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Google検索が、AMPキャッシュのURLをオリジナルのURLで表示するSXGに対応

SEO

2019年4月16日より、Google検索からアクセスしたAMPページのURLが、AMPキャッシュではなく、オリジナルのURLで表示するSXGに対応しました。

Google Webmaster Central Blog で発表されました。

独自ドメインから AMP ページを即座に読み込む

通常、Google検索からAMPページにアクセスすると、

https://google.com/amp/hoge.html

のように、AMPキャッシュのURLがブラウザに表示されます。

AMPキャッシュのURLが表示されると次のようなデメリットが起こります。

  • Google Analyticsの数値に誤差が出る
  • ユーザーにオリジナルURLを表示できない

これを解決するのがSXGと呼ばれる技術です。

SXGを実装したAMPページは、AMPキャッシュのURLではなく、オリジナルのURLが表示されます。と同時に、ユーザーはAMPキャッシュにアクセスしますので、引き続きサイトは高速で表示されます。

2018年1月にAMP Open Source Projectのブログ記事で言及された内容が、ようやく実現されたことになります。

We are making changes to how AMP works in platforms such as Google Search that will enable linked pages to appear under publishers’ URLs instead of the google.com/amp URL space while maintaining the performance and privacy benefits of AMP Cache serving.

Google検索のプラットフォームにおけるAMPの動作を変更します。検索結果に表示するURLを、google.com/ampのURLではなく、オリジナルのURLを表示できるようにします。

参考 Improving URLs for AMP pages

なぜ、Google検索からAMPページにアクセスすると、AMPキャッシュのURLが表示されるのか?

AMPキャッシュのURLをオリジナルのURLで表示するSXG

左がSXGを実装したAMPページ

元々、AMPページは、Googlebotがクロールで取得したAMPのURLをキャッシュサーバーに保存し、検索ユーザーのブラウザはキャッシュサーバーのURLにアクセスします。その結果、ユーザーのブラウザには、オリジナルのURLではなく、AMPキャッシュのURLが表示されます。

ユーザーのブラウザにオリジナルのURLを表示して、かつAMPキャッシュにアクセスして高速化することは、既存の技術では難しかった

AMPがこのような仕様のため、ユーザーのブラウザにオリジナルのURLを表示して、かつAMPキャッシュにアクセスして高速化することは、既存の技術では解決できませんでした。

ここ数年、ほとんどのサイトがHTTPS化をしてセキュリティが上がっていますが、HTTPS通信の際にコンテンツのURLの改変ができてしまうと、なりすまし・コンテンツの改ざんができてしまいます。

そこで登場するのがSXGと呼ばれる新しい技術です。

SXGとは?

SXGとは、Signed HTTP Exchangesのことで、キャッシュサーバーから取得したAMPキャッシュのURLを、ユーザーのブラウザで、オリジナルのURLに変える技術です。

コンテンツのパブリッシャーは、コンテンツの内容をSXG証明書で署名認証するので、高いセキュリティを保ったまま、オリジナルのURLでAMPページをユーザーのブラウザに表示することができます。

「Web Packaging」の規格を使うことで、コンテンツのパブリッシャーは、オリジナルのURLが表示できるようになる

今回、Google検索結果からAMPページにアクセスした際、AMPキャッシュのURLではなく、オリジナルのURLが表示できるようになったのは、「Web Packaging」と呼ばれる規格を使うことで実現しています。

私たちのアプローチでは、新しい Web Packaging テクノロジーのコンポーネントの 1 つを活用しています。このテクノロジーは、他のさまざまなユースケースもサポートしています。このコンポーネントを使用すると、サイトオーナーが HTTP Exchange(リクエスト / レスポンスのペア)に署名(Sign)することにより、キャッシュ サーバーがその Exchange をブラウザに送ることができるようになります。ブラウザでこの「Signed Exchange」が読み込まれると、通常の HTTPS 接続と類似した整合性と信頼性のプロパティが証明されるため、ブラウザのアドレスバーにサイトオーナーの元のウェブオリジンを表示することができます。

Web Packaging を使用した AMP URL 改善の初期概要

SXGの詳細は以下の記事に詳しく載っています。

Signed HTTP Exchanges

Google検索がSXGに対応

Google検索がSXGに対応したので、SXGを実装したAMPページは、検索結果からAMPページを表示した際、オリジナルのURLが表示されます。

Yahoo!トラベルがSXGを実装

Yahoo!トラベルがSXGを実装したので、どのように表示されるのか見ていきましょう。4月17、18日に東京で行われた AMP Conf 2019 での発表に合わせた模様です。

SXG(Signed HTTP Exchanges)始めました

モバイルで、Google検索からYahoo!トラベルのAMPページにアクセスすると、AMPキャッシュではなく、オリジナルのURLが表示されるのが分かります。

Google検索で、SXGを実装したYahoo!トラベルのAMPページにアクセス

Yahoo!検索もSXGに対応

Yahoo!検索もSXGに対応しています。

SXGを実装したYahoo!トラベルのAMPページを見てみます。

Yahoo!検索で、SXGを実装したYahoo!トラベルのAMPページにアクセス

とはいえ、個人でサイト運営をしているユーザーが、SXGを導入するのは、かなり敷居が高いです。そこで、CloudflareがAMP Real URL機能をローンチしました。

Cloudflareが「AMP Real URL」を提供

Cloudflareが「AMP Real URL」を提供することを発表しました。

「AMP Real URL」を利用すれば、AMPページのパブリッシャーは、ボタン一つでSXGを使うことが可能です。

Google検索結果からAMPページにアクセスしたユーザーに対して、キャッシュのURLではなく、オリジナルのURLを提供できるようになります。

SXGの技術は、ヤフーや大手パブリッシャーならば導入することができますが、一般ユーザーにとってはかなり敷居が高いです。なので、Cloudflareによる「AMP Real URL」には期待したいですね。

現時点で「AMP Real URL」はChromeのみの提供ですが、今後より多くのブラウザで対応していくはずです。

さいごに

以上、Google検索が、AMPキャッシュのURLをオリジナルのURLで表示するSXGに対応した件について紹介しました。

Google検索がSXGに対応したため、AMPページにSXGを実装すると、AMPキャッシュのURLではなく、オリジナルのURLが表示されます。と同時に、ユーザーはAMPキャッシュにアクセスしますので、引き続きサイトは高速で表示されます。

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