iOS9.3にアップデートされて、メモアプリにパスワードや指紋認証のロックが掛けられるようになりましたよね。
Macも使っている方は、OSXも El Capitan 10.11.4へアップデートしたので、iOS同様にメモ帳のパスワードロックに対応しています。
すごく便利だし、待ってましたというサービスなんだけど、イマイチな点がいくつもあったので、今日はその点をレポートします。
最初の一行は見れる
メモにパスワード掛けられるけど、最初の一行は見れちゃいます・・
1行目はタイトルだけにして、重要なことはメモの2行目以降に書きましょう。
パスワードをかけたメモが削除できる
正直どうなのって思ったのが、パスワードでロックをかけてるメモが、簡単に削除できてしまう点。
パスロックがかかってるメモを削除する時は、パスワードか指紋認証のワンクッションを入れて欲しいよね。
流れを説明します。
iOSでもMacでもどちらでもいいんだけど、パスロックがかかってるメモを削除すると、「最近削除した項目」へ移動して、30日後に自動で完全に削除されることになっています。
もし、メモを誤って削除してしまった場合、30日以内ならば「最近削除した項目」から元に戻すことが可能です。
悪意を持った第三者がいたら
メモにパスロックがかかってるものは、第三者が見たらきっと重要なんだろうなと容易に想像できますよね?
しかも、メモ一覧で最初の一行目は分かるような仕組みになっています。重要度は判断付きますよね?
悪意を持った人が、メモ一覧までアクセスできたと仮定しましょう。
パスロックがかかったメモを軒並み削除。「最近削除した項目」も削除してしまったら、復元はできないのです。
メモをAppleで復元
この件をAppleサポートに確認したところ、「最近削除した項目」のメモを削除してしまったら、端末側では元に戻せないとのこと。
更に、iOS9.3では、パスロックをかけたメモを削除する際、パスワードの入力を求めることは仕様上できないようです。
万が一、「最近削除した項目」からメモを消去してしまった場合、Appleサポートへ連絡を下さいとのこと。
iCloudのシステムに残っていることもあるようなので、iCloudサーバーの担当部署でデータの復元をトライしてくれるようです。
ただ、復元できないこともあるようです。まあやってみなければってところですね。
iOS9.3 メモの使い方
新機能を見てみましょう。
メモにパスワードをかける
パスロックのかけ方です。
メモの共有を開いてメモのロックをタップ。
メモ専用のパスワードを設定して完了をタップ。
パスワードはかかったメモを表示
ロックがかかっているメモを開いて、「メモを表示」をタップ。パスワードを入れて解除します。
複数のメモがあってもパスワードは共通
複数のメモがあってもパスワードは1種類だけです。
メモ毎に個別のパスワードを設定することはできないようですね。
パスワードの変更方法
- 設定 → メモ → パスワード → パスワードを変更
メモの並べ替え
かなり限定的ですが、並べ替えが可能。
標準では編集日の順番に並んでいます。順番は、編集日・作成日・タイトルの3つから選べます。
順序を変更するには、
- 設定 → メモ → メモの表示順序
任意の順番に並べ替えたいというニーズはあると思うんだけど。
メモでEvernoteノートを取り込む
AppleはEvernoteやめてメモに移行してよってことなんでしょうね。最近のEvernoteはUIが変わってから随分使いにくくなりました。機能を詰め込み過ぎなのです。
OSXからの操作は、
- ファイル→メモを読み込む
パスワードの保管はやめた方がいい
わたくしは、iOS9.3のメモのパスロックを聞いた時、真っ先にパスワードの管理に使おうと思いました。
最近のブラウザはSafariもChromeもクラウドでパスワードを保管してくれます。これはめっちゃ便利なんだけど、アプリにパスワードを入れるときには使えません。手入力になります。
セキュリティーを考えたら同じパスワードの使い回しなんてできないから、ウェブサービス毎に複雑なパスワードにしてるんだけど、いちいち全部のパスワードなんて覚えてられないです。
なので、パスワードが分からなくなって困るのは、外出先でアプリが強制ログアウトしてしまった時。
外出先でパスワードを入力するとなると、Safariの環境設定からパスワードを確認するか、パスワードをiCloud DriveやGoogleドライブなどのオンラインストレージに保管するしかない。でも、オンラインストレージは個別のファイルにパスワードがかけられないから、iOS9.3のメモに期待していたのです。
iOS9.3のメモは、まだまだ発展途中なので、使い勝手が良くなるには、もう少し時間がかかりそう。
アプリを作ってる会社はOSが最大のライバル
一人で複数のデバイスを使う時代なので、メモ帳はクラウドで同期するのがデフォになってきましたよね?
一昔前なら、クラウドで同期するメモアプリはEvernoteが有名でしたが、最近は微妙な立ち位置になってきました。わたくしも最近全然使わなくなりました。
Evernoteが出た頃は、他に同じようなサービスがなかったのと、Windows、Mac、iOS、Androidのどの端末でも利用できるのがポイントでしたよね。
でも、テクノロジーがどんどん陳腐化してくると、AppleやGoogleがOSの機能の一部としてメモアプリを取り入れてきます。
これはクラウドストレージも同様で、Dropboxが登場した時は、他にサービスがなかったからみんな利用したんだけど、今やGoogleドライブやiCloud Drive などOSとくっついたストレージが出てきました。移行してる人も多いはず。
EvernoteもDropboxも、プラットフォーマーであるOSメーカーに、最適なタイミングで売却しとけばよかったのにね。
Appleのメモアプリはどんどん進化しているから、もう少し改善されれば、めっちゃ使い勝手良くなります。まあ時間の問題だと思いますよ。
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