Googleは、モバイルファーストインデックスの導入に向けて、着々と準備を進めています。
今日のエントリーでは、モバイルファーストインデックスが導入される前に準備しておくことをお話します。
モバイルファーストインデックスとは?
従来、Googleのアルゴリズムでは、「PC版ページ」をインデックスして、その情報を元に、検索ランキングを決定していました。
モバイルファーストインデックスが導入されると、「PC版ページ」ではなく、「モバイル版ページ」がインデックスされるようになります。要するに、「モバイル版ページ」のコンテンツをインデックスし、検索ランキングが決定されます。
なぜGoogleはモバイルファーストインデックスを導入するのか?
Google検索へのアクセスが、PCからのアクセスよりも、モバイルからのアクセスが多くなってきたためです。
2015年5月5日のGoogle公式ブログを見ると、スマホからの検索件数が、PCからの検索件数を上回っていることが書かれています。
In fact, more Google searches take place on mobile devices than on computers in 10 countries including the US and Japan.
その中でもご紹介した通り、米国や日本をはじめとする 10 か国では、スマートフォンからの検索が既にパソコンからの検索件数を上回っています。
わたくしのブログも、モバイルからのアクセスが半分以上あります。Google Analyticsで過去30日のデータを見ると、モバイル 54.32%、デスクトップ 37.40%、タブレット 8.28%です。
店舗型ビジネスを行っているウェブサイトでは、モバイルからのアクセスはもっと多くなります。飲食店や美容室のクライアントの数字を見ると、8割以上がモバイルからのアクセスになりますからね。
Googleは、モバイルファーストインデックスを導入することで、モバイルユーザーの検索体験を向上させることを狙っています。モバイルで検索するユーザーが、ニーズに合った検索結果を提供されることになりますからね。Googleの公式ブログにも、そのことがしっかりと書かれています。
最近では、Google 検索を使用しているほとんどのユーザーは、モバイル端末から検索を行うようになりました。しかし依然として、Google のランキング システムは、主にデスクトップ版のコンテンツを用いてユーザーとの関連性を評価しています。この方法では、モバイル版のページのコンテンツがデスクトップ版のページのそれよりも少ないケースにおいて、問題が発生します。なぜなら、モバイル検索ユーザーが実際に見ているページを Google のアルゴリズムは評価していないからです。
そこでユーザーにとってさらに価値ある検索結果を提供するために、Google ではモバイル ファーストのインデックス登録に向けた実験を開始しています。
モバイルファーストインデックスの導入はいつから?
Googleがモバイルファーストインデックスの導入について発表したのは、2016年11月です。
そろそろ導入されるのかなと思っていましたが、モバイルファーストインデックスの導入には数ヶ月かかるようです。今年中には、モバイルファーストインデックスは導入されると思うけどね。
[海外SEO情報ブログ]更新: Google モバイルファーストインデックス導入はまだ数か月先、”クオリティ ニュートラル”を目指すため #SMX West 2017 https://t.co/vrQvYh2Qex
— Kenichi Suzuki; 鈴木謙一 (@suzukik) 2017年3月26日
モバイルファーストインデックスでは、表示速度がランキングの要素になる模様
モバイルページの表示速度も、ランキングの要素になるようです。
[海外SEO情報ブログ]更新: 「MFIでは表示速度をランキング要因にしない」をGoogleが撤回、速いページを評価する #SMX West 2017 https://t.co/fp3YCGLtSh
— Kenichi Suzuki; 鈴木謙一 (@suzukik) 2017年3月27日
検索ユーザーは、モバイルでの表示速度が遅いと離脱しますからね。
モバイルファーストインデックスに向けて対策が不要なサイト
レスポンシブデザイン(RWD)のサイトは、対策は不要です。
RWDの場合、主なコンテンツやマークアップが、「PC版ページ」も「モバイル版ページ」も同一ですからね。
ちなみに、「モバイル版ページ」でサイドバーなどを省略しているケースでも、評価は変わらないようです。
@KazushiNagayama レスポンシブウェブデザインであるものの、PC版のサイドバー等で表示しているナビゲーションやテキスト情報を、スマホ状態では削っているWebページはよくあると思います。こういうページも基本的に評価は変わらないという認識で良いでしょうか。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年11月5日
モバイルファーストインデックスに向けて対策が必要なサイト
モバイルファーストインデックスへ向けて対策が必要なサイトは、どんなサイトなのか見ていきましょう。
- 「モバイル版ページ」のコンテンツが、「PC版ページ」と比べると大きく省略されているサイト
- 「モバイル版ページ」を持っていないサイト
- 「モバイル版ページ」でマークアップがされていないサイト
どのような対策を行えばいいの?
上記のサイトに当てはまる場合、モバイルファーストインデックスに向けて準備が必要です。
Googleが発表している公式情報に、対策について記載があります。
- 構造化データ マークアップがデスクトップ版とモバイル版の両方で配信されるようにします。
構造化データ マークアップの同一性を確認するには、構造化データ テストツールにデスクトップ版とモバイル版の両方の URL を入力し、出力結果を比較します。
モバイルサイトへ構造化データを追加する際は、それぞれのドキュメント特有の情報に関係のないマークアップを大量に追加するのは控えます。- robots.txt テスターを使用してモバイル版のコンテンツに Googlebot がアクセス可能であることを確認します。
- rel=”canonical” リンク要素を変更する必要はありません。デスクトップとモバイルのそれぞれの検索ユーザーにとって適切な結果を表示するために、Google はそれらのリンク要素を引き続き使用します。
ページネーションはどうする?
ニュース系のサイトによくあるのですが、「PC版ページ」は1ページなのに、「モバイル版ページ」は複数に分割しているサイトありますよね?
単にPVを稼ぐためだけに、「モバイル版ページ」を分割しているのでは、と思えるようなサイトもよく見かけます。
モバイル版のページネーションについては、検索ユーザーの体験を大きく損ねます。
モバイルファーストインデックスが導入された場合、「モバイル版ページ」と「PC版ページ」は同一のものを、ユーザーに提供することをオススメします。
ウェブサイトによっては、表示速度を上げるために「モバイル版ページ」を分割しているケースもありますが、日本のモバイルネットワークは十分速いので、ページを分割しなくても表示速度は遅くなりません。
「モバイル版ページ」と「PC版ページ」で、ページネーションを揃えることができない場合
「モバイル版ページ」と「PC版ページ」でページネーションを揃えることができない場合は、以下のようにしてください。
- 「モバイル版ページ」と「PC版ページ」に、rel=”prev/next” を設置する。
- 「モバイル版ページ」から、rel=”canonical” で「PC版ページ」にURLを正規化する。
- 「PC版ページ」から、rel=”alternate” を 「モバイル版ページ」に向ける。
まとめ
以上が、モバイルファーストインデックスが導入される前に準備することについてのまとめです。
「モバイル版ページ」と「PC版ページ」のコンテンツが異なる場合、モバイルファーストインデックスが導入される前に、必ず対策を行ってください。「モバイル版ページ」と「PC版ページ」は同一のコンテンツを用意する必要があります。
RWDでサイト運営をしている方は、モバイルファーストインデックスが導入されても、「PC版ページ」と「モバイル版ページ」は同一コンテンツなので、大きな影響は受けません。
大規模サイトを運営している場合で、「モバイル版ページ」のコンテンツを省略している場合は、今からしっかりと準備しておく必要があります。
サイトを新規に制作する場合も、「モバイル版ページ」がインデックスされることになりますので、モバイルで検索してきたユーザー体験を高められるような、コンテンツを作っていくことをオススメします。
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