いよいよ囲碁も人工知能に負ける時代に突入しました。
3月9日から始まった、囲碁AI「アルファ碁」と李世ドル九段の対戦は、人工知能が4勝1敗という結果に終わります。
米Googleの人工知能(AI)部門DeepMindが開発する「AlphaGo」(アルファ碁)と韓国のプロ棋士・李世ドル(Lee Sedol)九段の5番勝負最終局が3月15日に行われ、AlphaGoの勝利で幕を閉じた。最終結果はAlphaGoの4勝となった。
この試合の結果、囲碁AI「アルファ碁」は世界ランク4位へ。人工知能だから性別は空欄w
デミス・ハサビス氏が率いる「アルファ碁」
今回勝利した囲碁AI「アルファ碁」を開発するのは、デミス・ハサビス氏が率いる、イギリスにある Google DeepMind という会社です。
元々 DeepMind というスタートアップでしたが、2014年にGoogleがおよそ700億円で買収しました。
現在200人程の研究員が人工知能を研究しています。この研究所で、汎用目的で使える機械学習の開発をしています。汎用目的なので、複雑なシステムでも使えるし、加工されてない入力資料から自ら学習していくことも可能です。
デミス・ハサビス氏とは
1976年にロンドンで生まれます。経歴を見る限り天才ですね。
4歳からチェスを始め、6歳でロンドン U-8大会のチャンピオン、9歳で英国のU-11チームのキャプテンを務めた。13歳で同年代で世界第2位のチェスプレーヤーとなります。
15歳でケンブリッジ大学 コンピューターサイエンス学部の試験に合格。
卒業後、ライオンヘッド・スタジオというゲーム会社へ就職し、1年後にエリクサーを立ち上げて会社は60人のスタッフが働くまでに成長。一定の成功を収めます。
ここからさらなる転機を迎え、
認知神経科学の博士号を取るために、ロンドン大学ユニヴァーシティカレッジへ通い、記憶と想像の研究に取り組みます。
彼の論文は2007年に、Science誌が選ぶ10大ブレークスルーに選ばれます。
その後、同大学のギャツビー計算神経科学ユニットで計算神経科学を学びながら、MITとハーバード大学で客員研究員として勤務します。
2011年、ピーター・ティールに筆頭投資家になってもらい、ディープマインドを設立。テスラのイーロン・マスクも出資しています。
チェスと将棋と囲碁の手順の違い
囲碁は終局までの手順が複雑なので、チェスや将棋とは違って、まだ人間が有利と言われていました。人間が負けるのに、あと10年はかかると言われていたんですよね。
でも負けちゃいました・・人工知能の進化の速度恐るべし。
終局までの手順は、チェスは10の120乗、将棋は10の220乗、囲碁は10の360乗通りあります。
今までの人工知能は、CPUの計算能力を生かして、ある局面から終局までの手順を計算することによって人間を打ち負かしてきました。チェスや将棋はこの手法で人間に勝ってきたのです。
でも囲碁の手順は複雑なので、今までは計算では追いつきませんでした。
そこで、今回人間に勝利した AI「アルファ碁」は、CPUの処理速度の進歩以外の方法を取ることになります。それがディープラーニングです。
ディープラーニングの特徴は、
- 全ての手順を検討しない
- 人間と同じように過去のパターンを学習
これにより、最もいい手を経験から選び出します。
人口知能と人間の戦い
囲碁も勝てなくなると、ゲームにおいて人間は人工知能にかなわないということになります。
- 1997年にチェスの世界王者を破ります。
- その後、2013年に将棋のプロ棋士に勝利しました。
- 今回、2016年に囲碁も人工知能が勝利します。
AI化を恐れるイーロン・マスク氏
人工知能は、GoogleやAppleが推し進める自動運転の技術にも使われます。
テスラの電気自動車には、すでにオートパイロットという自動運転機能が搭載されてますよね。
にも関わらずイーロン・マスク氏は、人工知能に関して「人間が技術を使いこなしているうちはいいのだが、機械に支配される時代が来るのでは」と警鐘を鳴らしています。
イーロン・マスク氏は、2015年1月15日に、人工知能の安全性を研究する非営利の研究組織「Future of Life Institute(FLI)」へ1000万ドルの寄付をします。
また2015年12月には、「Open AI」という非営利企業を設立しました。パートナーは、投資家であるYコンビネーターのサム・アルトマン氏。共に数十億ドルずつを負担し、「AIの能力を最大限に引き出し、それを誰とでも共有する」組織を作りました。この組織の特徴は、オープンソースでAI技術を共有すること。現時点で最先端の人工知能を持っているGoogleに、すべての技術が集中することを防ぐことを目的としています。これは、クローズドな環境で研究をすすめるGoogleを監視する役目も果たすことができます。
技術的特異点
人工知能が人間の能力を超える時点を指し、英語ではシンギュラリティ。
技術的特異点は、アメリカの未来学者のレイ・カーツワイルによると2045年に来ると言われています。
技術的特異点に対して、ホーキンズ博士やビル・ゲイツやイーロン・マスクなどが懸念を表明しています。
今後の人工知能
どんどん進化していくことは間違いないです。
その過程において、人工知能推進派と慎重派に分かれていくことになるでしょう。
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ジブリが発刊している「熱風」の今月号は、人工知能を特集しています。
川上量生氏、Ingressを作ったジョン・ハンケ氏のインタビューも掲載されててめっちゃ面白いですよ。
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2016年3月24日追記 読者の方からご連絡をいただき、3冊とも無事発送が終わりました。
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