日本のAmazonプライムの年会費はずっと3900円で値上げが行われておりません。
年会費を3900円払えば、次の特典を受けることができるので、めちゃコスパが高いです。
- 「配送特典」「プライム・ビデオ」「プライム・フォト」「Amazonファミリー」「会員限定先行タイムセール」「Prime Reading」「Prime Music」「Twitch Prime」「Prime Now」「Kindleオーナーライブラリー」「Amazon Mastercard」「Amazon Dash Button」「Amazonパントリー」「Amazonフレッシュ」
3900円の年会費は、「配送特典」「プライム・ビデオ」「プライム・フォト」「Prime Reading」「Prime Music」だけで十分元が取れます。
にも関わらず、今のところ、日本のAmazonはプライム年会費を値上げする予定はないとのこと。日経新聞のインタビューにAmazonジャパンの社長のジャスパー・チャン氏が答えているので引用します。
「これまでのプライムの成長に関して非常に満足している。実数は開示できないが、昨年の会員数の伸びは過去最大だった。ショッピングとエンタメの両面を強化しており、無料配送や音楽配信、動画配信の利用が多い。ユーザーにメリットや価値を感じてもらっている」
――米国は5月にプライム会員の会費を2割引き上げた。日本でも価格改定する計画は。
「現時点で(年3900円の)価格を変更する計画はない。プライムの会員に最善の体験を享受してもらうことに注力している。消費者がプライムのメリットに気付いていない部分がまだある。日本ではまだすべきことがたくさんある」
Amazonジャパンの社長は、日本におけるプライム年会費は値上げしないと明言しているわけです。Amazonは営利企業なので、こんなこと言われると逆に怖いですよね。
今日のエントリーは、Amazonジャパンが、プライムの年会費が値上げしない理由についてです。
日本のAmazonが、プライム年会費を値上げしない理由
プライム年会費を値上げしない最大の理由は、プライム会員獲得のフェーズだからです。
プライム会員獲得のフェーズ
Amazonジャパンにとってプライム会員獲得のフェーズなのは、次のデータからも明らかです。
- 2017年のAmazonの年間売上は約1.3兆円
- 楽天の流通額は約3.4兆円 (ただし、楽天市場だけでなく、楽天トラベルや楽天マート等の数字も入っている)
- ヤフーの流通額は約9500億円 (Yahoo!ショッピングだけでなく、ASUKLの数字も含む)
Amazonが売上なのに対して、楽天とヤフーは流通額なので、単純な比較はできません。でも僕の実感として、国内のECのシェアは、Amazon 20%、楽天 20%、ヤフー10% という感じがするんですよね。
このような状況ですので、Amazonはプライム会員の特典を増やして、プライム会員の獲得に励んでいるのです。
楽天はECの決算を楽天トラベルの数字を合算するなど、あの手この手でECの流通額を水増ししていることを考慮に入れると、楽天で商品を購入するユーザーが以前よりも減っていることは、間違いなさそうです。
他のECプラットフォームからユーザーを奪った後、Amazonプライムの年会費は絶対に上がる
数年後の話ですが、他のECプラットフォームからユーザーを奪った後、Amazonプライムの年会費は絶対に上がります。
数年後、「楽天」や「ヨドバシ」「Yahoo!ショッピング」が生き残っているのかどうかは分かりませんが、Amazonのライバルがいないという状況を考えると、マジで恐ろしいですね。
多くのECを利用するユーザーが、Amazonの鵜飼いの鵜になっている可能性は高いかもしれません・・
アメリカでは、Amazonプライム会員の会員獲得フェーズは終了したため、プライム年会費の値上げを行った
Amazonの本社があるアメリカでは、2018年5月11日より年会費が99ドルから119ドルへ値上げされました。およそ2割の値上げが実施されたのです。
以前のエントリーで詳しく書きましたが、AmazonCEOのジェフ ベゾス氏は、世界のAmazonプライム会員は1億人を超えていることを公式発表しています。
世界のAmazonプライム会員が1億人を突破しました。
ジェフ ベゾス氏が株主に向けた書簡で判明した模様です。プライム会員数をAmazonが公表したのは初めてとのこと。
アメリカでは、Amazonプライム会員の会員獲得フェーズは終了しています。Amazonは国別のプライム会員数を公表しておりませんが、世界にいるプライム会員1億人の内、およそ8500万人がアメリカでのプライム会員数だと言われています。
アメリカの人口は約3.2億人なので、26.5%がプライム会員ということになります。アメリカ国内のECでェアを見ると、Amazonが40%以上を占めているという状況ですので、Amazonプライム会員の会員獲得フェーズは終了したといえますね。
Amazonの競合がいなくなったら?
アメリカのAmazonの事例のように、日本のEC市場でAmazonの競合がいなくなったら、すぐにでもAmazonプライムの年会費を上げてくることは間違いなさそうです。
今の時点では、落ち目とはいえ「楽天」は健在だし、「ヨドバシ」もECではかなり力を入れて頑張っています。個人的にはあまり好きではない「Yahoo!ショッピング」も2020年までに楽天を追い抜くと目標を立てて頑張っています。
日本のAmazonプライムの年会費は破格に安い
日本のAmazonプライムの年会費は、他の国と比べてめちゃ安いです。
まあ、国によってプライム会員の特典も異なるので、一律に比較できないという意見もありますが、他の国と比べて日本のプライム会員の特典は充実しています。
- 日本・・・3900円
- アメリカ・・・
99ドル (日本円で10770円)→ 2018年5月11日より119ドル(日本円で12945円)- イギリス・・・79ポンド (日本円で12000円)
- ドイツ・・・69ユーロ (日本円で9170円)
- イタリア・・・36ユーロ (日本円で4780円)
- スペイン・・・19.95ユーロ (日本円で2650円)
- フランス・・・49ユーロ (日本円で6500円)
- メキシコ・・・449MXN (日本円で2590円)
- カナダ・・・79.00カナダドル (日本円で6700円)
- 中国・・・388元 (日本円で6700円)
さいごに
以上、Amazonジャパンが、プライム年会費を値上げしない理由についてでした。
今の段階では、Amazonが競合を潰しにかかっているフェーズのため、プライム会員の年会費は3900円に据え置かれており、値上げされていません。
でも、そのフェーズが終わったら、プライム会員の年会費は上がっていくことになります。
今後Amazonの競合になるサービスが出てこないと、恐ろしい未来が待っていることになりそうです。
2019年4月12日 追記↓
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