B to Cと呼ばれる消費者向けのネット通販市場は、2016年のデータを見ると13兆8000億円まで拡大しています。内訳は、物販が8兆43億円、サービス(ホテルや旅行)が5兆3532億円、デジタル系が1兆7782億円となっています。
【2016年】ネット通販市場は15.1兆円、EC化率は5.4%、スマホEC市場は2.5兆円
2019年には、ネット通販市場が20兆円を超えると予測されており、まだまだ成長できる分野です。
今日のエントリーでは、ネット通販市場の中でも、物販系の市場である「ECサイト」と「オンラインモール」に的を絞っていきます。今後の消費者向けのネット通販市場について分析します。
物販系の通販市場の売上の推移
まずは、過去3年間の物販系の通販市場の売上の推移を見ていきましょう。
- 2014年 6兆8042億円
- 2015年 7兆2398億円
- 2016年 8兆43億円
2014年から2015年で6.4%伸びています。
2015年から2016年で10.6%伸びています。
2015年ネット通販市場は13.8兆円、EC化率は4.75%、スマホEC市場は2兆円
2016年の「ECサイト」の売上高のベスト10
2016年の「ECサイト」の売上高のベスト10を見てみましょう。
通販新聞社が2016年12月に実施した「第67回通販.通教売上高ランキング」調査によると、上位300社の合計売上高は6兆2341億円で、15年12月調査時と比べ5.8%増加した。伸び率は前年同期調査時の4.4%増からアップ。また上位200社での合計売上高は前年同期調査時に比べ5.8%増の5兆8345億円になっている。
- 1位 アマゾンジャパン 9999億円
- 2位 アスクル 3150億円(連結決算)
- 3位 ミスミグループ本社 2401億円(連結決算)
- 4位 ベネッセコーポレーション 1805億円
- 5位 ジャパネットたかた 1559億円
- 6位 ニッセンホールディングス 1524億円
- 7位 ジュピターショップチャンネル 1391億円
- 8位 大塚商会 1391億円
- 9位 千趣会 1343億円(連結決算)
- 10位 ディノス・セシール 1122億円
2016年のオンラインモールの流通総額
楽天市場、ヤフオク、Yahooショッピングなどのオンラインモールの流通総額を見ていきます。
流通総額をみれば、プラットフォームの規模が分かります。
- 楽天市場 流通総額:3兆95億円(トラベル等含む)
- Amazon 流通総額:1兆8,530億円(推測)
- ヤフオク 流通総額:8,896億円
- Yahoo!ショッピング 流通総額:6,982億円(アスクル除く)
- ZOZOTOWN 流通総額:1,956億円
- メルカリ 流通総額:1,400億円(推測)
- MakeShop 流通総額:1,384億円(2015年)
- DeNAショッピング 流通総額:1,196億円(トラベル等含む)
- ショップサーブ 流通総額:850億円(推測)
- フューチャーショップ2 流通総額:826億円
- フリル+ラクマ 流通総額:460億円(推測)
- BASE 流通総額:110億円(推測)
- minne 流通総額:83.9億円
楽天市場の流通総額は?
楽天市場の流通総額は、3兆95億円と数字だけは大きいです。
楽天が2月13日に発表した2016年1~12月期連結業績によると、国内ECの流通総額は前期比12.0%増の3兆95億円だった。
2015年12月期の国内EC流通総額は2兆6748億円(2015年12月期)で伸び率は10.2%増。2016年度は四半期ベースで2ケタ成長を維持し、通期で2ケタ台の成長率を維持している。
しかし楽天の国内EC流通総額は、2015年から楽天トラベルの数字は加算されているので、全然当てになりません。
楽天市場の窮状が鮮明になったのは、15年度第3四半期(7~9月期)決算だった。IRサイトに投資家向けの決算説明会資料が開示されたが、楽天市場の実態を示す流通総額に関するデータが見えなくなっていたから、証券関係者は驚いた。
14年12月期までは、楽天市場をはじめとするECサービスは「国内EC流通総額」として表示してきた。
それが15年第3四半期(7~9月期)から楽天市場と楽天トラベルの数字を合算して公表するようになった。それまでは国内ECに楽天トラベルは入っていなかった。楽天トラベルを入れたのは、国内のECの総額が伸びているように見せるための目くらまし策と受け止められた。
ヤフーのEC国内流通額は?
楽天と比較すると、ヤフーは絶好調です。
ヤフオクの流通総額が8,896億円、アスクルを除いたYahoo!ショッピングの流通総額が6,982億円なので、合計1兆5878億円です。
EC事業を含むコンシューマ事業は、「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク」の売上増加やアスクルの連結子会社化などの影響で、売上高が同150%増の3263億円、営業利益は同73.7%増の1195億円となった。全売上高に占める同事業の割合は、50%に上った。
今後の「ECサイト」と「オンラインモール」はどうなる?
今後、「ECサイト」と「オンラインモール」の規模は拡大していくことは間違いないです。
国内BtoCのEC市場が20兆円を超えるのは2019年度――野村総合研究所はこのような市場成長の予測を11月25日に発表した。
国内のBtoCのEC市場は2014年度の12兆6000億円から2021年度には倍増。25兆6000億円に達する見込み。携帯端末の普及に伴い、時間や場所を問わずにECを利用できるようになったことが市場成長を後押しするとしている。
スマホも今以上に普及することは間違いないし、Amazon EchoやGoogle Homeがリビングに置かれて、音声でネット通販ができるようになる日は目の前まで来ています。
実際にアメリカでは、Amazon EchoやGoogle Homeを利用して、音声でネット通販するのは、一般的になってきていますからね。早く、日本でも発売して欲しいです。
まとめ
「ECサイト」は、Amazonとアスクルが絶好調です。
↓みなさまご存知の通り、アスクルはヤフーの子会社です。
「オンラインモール」は、3兆95億円という流通総額だけを見ると楽天の数字が大きいのですが、楽天トラベルの数字が入っているので、今後、さらなる成長があるのかどうかは微妙です。それに対してAmazonとヤフーは絶好調です。
「ECサイト」も「オンラインモール」も、Amazonとヤフーが勝ち組ですね。
楽天は金融以外の領域ではあまりうまく行ってない感じがします。
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