前回の参議院選挙から、選挙権が18歳以上となって、240万人の有権者が増えることになりました。
参議院選挙の争点は、改憲勢力が2/3を確保するとも言われていますよね。
誰に投票するかどうかは候補者や政党の政策を見ていただくことにして、今日は参議院議員選挙の当日なので、参議院議員選挙の仕組みについてのこのエントリーを書きます。
というのも、選挙の投票所に行ったら、2枚の投票用紙をもらって、2枚に記入して投票するって知ってますか?
参議院とは
さらっと参議院について説明します。
ご存知のとおり、立法府(国会)の1つです。衆議院と参議院で国会が成り立っています。
参議院議員の任期は6年。2018年7月18日に公職選挙法が改正され、参議院の定数は242人→245議席となっています。3年ずつ改選していくので、今回の参議院選挙では、124議席が争われます。
124議席がどのような選挙で決まるかというと、内訳は以下のとおりになっています。
- 選挙区制・・・74議席
- 非拘束名簿式比例代表制(以下、比例代表制と呼びます)・・・50議席
この2つは投票の仕方が全く違うのです。どのような仕組みで選挙区と比例代表の議席が決まっていくかは知っていた方がいいですよ。
選挙区制と比例代表制における投票方法の違い?
では一体、投票方法の何が違うのか見ていきましょう。
投票所に行くと、2枚の投票用紙をもらって、2回の投票することになるのは、先程お話しましたよね。
投票用紙に書く内容は以下のようになります。
- 選挙区・・・都道府県で立候補している候補者個人名を記入して投票
- 比例代表・・・政党名もしくは候補者個人名を記入して投票
選挙区
自分の選挙区で立候補している立候補者の中から選んで投票します。
あくまで自分の選挙区の立候補者の名前を書かないと無効票になります。他の選挙区の立候補者や、政党名を書いたら無効になりますので注意してくださいね。
自分の選挙区の立候補者が誰か分からないという方は、都道府県別に立候補者のリンクを張りましたので、参考にして下さい。
選挙区の候補者
- 北海道・東北 ・・・北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
- 関東・・・茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川
- 北陸・甲信越・・・新潟、富山、石川、福井、山梨、長野
- 東海・・・岐阜、静岡、愛知、三重
- 近畿・・・滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
- 中国・四国・・・「鳥取・島根」、岡山、広島、山口、「徳島・高知」、香川、愛媛
- 九州・沖縄 ・・・福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
※「鳥取・島根」「徳島・高知」は合区になりました。
比例代表
比例代表制は、めちゃ複雑で分かりにくいです。
投票方法を先に説明すると、投票用紙には「立候補者の名前」「政党名」のどちらを書いても有効な票になります。
事実上、比例代表の立候補者は全国区となるので、自分の好きな候補者の名前を書いてもいいし、「政党名」を書いてもOK。
じゃあ、「立候補者の名前」と「政党名」とが、どんなふうに集計されるのか知りたくなりますよね?
参議院選挙は2段階になってると考えると分かりやすいです。
まず、ドント式で政党間の議席が配分された後、非拘束名簿式によって当選人が決定するのです。
とはいえ、ドント式で政党間の議席が配分されて、非拘束名簿式により当選人が決定すると言っても、なんのこっちゃという方も多いと思います。
1つずつ見ていきましょう。
ドント式とは
比例代表における議席配分の計算方式の一つです。
まず選挙後に得票の結果が出たら、ドント式の計算によって、各党の議席が配分されるのです。
今回の参議院議員選挙の比例代表制だけでなく、衆議院選挙の比例代表制でもドント式が採用されているので、知っておいて損はないですよ。
では、どのように議席が配分されるのか見ていきましょう。
得票の計算方法は、「立候補者の名前」「政党名」のどちらも同じ1票になります。
↓選挙区の条件を次のように仮定します。
- 議席数:6議席
- 比例代表にA党・B党・C党・D党の4つの政党が届け出た
- 各党の得票は、A党2400票・B党1800票・C党1200票・D党840票とします。
ドント式による各党の議席配分
- 上の表のように、各党の得票数を「1」で割ります。→上の表の除数1の数字です。
- 次に得票数を「2」で割ります。→除数2の数字です。
- 次に得票数を「3」で割ります。→除数3の数字です。
- 上の表の中で、票数の多い順に議席数が定数(この場合6議席)になるまで選びます。選ばれた議席数が、各党に配分される議席数となります。→この場合、A党2議席・B党2議席・C党1議席・D党1議席となります。
この段階では、まだ各党の議席数が決まっただけで、どの候補者がその議席を確保できるかは分かりません。そこで非拘束名簿式が登場します。
非拘束名簿式とは
政党が事前に比例の名簿順位を決めず、有権者の投票数によって名簿順位を決める方式のことです。参議院選挙は非拘束名簿式を採用しています。
ドント式で各党の議席が配分された後、その配分に従って、党に属する候補者が得票数の多い順に当選していきます。
先程、ドント式の説明で、各党の得票は、A党2400票・B党1800票・C党1200票・D党840票の表を示しましたよね?
この結果から、A党2議席・B党2議席・C党1議席・D党1議席が各党に配分されました。そこで、各候補者の得票数を次のように仮定して、誰が当選するかを見ていきましょう。
- A党・・・Gさん(1000票)、Hさん(800票)
- B党・・・Kさん(800票)、Lさん(500票)
- C党・・・Oさん(400票)
- D党・・・Sさん(300票)
非拘束名簿式の不公平さ
比例代表制の議席配分は、政党を中心に行われます。
そのため、A党のIさんは400票を獲得しているのに落選しているにも関わらず、D党のSさんは300票でも当選しています。
比例区の候補者
13の政党から候補者が出ています。
投票は、「立候補者の名前」「政党名」のどちらでも有効になります。
じっくり立候補者を選んで、一票を投じてくださいね!
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