20時間500円のベーシックプランと、月額960円(学生600円)のプレミアムプランが用意されています。

LINE MUSICの有料会員数も10万人程度です。

LINE MUSICが生き残るには

LINEサービスとのコラボをどんどんやるべきです。

例えば、有料会員になれば、毎月有料スタンプがタダで貰えるとかで、ユーザーを獲得していきます。

あとは、LINE LIVEとのコラボもありですが、AWA同様に、Googleとバッティングすることになります。YouTube Redと同じような動画コンテンツしかなければ、消耗戦になり、体力勝負で惨敗することは目に見えてます。いかにオリジナルのコンテンツを作れるかが鍵になります。

Spotifyと思いっきり競合するサービス

次にSpotifyと競合するサービスを見ていきます。

Apple Music

Apple MusicもSpotifyも音楽だけの単独サービスですから、ガチンコ対決になります。

Apple Musicの料金プランは月額980円です。ここも完全にバッティングしますよね?

Apple Musicが生き残るには

Apple Musicは、動画のサービスをプランに入れてることで、Spotifyとの差別化を図ることができます。

音楽配信だけでガチンコ対決になったら、すぐにでもやるでしょう。Appleは、iTunesで映画のコンテンツを山程持っていますからね。

またAppleは、映画レンタルの売上が落ちていけば、動画のサブスクリプションへシフトすることも十分考えられます。

あと、個人的な希望ですが、ブラウザだけで音楽が聞けるようになって欲しいですね。

Spotifyの影響は受けないサービス

以下2つのサービスは、Spotifyの影響をあまり受けないです。

  • Amazon Prime Music
  • Google Play Music

理由は、音楽配信以外のサービスをセットにしてユーザーに提供しているためです。

Amazon Prime Music

Amazon Prime Musicは、Spotifyの影響は受けません。

Amazon Prime Musicは、プライム会員の特典の一つです。プライム会員の場合、あくまで音楽聴き放題はおまけです。年間3900円払えば、Prime Musicで音楽が聴き放題になる以外に、プライムビデオで動画も見放題、Amazonの送料も無料、Kindleオーナーズライブラリで月1冊電素書籍が無料で読める、といった特典がありますからね。

プライム会員を止めて、Spotifyの有料会員になるというユーザーは少ないはず。月額980円を支払ってSpotify Premiumに入る人はあまりいないと思います。

多くのユーザーは、プライム会員は継続したまま、Spotifyの無料プランと併用する感じになるだろうね。

Google Play Music

Google Play Musicも、Spotifyの影響は受けません。

楽曲数は3500万曲以上、月額980円という部分だけを見ると、Spotifyに似ています。
ですが、Google Play Musicの有料会員は、無料でYouTube Redも利用できるので、Spotifyへ移行するユーザーはあまりいないだろうね。

Spotifyの今後は?

Spotify
Spotifyの今後は、定額制音楽聴き放題サービス以外の事業を広げていくのかが焦点になります。

Spotifyは、SoundCloudを買収するようですが、音楽だけでやっていくとなると、厳しい状況になるはず。現状、Amazon・Googleは音楽以外のサービスも複合的に提供しています。またAppleだって、動画配信をやろうと思えばいつでもできるだけの動画コンテンツを持っていますからね。

音楽ストリーミングサービスのSpotifyが、ライバルであるストリーミングサービスSoundCloudの買収に向けて「本格的に交渉中」だという。Financial Times(FT)が米国時間9月28日に報じた。

FTは、交渉に関して説明を受けた情報筋の話として、買収が近々発表される可能性があると報じている。買収金額は明らかにされていない。Bloombergは7月に、SoundCloudのオーナーらが10億ドルで売却を検討していると報じていた。

Spotify、ライバルのSoundCloud買収に向け交渉か

まとめ

Spotifyの参入によって、定額制音楽聴き放題サービスの勢力図は大きく変わります。

ある程度は寡占化していくと思われますが、今日のエントリーでは各社の生き残り策を考えてみました。

レコード会社にとって最大のライバルは、YouTubeです。
2015年の実施した、一般社団法人 日本レコード協会による調査を見てみると明らかです。

音楽聴取手段

  • 最も利用する音楽聴取手段は「YouTube」で50.7%を占めます。
  • 定額制音楽配信サービスは僅か3.6%。

Spotifyの日本進出によって、AWA・LINE MUSICは厳しい戦いを迫られることになります。

定額制音楽聴き放題サービスの中でユーザーを奪い合うことも大事ですが、それ以上にYouTubeのユーザーを引っ張ってくることが、今後生き残っていくためには重要です。

気がついたら、日本勢の定額制音楽聴き放題サービスが全滅なんてことにならないように、もう少しAWAやLINE MUSIC頑張ってもらいたいですね。

今後の音楽聴き放題サービスは?マネタイズが難しい
2015年はサブスクリプション元年と言われています。 2011年にSpotifyが定額制の聴き放題サービスを開始した際、当時の最先端テクノロジーだったにも関わらず、すっかり技術は陳腐化してしまいました。今や各社横並びのサービス展開となりまし...