もう5年が経ちました。
東日本大震災は、地震の規模がマグニチュード9.0であり、日本周辺における観測史上最大の地震でした。
最大遡上高40.4mにも上る巨大な津波が発生し、東北を中心とした太平洋側沿岸部に甚大な被害をもたらしました。
まるで映画のように車が川を逆流する姿は記憶に残っていますよね。
わたくしは震災後の4月に石巻を訪れた際、あまりの光景に声が出ませんでした。今でも脳裏に焼き付いています。
福島第一原子力発電所の事故
津波の被害は福島第一原子力発電所にも及びました。
福島第一原子力発電所は、地震から1時間後に14〜15mの津波に襲われ、電源を喪失します。原子炉の冷却ができなくなったため、メルトダウンが発生し放射性物質が拡散。
福島第一原子力発電所周辺は、「帰還困難区域」「居住制限区域」に指定され、周辺の住民は避難生活を余儀なくされます。
国際原子力機関と経済協力開発機構原子力機関が策定した基準である、国際原子力事象評価尺度では最も最悪なレベル7「深刻な事故」に分類されました。
防災無線 遠藤未希さんの声
宮城県南三陸町の町役場職員で、最後まで防災庁舎から防災無線で避難を呼びかけて帰らぬ人となりました。
繋がらない携帯電話
当日、携帯電話は全く繋がりませんでした。特にひどかったのはソフトバンク。
一般電話もほとんど繋がらなかったため、電話というツールは家族や友人の安否確認に全く役に立たなかったのです。
逆に比較的良く繋がったのはPHS。
電話が全く繋がらない中、役に立ったツールはTwitter、Skype、Gmailです。
- Twitterは問題なく機能して、「NHK広報局公式アカウント」や「地震速報」ではリアルタイムの情報を発信し続けました。
- Skypeも電話の代替として機能しました。
- Gmailも連絡の手段として多くの人に利用されました。
当時はスマホもそこまで普及しておらず、LINEはまだ登場しておりません。
今後、災害時に電話が繋がる仕組みを作っておかないとダメですね。例えば、ドローンに基地局を載せて飛ばしたり、衛星回線に繋いだり、できることはたくさんあります。
電話とネットの違い
ここで疑問が生じます。同じ携帯電話にもかかわらず、なぜインターネットだけが繋がったのでしょうか?
理由は、携帯電話の通信は2種類あるからです。
- 音声通話
- パケット通信
音声通話
携帯電話の仕組みを説明します。
携帯電話をかけると、最寄りの基地局に繋がります。通話の相手も携帯電話の場合、相手がいる場所の最寄りの基地局が相手を呼び出します。
電話が繋がると、通話中ずっと回線を占有することになります。基地局は通話できる回線数に限りがあります。
なので、災害時に通話したい人が増えて回線数をオーバーしたり、携帯キャリアが警察・消防・役所の電話を優先するために基地局の回線数に制限をかけたりすると、全く電話が繋がらなくなってしまいます。
東日本大震災の際、電話が繋がらなかったのはこのためです。
パケット通信
同じ携帯電話でも、インターネットの仕組みは通話とは異なります。
通話の時のように回線を占有するのではなく、通信データを小分けにして、パケット通信を行うため、人数が増えても並列で使用することができます。
Skypeで通話する場合、音声データをパケット通信で行うため、通常の携帯電話のように基地局を占有しません。そのため、災害時に電話の代替手段として機能するのです。
災害に備える
日本は地震大国なので、いつどんな災害が起きても家族・親しい友人と連絡が取れるようにしておきましょう。
ソーシャルメディアを活用
Twitter、Skype、Gmailは東日本大震災で繋がりやすかったという実績があるのでアプリを入れておくべきです。アカウントを持ってない方は作っておきましょう。
LINEはみんな使ってるからサーバーがパンクしそう。
Apple FaceTime、Apple メッセージは利用者が少ないから穴場かも。
- LINE
- Skype
- Googleハングアウト
- Apple FaceTime
- Apple メッセージ
- Slack
携帯バッテリーは持っておいたほうがいいです。電源がなくなったらスマホは何の役にも立たないからね。
NTT 災害伝言ダイヤル
これはかなり微妙。
電話で音声による伝言板の機能が果たせるということですが、電話が繋がらなくなったら使えません。
あと、このサービスは有料です。ひどいよね。災害時のサービスなんだから無料にするべきです。
↓使い方のリンクを貼っておきます。
遅々として進まない復興
警察庁の発表では、2016年3月10日において、死者15,894人・行方不明者は2,561人・震災関連死3,407人。建物の破壊は400,326棟。
今後5年間の復興基本方針を政府が定めたというニュースがありましたが、政府はもっと被災者の立場に立って復興を支援すべきです。避難生活を強いられる方が、いまだ17万4千人にも上ります。
一刻も早い復興を心から願うとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
これから「東日本大震災「祈りの日」式典」へ行ってきます。
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