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自動車メーカーが、LiDARのスタートアップを取り込んでいる件!

自動運転電気自動車

トヨタがルミナーテクノロジーズに出資し、GMがCruise Automationを買収しました。

大手自動車メーカーが、LiDARの技術を持ったスタートアップを盛んに買収しているのです。
自動運転にはLiDARの技術が必須です。トヨタもGMもLiDARを自社開発するのではなく、なぜ、スタートアップの技術を買収するのでしょうか?

自動車メーカーは、一刻も早く自動運転車を量産出来る体制を作らなければ、スタートアップに追いつかれてしまうという危機感の表れなんだろうね。

自動運転の開発は、テスラだけでなく中国のスタートアップも盛んに行っています。NVIDIAが開発する自動運転のプラットフォーム「NVIDIA DRIVE」に参加するスタートアップは、145社にも上りますからね。

LiDARとは

LiDARについては以前のエントリーに詳しく書いたので引用します。

LiDARを製造している会社の一覧
今後、自動運転車が普及するにあたって、LiDARの果たす役割は、ものすごく大きいです。 LiDARを製造している会社って、Velodyneしか知りませんでしたが、調べたら、いくつもあるんですね。 しかも、アメリカやイスラエルには、LiDAR...

LiDARとは、Light Detection and Rangingの略で、光を使ったリモートセンシング技術を用いて、物体検知や対象物までの距離を計測することが可能です。

対象物までの距離を計測することに加えて、物体検知ができることも、LiDARの特徴の一つです。
距離センサーでは物体までの距離を計測することしかできませんでしたが、LiDARを使えば、物体がどんな形状をしていて、どこの方向にあるのかということまで検知することができます。

↓古い動画ですが、LiDARについて分かりやすいです。

ルミナーテクノロジーズが開発するLiDARをトヨタが採用

LiDARを開発するルミナーテクノロジーズ

トヨタは、シリコンバレーのスタートアップであるルミナーテクノロジーズが開発するLiDARを採用しました。

トヨタの人工知能技術を開発する研究所である、トヨタ・リサーチ・インスティチュート(TRI)もシリコンバレーにあるので、ルミナーテクノロジーズと共同で自動運転を開発していくんだろうね。

トヨタ自動車が自律走行車の開発に向け、22歳の創業者が率いるスタートアップのセンサー技術を採用すると発表した。

このルミナーのライダーシステムを、自律走行車の実用化へと本格的に動き出したトヨタ自動車が採用する計画を明らかにした。ライダーセンサーはレーダーのようなデヴァイスで、物体にレーザー光を当て、反射時間を測定することで、周囲の3次元地図を作成する。

トヨタが自動運転に採用、22歳が開発した「高性能センサー」の実力

LiDARを開発するStrobeをGMが買収

GMは、LiDARを開発するStrobeを買収しました。

ゼネラルモーターズ(GM)が新たな一歩を踏み出し、「未来の運転」の実現に向けた準備をしている。自動運転の鍵となる技術をもつスタートアップ、Strobeを買収したのだ。

これにより、GMが2016年3月に買収した自律走行車のスタートアップCruise Automationは、StrobeのLiDARセンサーを実装することになる。GMはStrobeの買収条件の詳細を明らかにしていない。だが、自動運転におけるセンシング技術の重要性と、信頼性の高いセンサーを低コストでつくる難しさを考えれば、ロボットカーの大量生産に向けた重要な動きと考えていいだろう。

Cruiseの創業者で最高経営者(CEO)のカイル・フォークトは、「わたしたちのゴールはドライヴァーの必要性をなくし、最終的には自律走行車を大規模展開することです」と話す。「LiDARセンサーは、これに向けた課題のひとつでした」

Strobeが出した答えは、センサーの製造コストを99パーセント削減することだ。フォークトは「LiDARを実用化することは多額のコストがかかり、技術的にも複雑で特殊だと考えられてきました。でも、それは過去のものです」と言う。

GMは「低コストなLiDAR」のスタートアップを買収し、自動運転の「重要なピース」を手に入れた

またGMは、2016年に自動運転を開発するCruise Automationも買収しています。

GMの傘下となったCruiseは現在、サンフランシスコで自社スタッフを対象に、ロボットカーによる配車サーヴィスを提供している。

なぜ、テスラはLiDARを使っていないのか?

テスラはレベル2の自動運転車を発売していますが、LiDARを使っておりません。
理由は、LiDARのコストが数十万〜数百万円かかるためです。

テスラはLiDARを搭載しておりませんが、その替わりに、車載カメラとセンサー、ミリ波レーダーを搭載し、NVIDIA DRIVE PXと呼ばれるスーパーコンピューターで自動運転を制御しています。

NVIDIA DRIVE™ PX は、AI 車載コンピューティングのオープン プラットフォームです。自動車メーカーやティア 1 サプライヤーは、自動運転車の市場投入を加速することができます。オートクルーズ機能向けのエネルギー効率に優れた手のひらサイズのモジュールから、パワフルな車載 AI スーパーコンピューターを用いた自動運転まで、スケールさせることが可能です。

DRIVE PX は車両周囲の状況をリアルタイムで把握し、高精細地図で車両の位置を正確に認識することで安全な経路を計画します。この自動運転車プラットフォームは世界で最も進んでおり、 ディープラーニングやセンサー フュージョン、サラウンド ビジョンを組み合わせ、今までと異なるドライビング エクスペリエンスを実現します。

NVIDIA DRIVE PX

今後、テクノロジーの陳腐化によって、LiDARのコストも安くなれば、テスラがLiDARを採用する日が来るかもしれません。

だって、元々イーロン・マスクは、自動運転の開発には否定的でしたが、自動運転の将来を見据えて、すぐに方針を変更しましたからね。

まとめ

自動車メーカーが、LiDARを開発するスタートアップを取り込むことで、自動運転の実用化は、一歩前進することになります。

自動運転と電気自動車の相性は抜群ですので、今後の展開が楽しみですね。