米Amazonで新しい動きがありました。いよいよ競合つぶしが始まります。
Amazonの送料・手数料・お急ぎ便が無料になる会員制プログラム「Amazonプライム」に、従来の年間プランに加えて新しく月額プランが登場しています。同時に会員向け動画の「プライム・ビデオ」のサービスのみを利用できる独立プランも始まり、AmazonがNetflixなどの動画配信サービスを追撃する構えを見せています。
米Amazon Primeの3つの料金体系
今までの「年額払い」に加え、今回「月額払い」「Primeビデオの月額プラン」が追加されました。
年額払い
年額99ドルなので、8.25ドル/月になります。
月額払い
月額10.99ドルなので、131.88ドル/年となり、年額プランよりも、年間32.88ドル割高となります。
Primeビデオの月額プラン
このプランが競合つぶしの料金プランです。
月額8.99ドルなので、107.88ドル/年。
でも、Primeビデオだと、商品の無料配達、Prime Musicで音楽聴き放題、Kindleオーナーライブラリなどの特典を受けることはできません。
日本のAmazonプライムはどうなる?
アマゾンのサービス展開は、まず米Amazonで行ったものを日本のAmazonも導入するという流れになります。今回の米Amazon Primeの料金プラン改定をうけて、間違いなく近いうちに日本にも導入されるはずです。
ここ数ヶ月の動きを見てみましょう。
Amazon送料の改悪
米Amazonで2016年2月に非プライム会員の改定を行い、送料無料の条件を49ドルへ値上げ。
↓
日本Amazonでも2016年4月に料金改定を行い、非プライム会員の送料無料は2000円以上に変更。
Prime Musicの導入
米Amazonでは2015年6月にサービスがスタート。年額99ドルでPrime会員に入れば、音楽聴き放題サービスも提供されることになる。
↓
日本では2015年11月23日に導入されました。日本のプライム会員は3900円と安いので、Prime Music導入の時点で値上げという噂もありましたが、今のところ据え置きになっています。
今後のAmazonプライム
Amazon Primeのビジネスモデルは、BtoCの鵜飼ビジネスです。
ある程度ユーザーを囲い込んだら、次に待ってるのは値上げ。年額3900円って安すぎるからね。こんな感じで推移していくと思われます。
- はじめは他より安い金額でサービスを提供
- 競合サービスをバンバン潰していく
- 会員数を増やして、抜けられなくなったところで値上げ
1. はじめは他より安い金額でサービスを提供
日本のAmazonプライムはこの段階にいます。
プライム会員にはFireタブレットを4980円で販売するのも、プライム会員を増やすための販促ツールとして使っています。
例えば、2015年9月にプライムビデオのサービス発表の際には、Fire TV Stickが新規にプライム会員に入ると980円。既存のプライム会員向けに1980円で販売していましたよね。もうキャンペーンは終わってしまいましたが・・
Amazonでは、これらの端末を使って、プライムビデオやPrime Musicでサブスクリプションのサービスをユーザーが楽しめるような環境を整えています。サクサク使えるところが抜けられなくポイントなんだよね。
2. 競合サービスをバンバン潰していく
米Amazonは第2ステップであるこの段階に入っています。
プライムビデオは今のところ、プライム会員のおまけ的な存在でしたが、NetflixやHuluとの戦いに挑むということなのでしょう。
世界で7500万人以上いるNetflixに対抗できる料金プランを出してきました。
Netflixの料金プランは、画質やデバイス数によって3種類用意されています。
- BASIC 月額7.99ドル(年額95.88ドル)
- STANDARD 月額9.99ドル(年額119.88ドル)
- PREMIUM 月額11.99ドル(年額143.88ドル)
Primeビデオの月額プランの価格設定は非常に巧みです。Amazonプライムの真ん中のプランより少し安い価格だもんね。
- Primeビデオ 月額8.99ドル(年額107.88ドル)
動画見放題サービスの競合を潰し終わった後、Prime Musicの競合も潰しにかかるはず。
会員数を増やして、抜けられなくなったところで値上げ
私の予想ですが、この1年以内に格安&ミドルクラスのSIMフリースマホを出してくるはずです。
外出先ではSIMフリースマホ、自宅ではFireタブレットで、Amazonのコンテンツを利用させて、抜けられなくなったところで、Amazonプライム会員の値上げが待っています。
今の時代、動画も音楽も基本的に何でも無料で見ることはできます。YouTubeで見れないものも、中国の動画サイト「youku」などを駆使すれば何でも見れちゃいますからね。
でも、一度Amazonプライムで便利にサクサク使えるようになった状態から、「youku」のようにサーバーが重かったり、途中でCMが流れるといった以前の環境に戻れるのかというと微妙ですよね。
競合が潰されちゃってると、結局損をするのはユーザーなのです。
Amazonプライムに代替するサービスが出てこないと、数年後、完全に鵜飼の鶏になっている可能性大です。
Amazonプライムの値上げ
今年中に、日本でもプライムビデオの月額プランが出るはず。
日本のAmazonプライムの年会費は3900円と激安なので、今年の秋に年会費の値上げがあると予想します。
だって、2015年9月にプライムビデオの発表があって、Fire TV Stickを980円でばらまいてプライム会員集めましたから。
これらの会員の更新時期を狙って値上げという気がしますが、皆さまどう思われますか?
ナレッジ