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Amazonが独自配送すると、個人運送業者は爆死する件

AmazonEC

ヤマト運輸がAmazonの当日便から撤退するニュースが出たのが、2017年4月7日です。

宅配最大手のヤマト運輸は最大の取引先であるインターネット通販大手アマゾン・ドット・コムの当日配送サービスの受託から撤退する方針を固めた。夜に配達しなければならない荷物が増え、人手不足の中、従業員の負担が増しているため取引を見直す。アマゾンは日本郵便などへの委託を増やす考えだが、ヤマトの撤退でサービス縮小を余儀なくされる可能性がある。

アマゾンの当日配送撤退 ヤマトが方針

そこから2ヶ月半が経って、Amazonは独自配送をする方向にかじを切りました。しかも2020年までに、個人運送業者1万人を囲い込むという力技に出てきました。AmazonはECのプラットフォームという立場に加えて、運送のプラットフォームとして君臨することになります。

インターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)が独自の配送網の構築に乗り出すことが分かった。注文当日に商品を届ける「当日配送サービス」を専門に手がける個人運送事業者を2020年までに首都圏で1万人確保する。

最大の需要地である東京都心部では、東京証券取引所1部上場で、ネットスーパーなどの配達「桃太郎便」を手がける丸和運輸機関が個人運送業者を組織化。配送の業務委託により、アマゾンの当日配送サービスを担う。

アマゾン、独自の配送網 個人事業者1万人囲い込み

当日配送を引き継いだとされる丸和運輸機関は、埼玉県吉川市に本社を置く中堅宅配会社。「桃太郎便」の愛称で親しまれる法人向け配送サービスなどを展開している。

同日付の日本経済新聞の報道によると、丸和運輸機関は既に軽貨物車を数百台用意。2017年度中に軽貨物車を1000台まで拡充する予定のほか、運転手も1000人規模まで増員する方針という。

丸和運輸が年初来高値 アマゾンが当日配送委託と報道

Amazonが日本最大の物流会社へ

首都圏への配送に関しては、丸和運輸機関が個人運送業者を取りまとめてAmazonの当日便を配送するようです。今の時点では、Prime Nowの当日便が対応できるのは、東京都・神奈川県・千葉県・大阪府・兵庫県の対象エリアだけなので、埼玉県吉川市に本社がある丸和運輸機関が首都圏の当日便の配送をするのは理にかなっています。

Wikipediaによると、丸和運輸機関は、ネットスーパーの個人配送業務が全国トップクラスの実績がある模様。

流通業出身である経験を生かし、スーパーマーケットやドラッグストアを主要な荷主としており、特にネットスーパーの個人宅配業務については全国トップクラスの実績がある。

その他のエリアのAmazonの配送便に関しても、今後、Amazonが個人運送業者を取りまとめた運送業者のプラットフォームになる可能性が高いよね。

完全ブラックの運送会社に

ヤマト運輸は大企業ですから、労働基準法は世間からうるさく言われます。

でもね、個人事業主や中小企業の場合、労働基準法を完全無視した雇用形態になっていることが非常に多い。彼らは、仕事が取れるのならば、かなり無理をしますので、ブラックになることは間違いないね。

しかもヤマト運輸のように労働組合がしっかりしているわけじゃないからね。

再配達問題は?

ニュースを見ても、再配達に関しては特に言及がないですね。

再配達やお届け時間に関して、丸和運輸機関が取りまとめる個人運送業者が、ヤマト運輸のようなきめ細かいサービスができるのかどうかは未知数です。

あとはAmazonのユーザーが、丸和運輸機関の提供する運送サービスにどこまで求めるかなんだよね。

当日便からヤマト運輸が撤退しているので、当日便のサービスを受けたいユーザーは、当日配送してもらえるのであれば、ヤマト運輸よりサービスの質が落ちたとしても、丸和運輸機関の提供する運送サービスに文句は言わなくなると思いますよ。

だってAmazonユーザーが購入しているのは、運送サービスではなくて、Amazonの商品ですからね。商品が当日届けば文句を言う人はそこまで多くないはず。

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ヤマト運輸などの大手運送会社が、個人運送業者を中抜しているところにAmazonは目をつけたということになります。

個人運送業者はヤマトから移籍する

実はヤマト運輸にも個人運送業者の方はたくさんいます。正規ドライバーに対して委託ドライバーと呼ばれていて、わたくしの事務所にも荷物持ってきてくれますもん。

ちなみに、佐川急便も、日本郵便も委託ドライバーの方が荷物を持ってきてくれることがあるので、どこの運送会社にも委託ドライバーはいる模様。

今後、個人運送業者の方は、Amazonと直接契約をしていくことになるんだろうね。

まとめ

Amazonが個人運送業者を束ねて、物流のプラットフォームになる日は近いですね。

個人運送業者がAmazonからの仕事に依存するようになると、完全ブラックの勤務形態となって、個人運送業者は爆死します。

Amazonフレッシュの配送も、個人運送業者が配送することになるかもしれません。

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