Googleは公式ブログで、次世代メッセージサービス「RCS」の普及を拡大していくと発表しました。推進にあたっては、通信キャリア43社と提携して進めていく模様です。
We’ve been partnering with the mobile industry to improve the messaging experience on Android with RCS (Rich Communication Services), bringing more enhanced features to the standard messaging experience on mobile devices. As of today, we are working with 43 carriers and device manufacturers to bring better native messaging to every Android user.
Googleは、RCSによるAndroidのメッセージングエクスペリエンスを向上させるためにモバイル業界と提携し、モバイルデバイスの標準的なメッセージングエクスペリエンスにさらに強化された機能を提供します。現在、Googleは43のキャリアとデバイスメーカーと協力して、すべてのAndroidユーザーにRCSを提供しています。
Partnering with the mobile industry to connect people and businesses with RCS
SMSは今でも結構よく使いますよね?にも関わらず、SMSはガラケー時代からある規格で、テキストを送ることしか想定されておらず、リッチなコンテンツを届けることが出来ないのが最大のデメリットです。
MessengerやLINEでリッチなコンテンツをやり取りしていると、SMSのやり取りがしょぼく感じますよね?
そこで次世代メッセージサービス「RCS」の登場です。Android OSを持っているGoogleが推奨して、かつAndroidに実装していけば、普及することは間違いなさそうです。
ということで、今日のエントリーは、Googleが推進する次世代メッセージサービス「RCS」についてお話します。
次世代メッセージサービス「RCS」とは?
「RCS」とは、Rich Communications Servicesの略で、リッチなコンテンツが配信できるメッセージングサービスです。
「RCS」の規格は、世界中の通信事業者がメンバーとなって構成されている業界団体「GSMA」が策定したものです。
またGoogleが「RCS」をサポートを強く推進したことから、SMSを代替する次世代メッセージサービスとして注目を集めています。
SMSのようにテキストを送信するだけでなく、写真・動画・添付ファイルをテキストと一緒に送信することが可能です。
SMSを代替する規格ですので、電話番号だけでやり取りができるのが特徴です。異なる携帯キャリアの電話番号に対しても、テキストだけでなく、画像・動画を送ることが可能です。
GSMAのサイトによれば、27ヶ国で50社の通信事業者が「RCS」をすでに導入している模様です。今後1年間で30ヶ国、40社以上の通信事業者が参加する予定とのことです。
なぜGoogleは、SMSの替わりに「RCS」を普及させたいのか?
Messenger、WhatsApp、LINEなどモバイルにおけるメッセージアプリの進化は、ここ数年で驚くほど進化しました。にも関わらずSMSはガラケー時代から何も進化していないことが最大の原因です。
SMSは画像や動画などのリッチなコンテンツを送信することができませんでしたが、「RCS」はリッチなコンテンツの送受信が可能になります。
Androidが「RCS」をどのようにサポートしているのかは、次の動画を見るとよく分かります。
「RCS」は普及するのか?
Googleの発表によると、2020年までにスマホの86%が「RCS」に対応するとのことです。
しかもGoogleはAndroidのメッセージアプリに「RCS」を実装していくことになります。
Android OSの世界のシェアは9割近いので、GoogleとGSMAが手を組んだことで、「RCS」が普及することは間違いなさそうです。
スパムに対しては?
電話番号の情報だけでメッセージが送信できるとなると、スパムに対して、Googleがどの様に対応するのか気になります。
Androidに実装するということは、Googleである程度スパムの特定はできますので、メッセージがスパムまみれになることはなさそうだけどね。
ユーザーが「RCS」を利用するには?
Android端末ならば、Google純正の「Android メッセージ」アプリをデフォルトのメッセージアプリに設定すれば利用できます。
このアプリを使えば、「SMS」「RCS」「MMS」を全て送受信することが可能です。
「RCS」を使えば企業がビジネスメッセージを送信できる
「RCS」は企業がビジネスを展開する上でも有効です。「RCS」を使って、インタラクティブなメッセージをユーザーに届けることも可能ですからね。
既にいくつかの企業では、「RCS」のアーリーアクセスプログラムに参加しています。
ヴァージン・トレインズ、ウォルグリーンズ、アンバー・アラート・ヨーロッパ、バスケン・ロビンズ、BlaBlaCar、FICO、G2A.com、IHG、レクシス・ネクシス・リスク・ソリューション、ナタラス、パパ・マーフィー、フィリップス、ポルト・セグロ、スカイ、SONIC®ドライブイン、ブランド(Men’s Wearhouse and Jos A. Banks)、Time Inc.、Uberは、メッセージングパートナー3C、CLX Communications、Experian Marketing Services、MessageBird、mGage A Vivial Company、Mobility、Movile、Vonage
日本の携帯キャリアもRCSを導入する模様
今の段階では、docomo・au・ソフトバンクなどの日本の携帯キャリアは「RCS」を導入しておりません。
が、「RCS」を導入することは間違いなさそう。GSMAのサイトによれば、「RCS」を実装することを予定している企業に、携帯キャリアも入っていますからね。
以下の記事、携帯キャリア3社が、独自にSMSの仕様を変更するように紹介していますが、実態はGoogleやGSMAが提唱する「RCS」の規格を採用するだけじゃん・・
携帯大手3社が「対LINE」で連携する。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクは10日、3社共通の新たなメッセージサービスを始めると発表した。従来バラバラだった仕様を統一し、利用者が写真や動画などを共有できるようにする。
さいごに
以上、Googleが推進する次世代メッセージサービス「RCS」についてでした。
iOSにはiMessageがあるのでiOSユーザー同士は、SMSのやり取りだとしてもリッチなコンテンツを送受信することが可能です。
この点に関しては、Androidは大きく遅れをとっています。「RCS」の普及は楽しみですね。
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