書籍「いちばんやさしいGoogleビジネスプロフィールの教本」

日本の産休と育休制度!海外の事例と比較してみた!

よもやま話

Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏が2ヶ月の産休を取るというニュースが飛び込んできました。もう生まれてるので、産休じゃなくて育休なんですけどね・・

FacebookのザッカーバーグCEO、2カ月の父親産休取得を宣言

アメリカでは育児制度が全く普及していないので、IT企業が新しい制度を導入すれば社会が変わっていくかもしれません。

育休は子どもの1歳の誕生日まで?Netflixの新制度

Netflixが8月4日に公開したブログによれば、「新たに子どもが生まれたその日(あるいは養子に迎えたその日)から、最大で1年間の有償の育児休暇を認める」新制度を始めるとしている。つまり、子どもが満1歳になるまで育児休暇の習得が可能となるのだ。育児休業中は給料も減額される事なく支払われ、復職にも柔軟に対応するとしている。

育児の拡充をマイクロソフトも決断

アメリカの人気メディアBusiness Insiderによれば、マイクロソフトはこれまでは母親となった従業員に対し、8週間の産休、新たに子どもが生まれた従業員に対して、12週間の育児休暇を制度として保障してきた。

産休の間には満額の給料が支払われいたが、育児休暇中は減額されていた。今回発表となった新制度では、8週間の育児休暇にも満額の給料が支払われることになった。
更に、妊婦が希望すれば、出産直前の時期には短時間勤務も可能になるという。

育休の拡充に乗り出すアメリカのIT業界:NetflixやMicrosoftが相次いで発表

少子化を防ぐには

産休制度 + 育休制度 + 児童手当をセットで考えましょう。

少子化を防ぐには、生まれる前の産休制度に始まって、生まれてから3歳くらいまでの育休制度、その後の児童手当の3本の柱が充実しないとダメですからね。

日本の現状と各国の状況を比較してみます。

フランス及びドイツにおける家族政策

各国の産休制度

各国の産休制度

  • アメリカ 産休12週間、給与は州によって決められる
  • フランス 産休16週間、給与100%(2人目以上の場合34週間まで)
  • ドイツ 産休14週間、給与100%
  • 日本 産休14週間、給与67%

なんと最長「4ヶ月」も取得できる国が!気になる世界の産休事情

日本の産休制度

産休制度だけを見ると、正社員や公務員の場合、他国と比べてそんなに劣っているという感じはしません。

しかし、20代後半の女性の非正規雇用率は36.7%、30代前半の非正規雇用率は45.4%という状況なので、改善しないと少子化に歯止めはかかりません。

男性22%・女性57%は非正規…就労者の正規・非正規社員率をグラフ化してみる(2015年)

女性の非正規雇用率

産休の期間

産休の期間は、予定日より6週間前の産前(多胎妊娠の場合は14週間)から、分娩日の翌日より8週間の産後の休業期間を指します。この期間は、本人が希望すれば会社を休業することができます。

ただし、本人が働きたいと言っても、産後6週間は必ず休業することになっています。

産休中の給料

ほとんどの会社で給料は出ません。

出産手当金

会社から給料が出ない替わりに、会社員や公務員なら自らが入っている保険組合から「出産手当金」が出ます。産休の期間1日につき、産休前に毎月支払われたお給料のおよそ3分の2が支払われるのです。

国民健康保険の加入者は支給されません。

出産一時金

妊娠4ヵ月以上の方が出産したときは、一児につき42万円の出産一時金が出ます。

出産手当金と異なり、会社員や公務員の保険組合だけでなく、国民健康保険の加入者にも支給されます。

妊娠・出産は、健康保険が使えないため全額自費になります。これを補うためのものとされているのです。

産休中の税金

もらえるものばかりではありません。出て行くお金もあります。

住民税のは前年度の所得に対してかかる税金なので1年遅れで課税されます。なので、収入がないのに住民税を負担しなければならないのです。所得がある方は結構な金額になるので辛いですよね。

ちなみに出産手当金は非課税扱いなので、出産手当金に税金はかかりません。

社会保険料は免除

以前は、産休中も保険料を納める必要があったのですが、平成26年4月以降は保険料が免除になりました。

育休中も社会保険料は免除になりますので、産休〜育休期間中は社会保険料は免除になります。

各国の育休制度

フランスやドイツでは3年間の育休が取得できます。

各国の育休を見てみましょう。

  • アメリカ 先進国で唯一、有償の育休制度がない。
  • フランス 育休は3年間取れます。給付期間は第1子は最長6ヶ月、第2子以降は3歳になる前の月まで。給付月額は、552.11ユーロ。第3子以降で休業期間を1年間に短縮する場合は789.54ユーロに割増し。
  • ドイツ 子が満3歳まで。給付期間は12ヶ月。給付月額は、従前の手取り賃金の67%(上限1,800ユーロ、下限300ユーロ)
  • 日本 満1歳まで。給付月額は、育休開始日〜180日目まで月給の67%。181日目から365日目まで月給の50%。(上限21万3450円)

日本の育休制度

育児休業とは、育児休業法の法律で認められたもので、赤ちゃんが1歳になるまでの間、取得できます。

ですが、産休制度と同様、正社員や公務員には手厚いですが、非正規雇用者が多い現状に対応しているとは思えません。フランスのように育休を3年間取得したあと、職場に戻れるような仕組みも必要です。

日本で育休を取る場合、どのような仕組みになっているのでしょうか?

育休中の給料

会社から給料は出ませんが、加入している雇用保険組合から、育児休業給付金が給付されます。

通常だと1年間(特別な理由がある場合は最長1年6ヶ月まで)サポートしてくれます。

国民健康保険の加入者には支給されません。

育児休業給付金はいくらなの?

  • 育休開始日〜180日目までは、月給の67%
  • 181日目から365日目まで(特別な理由があるときは最長1年6ヶ月まで)、月給の50%
限度額あり

上限額は日額「1万4230円」なので、月額「21万3450円」が限度額になります。給料が多い方だと支給額が50%以下になることもあります。

育休中の社会保険料

免除申請をすれば免除になります。

世界の児童手当

子供が成人するまでの期間の手当です。日本はあまり充実しているとは思えません。

フランスやドイツでは児童手当がめちゃくちゃ手厚いのです。少子化対策を国をあげて実施しているので出生率も高いです。

  • アメリカ 制度がありません。
  • フランス 第2子から支給。20歳まで。支給月額は、第2子123.92ユーロ、第3子158.78ユーロ、年齢による加算あり(11歳以上34.86ユーロ、16歳以上61.96ユーロ)
  • ドイツ 第1子から支給。18歳まで。支給月額は、第1子・2子 184ユーロ、第3子 190ユーロ、第4子以降 215ユーロ
  • 日本  第1子から支給。15歳まで。

各国の児童手当制度概要

日本の児童手当

中学を卒業するまでしか手当はでません。フランスのように20歳まで支給されるところもありますからね。

  • 0~3歳未満 一律1万5000円
  • 3歳~小学校卒業まで 第1・2子=1万円 第3子以降=1万5000円
  • 中学生卒業まで 1万円

日本の少子化対策

フランスやドイツは少子化対策に政府を挙げて実施しています。

日本の場合、正社員や公務員には手厚いですが、非正規雇用の方には十分な手当てはありません。

今後、産休制度〜育休制度〜児童手当の3つの柱を中心に、手当が平等に行き届くような仕組みを充実させる必要がありますね。