先日LINEのBOT APIが公開されましたが、Facebookも開発者会議「A8」で「Messenger」に対話型の人工知能を搭載するという発表をしました。開発者向けのツールも公開します。
とはいえプログラマーじゃないからAPIとか言われても、よく分からんという方も多いと思います。チャットBOTの登場でどんな世の中になっていくのでしょうか?
【4月13日 AFP】米フェイスブック(Facebook)は12日、いわゆる「チャットボット」と呼ばれる対話型の人工知能機能を同社「メッセンジャー(Messenger)」に組み込む意向であることを明らかにし、開発者向けのツールを公開した。
この新たな動きについては、米サンフランシスコ(San Francisco)で開催の年次開発者会議で発表された。会議では、メッセンジャーの月間ユーザー数が9億人を突破したことも明らかにされた。
ボットは、会話から「学習する」能力を持ち、相手が何を言っているのかを理解し、最良の対応を見つけ出す。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は、視覚、聴覚、言語などで、人間より優れたシステムを人工知能で構築することが目標との長期ビジョンを明らかにした。
チャットBOTの特徴
自動返信BOTというと分かりやすいかも。
LINEやMessengerの中で、相手から送信が来た時に、BOTが自動返信することができるようになります。でも、これだけだと今でもありますよね?
チャットBOTに人工知能が搭載されるとどうなるかというと、LINEやMessengerの中でBOTが自動で顧客とやり取りして、商品やサービスを販売できるようになります。自動化されるので、人件費がかからなくなります。
更に、APIを組み込むだけでいいので、開発費が安く上がるのも特徴。
今までは、OSのプラットフォーム(iOSとAndroid)用に、それぞれアプリを開発してたんだけど、こういうことが必要なくなります。
MicrosoftはBOTを1つ作れば、LINEやFacebookでも使えるツールを開発しているようです。Microsoftはアプリでも同じことやってたよね。
テクノロジーはすぐに陳腐化していくから、各社一斉に横並びのサービス展開をしてくるはず。LINEやFacebookに続いて他社もAPIの提供をすることは間違いない。GoogleやMicrosoftやIBM Watsonなども参入してくるでしょう。
LINE BOT API
LINEのサイトの説明を見ると、
BOT API Trial AccountではあなたのサービスとLINEユーザーの 双方向コミュニケーションを可能にするAPI開発をお試しいただけます。
無料で使えるトライアルアカウントでは、50人までしか自動返信できないから、お試しという感じです。
自動応答してくれる LINE BOT
りんな @ms_rinnna
2015年7月31日にLINEに登場した、日本Microsoftが開発した会話型BOTです。
高校に通う女子高生という設定になっています。
りんなのアルゴリズム
公開されていませんが、検索エンジンのBingと集まったビックデータを元に、機械学習のプラットフォーム「Azure Machine Learning」が使われていると言われています。
人工知能でどんどん賢くなっています。
LINE BOT API Accountの作り方
先日、LINEのbot APIが公開されましたので、登録さえすれば、個人の方でも使うことができるようになりました。
りんなのような、膨大なデータベースと人工知能を組み合わせたBOTを作るのは難しいですが、自動応答BOTならば、多少のスキルがあれば作れるようになりますよ。
LINE BOT API を使うには
無料で使えるトライアル版は、先着10000名までのようです。本日4月13日でも登録できます。
アカウントを作ってLINE BOTを試す条件は、
- LINEのアカウントを持っている
- SSL接続できるサーバーを持っている
- BOT API の技術文書は英語
- サンプルソースコードはLINEでは公開していない
プログラマーじゃないと、ちょっと敷居は高いかも・・
ということで、サンプルコードを提供しているサイトがいくつかあるので紹介します。
- LINE BOT をとりあえずタダで Heroku で動かす
- LINE BOT API Trialでできる全ての事を試してみた
- LINE BOT APIを使ってPythonでLINE BOTを作ってみた
ウェブサイトに実装できるチャットボット
サイトに人工知能のチャット機能を実装したら、ユーザーの利便性はかなり上がります。
ウェブサイトのよくある質問
チャット機能を埋め込んでおいて、人工知能BOTが対応すればお互いに楽です。
FAQとか探すの面倒だもんね。
ちなみに、DMM mobileは、サイトにチャットが組み込まれているけど、これは人力です。人工知能じゃない。
リコメンド機能
ECサイトで決済の最終画面で、「この商品を購入する方は、こちらの商品も購入されます」といったリコメンド機能を人工知能のチャットで実装していく方向になるはずです。
今後のチャットBOT
人工知能のチャットBOTと会話することによって、買い物がMessengerやLINE上でできるようになると、ECサイトの役割が変わってきます。
どうなるのかというと、ECサイトはカタログ替わりとしての機能だけになっていきます。
Amazonアプリの登場によって、リアル店舗が厳しい状況に追い込まれていますよね。チャットBOTの登場で、ECサイトのニーズも減ってくるかもしれません。
MessengerやLINEが人工知能で賢くなれば、価格.comのような比較サイトの利用者も減ってくるはず。人工知能が一番安い店舗を教えてくれるからね。
商品を購入するプラットフォームがいきなり全部 MessengerやLINEに行くことは考えにくいので、しばらくはサイトと併存していくはずです。
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