ようやく日本にAndroid Payが上陸します。
Googleの戦略は?
三菱UFJフィナンシャルグループと手を結んで、日本進出を図ります。
日本の金融周りって、世界から見ると、めちゃガラパゴスです。GoogleやAppleなどのグローバル企業が、日本でフィンテックを実現していくには、顧客からの信用力・顧客基盤がある銀行をパートナーにしないと難しいのです。
この手法は、2013年にSquareが日本進出の際に三井住友銀行と提携したのと全く同じ構図です。米国の企業ってこうやって海外に進出するんですよね。
「Android Pay」が上陸するスケジュール
「Android Pay」が日本へ上陸するスケジュールを見てみましょう。
まず、2016年秋に三菱東京UFJ銀行の発行するデビットカードで、「Android Pay」が利用できるようになる予定です。その後、三菱UFJニコスのクレジットカードで対応する模様。
将来的には、その他のデビットカードやクレジットカードでも「Android Pay」が使えるようになります。
日本で流行るかどうかの鍵は、決済ターミナルにかかっています。この点は、後程詳しく書きます。
「Android Pay」とは
Googleが提供するモバイル決済サービスです。2015年9月10日にサービスが始まりました。すでにアメリカ、イギリス、シンガポールではサービスが始まっています。
「Android Pay」の特徴はセキュリティーが非常に高いという点です。デビットカードとクレジットカードのどちらかを登録して決済をするのですが、カード番号を送信するのではなく、仮想の口座番号に置き換えたものを送信する仕組みなので、個人情報とカード番号が「一緒に流出するというリスクがなくなります。
Android Pay については、以前のエントリーに詳しく書きましたので、よかったら見てください。
ちなみに、Googleは導入店舗を増やすために、小売店から決済手数料を取らないで運用しています。なので、アメリカでは100万店舗以上の店舗が参入しているようです。アメリカの場合は、店舗の決済ターミナルが、元々「Android Pay」に対応したType A/Type Bの規格だったという点が大きいです。
懸念するセキュリティー
Android 4.4 以上のスマホで対応するようだけど、セキュリティー大丈夫なんだろうか?Android 5.1以上にした方がいいと思うけどね。
「Android Pay」と「Apple Pay」の違い
黒船である「Android Pay」と「Apple Pay」の違いは、使用する端末が「Android」か「iOS」の違いだけで、決済の仕組みやセキュリティーに関してほとんど同じ仕組みです。
「Android Pay」は日本で流行るの?
お待たせしました。今日の本題です。
日本で「Android Pay」が流行るかどうかは、決済ターミナルがリアル店舗にどのくらい普及するか次第です。
どういうことかというと、「Android Pay」の決済は、Type A/Type BのNFC規格を使います。なので、リアル店舗の決済ターミナルがType A/Type Bに対応していなければ、利用者は決済できないのです。
Suicaの決済ターミナルは使えない
日本でのモバイル決済といえば、ブッチギリでSuicaが普及しています。コンビニ、駅ナカ、ルミネでは、たいてい使えますよね?
でも、Suicaが使える店舗の決済ターミナルは、Suicaの決済ターミナルであるType F(FeliCaチップ)にしか対応しておりません。
Type Fの決済ターミナルでは、Android Payの決済はできないのです。
アメリカとは異なり日本では、現時点で、Type A/Type Bに対応している決済ターミナルを導入しているリアル店舗なんてごく僅かです。
決済ターミナルを配布する
日本におけるSuicaの牙城って半端ないんですよね。
Android Payが普及するには、Suicaが使える店舗では、Android Payも同じように使えるという状況にならなければ、利用者は絶対に増えません。
これには、決済ターミナルを配りまくるしかないでしょう。Googleか三菱UFJフィナンシャルグループが、ガンガン配っていくかもしれません。
さらに、GoogleはAndroid Payの販促として、Android Payに登録したら1000円をプレゼント的なことは絶対にやってくると思いますよ。なにせ資金力が豊富ですからね。
NexusシリーズにもType F(FeliCaチップ)を搭載すべし
今の時点では、NexusシリーズがSuicaに対応するという話はありません。日本国内メーカーが製造するAndroid端末には、Suica対応モデルもあるけどね。
「Android Pay」や「Apple Pay」が採用する、Type A/Type BのNFC規格のデメリットは、タッチしてから決済までに時間がかかる点です。5秒近くかかりますから、日本の通勤ラッシュでは絶対に使えません。JRの自動改札が、Type A/Type BのNFC規格に対応することはないだろうね。
個人的には、NexusシリーズでもSuicaを使えるように、Type F(FeliCaチップ)を採用して欲しいです。
ちなみに、iPhoneはSuicaに対応するために、日本国内のガラパゴス規格であるType Fを導入します。早ければ次期iPhoneから搭載されますからね。
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