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公共交通機関から始まる「自動運転」

自動運転

世界中の公共交通機関で「自動運転」の実験がスタートしています。

自動運転は、個人が所有するプライベートカーよりも、公共交通機関である「タクシー」や「バス」が先に導入することになります。

日本政府も2020年の東京オリンピックまでに、自動運転タクシーの実現化を目標としています。今のテクノロジーの進化の速度を考えれば、4年後には自動運転が実現してることは間違いなさそうです。

自動運転タクシー

すでに自動運転タクシーは、規制の緩い国でテスト走行が始まっています。

nuTonomy の自動運転タクシー

nuTonomy というアメリカのスタートアップをご存知ですか?(サービス廃止されたようです)

2016年8月25日に、なんとUberを出し抜いて、世界初の自動運転タクシーの公道実験をシンガポールで開始しました。

すでにシンガポールでテスト走行が開始されています。今のところ、6台の自動運転タクシーが投入され、運転席には緊急時にハンドルを操作できるドライバーが乗っています。助手席には、コンピューターを監視するエンジニアが搭乗します。車両は、三菱のi-MiEVとルノーのZoeです。

2018年までにレベル4の自動運転車のタクシーをシンガポールで走行することを目標としています。

世界初となる自動運転車サービスの一般向け試験運行が8月25日、シンガポールで正式に始まった。自律走行ソフトウエアの開発を手掛ける米ヌートノミーが、米配車アプリ大手ウーバーテクノロジーズよりも数日早く実施にこぎ着けた。

世界初、自動運転タクシー試験サービス開始

Uberの自動運転タクシー

Uberは、「フォード」と「Volvo」の2社と、自動運転車の提携をしています。したたかな戦略ですね。

フォードとUberの提携

Uberは、アメリカのピッツバーグで自動運転車による配車サービスの実験を開始しました。現時点では、フォードの「フュージョン」がベース車両となる模様。

フォード・モーター(F.N)の「フュージョン」に3次元(3D)カメラや、全地球測位システム(GPS)のほか、物体の形状や距離をレーザーで測定する技術を搭載した。

自動運転車4台で始め、不測の事態に備えて乗務員2人が前席に座る。ボルボのスポーツ型多目的車(SUV)にも装置を取りつけ、投入していく。

ウーバー、ピッツバーグで自動運転車試験 将来運転手代替も

VolvoとUberの提携

Uberが提携する自動車メーカーはフォードだけではありません。

Uberは、Volvoとも提携して、自動運転車による配車サービスを展開します。Volvoの「XC90」がベースになるようです。

Volvo

ボルボ・カーズとUberは、ドライバーレスの完全な自動運転までを含む、最新の自動運転テクノロジーの開発に対応できるよう、新しいベース車両を開発するジョイントプロジェクト立ち上げの合意に達しました。このベース車両はボルボ・カーズによって生産され、Uberがボルボから購入します。ボルボ・カーズとUberはこのプロジェクトに3億USドル(約300億円)を出資いたします。

Uberとボルボは、同一のベース車両を自社の自動運転車戦略の次のステップに活用します。これはUberが自社開発した自動運転システムをボルボのベース車両に適用し、またボルボは同じベース車両を、完全な自動運転を含む、自社の自動運転戦略の次世代車として用います。

ボルボ・カーズとUberが自動運転車の開発で提携 

DeNAのロボットタクシー

日本勢も頑張っています。わたくしの住んでいる藤沢市で実験を行っているようです。チャンスがあったら乗ってみたいです。

内閣府、神奈川県、およびロボットタクシーは10月1日、横浜スタジアムで会見を開き、2016年初頭から藤沢市の公道上で一般の利用者を乗せて走行する、自動運転タクシーの運行を開始することを発表した。

ロボットタクシー、2016年から神奈川県藤沢市で公道実証実験を実施

自動運転バス

次は、自動運転バスを見ていきましょう。

様々な国の公道で、自動運転バスの運行がスタートしています。

自動運転タクシー同様、自動運転バスも法律をクリアしなければならないので、規制の緩い国から始まっていますね。

SmartShuttle

2016年6月23日に、SmartShuttleの自動運転バスの公道実験が、スイスで始まりました。世界初です。

SmartShuttle

来年春、スイスのヴァレー州シオンにおいて、世界で初めて自動運転車が公共交通機関で使用される。フランス企業「NAVYA」が開発した「ARMA」と呼ばれる2台の自動走行バスが、約3万3,000人の住むシオンという街の限られたエリアで運行される予定だ。

自動運転バスが公共交通機関として運用開始 スイスの街で世界初

Mercedes-Benz Future Bus

Mercedes-Benzを展開する「ダイムラー社」も、オランダ・アムステルダムで自動運転バスの実験を、2016年7月18日から始めています。

「シティパイロット」という名称で自動運転バスの事業を開始するのです。

Mercedes-Benz Future Bus

ダイムラーはアムステルダム・スキポール空港から近郊のハールレムまで約20キロメートルの専用バスレーンで、部分的な自動運転を実証した。運転手が自動運転のボタンを押すと、カメラやセンサーが周囲の状況を検知しながら停留所にも正確に止まる。

独ダイムラー、オランダで自動運転バスを実証走行

日本の現状

日本の法律は厳しいので、公道を走る自動運転バスを走らせる場合、特区を作らない限り、前には進まなそうです。

公道を走れない自動運転バス

DeNAが運用している自動運転バスは、公道を走行するのではなく、ショッピングモールの敷地内を走る自動運転バスです。

地方の限界集落で活用できる自動運転バス

過疎の村では、鉄道やバスの廃止が進んでいます。またバス運転手の確保も難しい状況です。

こんな中、金沢大学と石川県珠洲市が協力して、バスの市街地公道走行の実験を開始しました。

「自動運転を始めます」。音声アナウンスとともに市街地に滑り出した車は、最初の交差点でハンドルがひとりでにくるくると回りスムーズに左折した。自転車の追い越しでは右側にふくらんでよけ、右折の際は対向車が全て通り過ぎるまで待ち危なげなく曲がった。運転席に座る金沢大の菅沼直樹准教授はハンドルに軽く手を添えていただけ。「(完全自動運転を意味する)レベル4は近い。到達度は8〜9割だ」と自信を見せる。

金沢大は昨年2月、石川県珠洲市の協力で国内初の市街地公道走行実験を始めた。交差点や歩行者が多い市中心部や坂が連続する山道という変化に富む日本最長ルート(約60キロ)で実験を続ける。2020年度に自動運転で市内バスを運行する計画で、来年度にも乗客を乗せ試験走行を始める。実現すれば日本初だ。

自動運転、地域の足に バス路線維持に期待

公共交通機関が自動運転になるメリット

公共交通機関が自動運転になるメリットを見ていきましょう。

  • 過疎の村でもバスやタクシーが走るようになる
  • 運転手の人件費がなくなるので、運賃が安くなる
  • 交通事故が減る
  • 渋滞がなくなる

公共交通機関が自動運転になるデメリット

自動運転になるデメリットもあります。

  • サイバー攻撃でバスが乗っ取られる可能性がある
  • 事故が発生した際の責任問題

まとめ

今見てきたように、シンガポールなどの規制の緩い国から、「自動運転タクシー」「自動運転バス」の社会的実験が行われています。

自動運転の進化の速度は、我々が思っている以上に早いので、シンガポールでは2018年までに、レベル4の「完全自動運転タクシー」が実現してもおかしくない状況です。

日本でも、確実に2020年までに自動運転車が世に出てきます。その場合、2030年までの10年間は、「人間が運転する自動車」と「レベル4の自動運転車」が共存することになります。

事故・トラブルも絶対に起こるはずなので、法律面や保険面の制度設計も同時に着手していくことになるでしょう。

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