電気自動車もPHVも、駆動用のバッテリーを搭載しています。このバッテリーは経年劣化が著しいため、購入から数年が経過すると、走行距離が激減してしまいます。
電気自動車を購入する際、何年くらいでバッテリーが劣化するのか、予め知っておきたいポイントですよね?
スマホだって、1年も使えばバッテリーの持続時間は少しずつ悪くなります。2年も経てばバッテリーはかなり劣化しますよね?電気自動車もスマホ同様に、バッテリーは劣化するのです。
例えば、2011年モデルの日産リーフは、たったの5〜6年でバッテリーが劣化し、満充電しても走行距離は100km以下だそうです。エアコンを使うと走行距離が80km程度なので、もはや自動車としての価値はないよね。
当然、値段も大暴落中で、中古車市場では30〜40万円で販売されています。
バッテリー交換には60万円かかるようですが、交換しても走行距離は160kmしか走らないっていうんだから、こんな自動車は誰も欲しくないよね。電気自動車は、バッテリーが劣化したら、ただのゴミですからね。
アメリカでは、日産リーフだけでなく、電気自動車やPHVの中古車価格が暴落している模様。
全米自動車販売業協会(NADA)の「中古車ガイド」によると、他のEV(フォード・モーターの「フォーカス」やトヨタの「プリウス」といったPHVを含む)の中古車価格もリーフと同じようなペースで下がっており、14年の平均下取り価格は車種によって22〜35%下がった。これによると、プラグインEVの下落率は比較可能なガソリン車のそれの2倍近くに達している。
中古車ガイドによると、例えば昨年12月と今年1月の2012年型リーフの競売における平均販売価格は約1万ドルと、当初の定価の約4分の1で、前年からは4700ドル下がった。1月の3年前の型のボルトの競売における平均販売価格は1万3000ドルと、連邦政府の税控除分を差し引いた4万ドルから下がっている。
電気自動車のバッテリー劣化から、ユーザーを開放するには?
技術革新で劣化しないバッテリーを開発できればいいのですが、今の技術では難しいですよね。電気自動車のバッテリーは、年月とともに、どうしても劣化してしまいます。
自動車メーカーがやるべきことは、電気自動車の走行距離を、新車購入時から一定期間保証することです。例えば、10年間は300kmの走行距離を保証するとかね。
フル充電しても300km走行できないような劣化したバッテリーは、自動車メーカーが責任を持って処分・再利用して、ユーザーには300km以上走行できるバッテリーと交換すればいいのです。
別に新品のバッテリーに交換する必要はないんだよね。中古のバッテリーでも、再生品のバッテリーでも、走行距離さえ担保できればいいと思います。
自動車メーカーは、テスラのバッテリー交換プログラムをヒントにすべし
テスラのバッテリー交換プログラムをご存知ですか?
2015年より、バッテリー交換プログラムを試験的に始めています。バッテリー交換ステーションにテスラを持っていけば、充電済みのバッテリーパックと交換してくれるのです。費用はおよそ60ドルとのことです。
交換と言っても、古いバッテリーと新しいバッテリーを60ドルで交換してくれるわけじゃありませんので、ご注意ください。
テスラのバッテリー交換プログラムは、イーロン・マスクの遊び心です。ガソリン車にガソリンを満タンにする時間よりも早い時間で、電気自動車のバッテリーを、満充電した別のバッテリーパックに交換することを目指したと言うんだから、面白いよね。
同システムで利用されるバッテリーは、レンタルのような形で提供される。ユーザーから回収した空のバッテリーは、交換が行われた充電ステーションに保管され、同じ充電ステーションであれば次回の交換の際に満タン状態でふたたびユーザーに渡される。このためユーザーは、自分の車のバッテリーが中古のものに替わってしまうことを心配する必要はない。また、交換したバッテリーをそのまま使う場合も特に問題なく、同社のバッテリー保証はどのバッテリーパックにも適用される予定だ。
ガソリン車の燃料タンクを満タンにするよりModel Sのバッテリーを早く交換できることを証明するため、昨年ロサンゼルスで開催したイベントで、テスラのバッテリー交換技術を披露しました。この技術によりModel Sのオーナーは充電の際、「時間」を取るか「無料」を取るか選べるようになります。
バッテリー交換は、提供開始直後は予約制で行い、料金はプレミアムセダンのガソリンを満タンにするよりも少しだけ安くなります。前回の発表後にバッテリーパックを保護するために追加されたチタン製と硬化アルミニウム製の防護プレートを外す工程を増やしため、バッテリー交換が完了するまで約3分掛かります。
テスラのバッテリーは550kgあると言われていますが、3分で交換できるってすごい。
実際のところ、テスラのバッテリー交換プログラムは、バッテリーを充電する代わりに、交換するというものなので、どの程度の需要があるのかは分かりません。
でもね、自動車メーカーは、このような技術を使って、ユーザーがバッテリーの劣化を気にしなくても良い仕組みを作っていくべきなんだよね。
まとめ
現在のところ、電気自動車のバッテリーは劣化するため、数年立つと走行距離が減ってしまいます。なので、中古車市場では、リーフのように、価格が暴落してしまうという残念な結果となっているのです。
自動車メーカーは、電気自動車の走行距離を保証し、バッテリーの劣化を保証する仕組みを作るべきです。ユーザーが電気自動車のバッテリーの劣化について何も考える必要がなくなると、電気自動車の中古市場の価格は安定するはず。
多くのユーザーが電気自動車に求めていることは、購入から10年以上経っても、バッテリーが劣化せず、一定以上の走行距離を走れることなのです。
バッテリーの走行距離が保証されると、中古車の価格は落ちないと思いますよ。
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