8月より、日本でもKindleで電子書籍の読み放題サービスが始まります。
米Amazonでは電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」が、2014年7月から始まっています。月額9.99ドルで「Kindle Unlimited」のサービスが受けられるのです。
「Kindle Unlimited」は、電子書籍、オーディオブックが読み放題・聴き放題になるというサービス。電子書籍は100万冊、オーディオブックは数千冊のコンテンツを取り揃えております。
米国以外では、英国・カナダ・ブラジル・メキシコ・イタリア・スペイン・フランス・ドイツ・インドでサービスが提供されています。
今日のエントリーは、日本で「Kindle Unlimited」の読み放題サービスが始まると、出版社はどうなるのかについてお話します。
日本のAmazonの「Kindle Unlimited」
まだ公式発表ではありませんが、以下のサービスになる模様。米Amazonとほぼ同様のサービスになるはず。
- 月額980円
- 55000冊を超える電子書籍が読み放題。
- 数千タイトルのオーディオブックも聴き放題
- iOSやAndroidのKindleアプリでも読める
- 30日間の無料体験あり
また消えるかもしれないから一応スクリーショット撮っておいた。まだPC版の画面だけのようだ。 pic.twitter.com/eeXJOWBYg1
— Koboでいいのだ。 (@kobo_iinoda) 2016年6月25日
「Kindle Unlimited」の仕組み
全てのKindle本が読めるわけではありません。読み放題になるのは「Kindle Unlimited 対象本」です。海外では1度にダウンロードできるのは10冊までなので、日本でも同じ仕組になるのでしょう。
電子書籍プラットフォームの役割
Amazonが電子書籍のコンテンツを流通させるために、プラットフォームは次のような役割を行っています。
- ユーザーベースの提供
- コンテンツの品質管理
これ以外だとプロモーションもやってますけどね。
ユーザーベースの提供
コンテンツを作る出版社から見ると、ユーザーベースが最も需要です。自社の顧客のカバー率が高ければ、出版社にとってのメリットは大きいですからね。
コンテンツの品質管理
うまくいってるプラットフォームは、必ず一定レベルの品質のコントロールを行っています。低品質のコンテンツばかりになると、プラットフォームの信用問題に関わってきますからね。
品質管理をすることは、プラットフォームにもう1つのメリットをもたらします。プラットフォームがコンテンツの審査をすることで、プラットフォームが出版社に対して優位に立てるので、出版社に様々な影響を与えることができるというのも、プラットフォームが品質管理を行う1つの理由です。
アプリ業界ではiOSのAppStoreはアプリの審査が厳しいことで有名です。いきなりBANされたりしますからね。
Amazonがプラットフォームとして取るべき戦略
Kindleが読み放題サービスのシェアを取るために、Amazonがプラットフォームとして取るべき戦略はどんなものだと思いますか?
それは出来る限り多くのコンテンツを、出版社から提供させて、読み放題の種類を増やすということです。Kindleへ行けば、読み放題の書籍の数が多いよねと、ユーザーにイメージを使えることが重要。
なので、Amazonは、多くの出版社の参加を促進するために、サービス開始1年目は出版社に対して特別な条件を提示しています。単品を販売したのと同額を払うようです。
Amazonはサブスクリプションの勝者?
2015年はサブスクリプション元年と言われていて、音楽聴き放題サービスや、動画の見放題サービスの提供が始まりました。
音楽のサブスクリプション
音楽のサブスクリプションは、2015年6月にLINE MUSIC・AWAから始まってApple Music、Google Play Musicと続き、11月にAmazonプライムミュージックもサービスを開始しました。
今年の夏以降、Spotifyも日本で始まりますが、今の時点では、Amazonプライムミュージックがダントツでオススメ。プライム会員に年間3900円を支払えば100万曲以上が聴き放題になります。
動画のサブスクリプション
動画のサブスクリプションは、2015年9月2日にNetflixが始まり、Amazonプライムビデオ、YouTube Redと次々とサービスが展開されています。
こちらもコスパが高いのは、Amazonプライムビデオ。2016年6月28日現在で、6722本が見放題です。
Amazon強いですね。
電子書籍の読み放題サービスで出版社が取るべき戦略は?
2016年は電子書籍のサブスクリプション元年としてスタートすることになります。
これで、電子書籍の叩き売り合戦が始まることになります。
電子書籍のコンテンツとしての価値は暴落することになります。
当然、「楽天Kobo」でも読み放題サービスは始まるはずだし、その他のプラットフォームはどうなるんでしょう?「iBooks」や「Google Play ブックス」とかね。
出版社の戦略は?
プラットフォームは読み放題のコンテンツを増やしたいので、優遇する条件を出版社に提示してくるはずですが、出版社は最初はもったいつけるのが正しい戦略です。
プラットフォームにコンテンツが増えれば、力関係はプラットフォームが圧倒的に強くなってしまいますからね。出版社は自社にとって有利な条件で取引できるような戦略を考えないとダメですよ。
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