Facebookがスナップチャット潰しのサービスを始めます。
Facebook Messengerの責任者 David Marcus氏が、 新たな機能をテストしていることを発表しました。その名も「Secret Conversations」。設定した期限が来るとメッセージが自動消滅する機能です。
スナップチャットの外堀を埋めるFacebook
Facebookの動きを見ると、スナップチャットの外堀を埋めまくって潰しにかかってることは明らかです。
Facebook Slingshot
Facebook Slingshot というアプリをご存じですか?
以前Facebookでは、スナップチャットに対抗するために、Facebook Slingshot という同様のアプリを開発していました。
でも、2015年にリリースは終了して、App StoreからもGoogle Playからもアプリは撤退済みです。
MSQRD の買収
2016年3月には、動画フィルターアプリ MSQRD を買収しています。
MSQRDでは、自撮り動画にフィルターをかけて、顔を加工するアプリです。
近い将来、Facebook・Facebook Messengerで、MSQRD の動画フィルターが使えるようになるはず。
米Facebookはセルフィー(自分撮り)加工アプリ「MSQRD」を手掛ける米新興企業Masquerade Technologiesを買収した。Masquerade Technologiesが3月9日(現地時間)、公式サイトで発表した。
MSQRDは、iOSおよびAndroid向アプリで、日本でも利用できる。動画の顔に“ライブフィルター”でマスクや目のイラストなどを追加し、各種ソーシャルサービスに投稿できるというものだ。
スナップチャットを買収できなかったFacebook
Facebookはスナップチャットが欲しかったのは間違いないです。
2013年に、Facebookのザッカーバーグは、スナップチャットCEOエヴァン・スピーゲルに、30億ドルで買収する提案をしましたが、なんとスピーゲルは拒否します。
ザッカーバーグのM&A
ザッカーバーグのM&Aの嗅覚はハンパないですからね。2012年に10億ドルで買収したInstagramは、設立2年以内で、従業員13人、売上0円の会社でしたから。
Instagramが大化けしましたよね?今のユーザー数を見れば、先見の目があることは間違いないです。
Facebookでカバーできないユーザー層を、Instagramが上手く覆ってますよね。
着実に成長しているスナップチャット
スナップチャットの今後の売上は未知数ですが、資金調達はしっかり行っています。
さらに、ユーザー数も着実に増えている模様です。
スナップチャットのDAU(1日のアクティブユーザー数)は 1億5000万人/日。
TwitterのDAUは1億3600万人/日。
Facebookの狙いは
今までの一連の動きを見てみると、Facebookが自動消滅メッセージ「Secret Conversations」をリリースする狙いはどこにあるのかが分かります。
右肩上がりで成長しているスナップチャットのユーザーの取り込みというのも理由ですが、既にスナップチャットのユーザーである若者を横取りする気はないと思うんですよね。
Facebookのメインユーザーである35歳以上の人たちが、若者中心のスナップチャットに入ってきたら若者は出て行きますから。
Facebookが自分自身のプラットフォームで起こったことは繰り返しませんよね?
35歳以上の不倫したい層の取り込み
メッセージが消えるって、不倫には最適ですよね?
じゃあ何を狙ってるのかというと、35歳以上の不倫してる層の取り込みです。
スナップチャットやってみたいという40代のおじさん達にとっては、新たにスナップチャットを始めるよりも、今まで慣れ親しんだFacebook Messengerで同じことができるのなら、プラットフォーム変えませんって。
↓どんなユーザーが利用するかというと、
- メッセージが消えるというメリットをフル活用したい(不倫したい)35歳以上のユーザー
- 若者間で流行ってるアプリを使ってみたい35歳以上のユーザー
Facebook Messenger で消えるメッセージが使えると?
Facebook Messengerで、自動消滅メッセージ「Secret Conversations」のサービスが始まると、スナップチャット界隈にどんな影響が出るのか考えてみます。
若者ユーザーの立場
35歳以上の人がFacebook Messengerで消えるメッセージを利用してくれれば、スナップチャットは若者たちのプラットフォームとして維持できます。
スナップチャットのメインユーザーである10代にとって、35歳以上のユーザーが増えるというのは、嬉しくないのです。だって、親世代とSNSで繋がりたくないもんね。Facebookから10代が離れてしまっているのもそのせいなんですよね。
スナップチャットの立場
スナップチャットにとっても悪くない話です。
理由は、若者のプラットフォームを維持できるためです。
35歳以上のユーザーが、Facebook Messengerにとどまってくれれば、スナップチャットに入ってきませんからね。
Facebookの立場
Facebookは、35歳以上のユーザーが使ってくれるだけでOKです。
Facebook MessengerのDAU(1日のアクティブユーザー数)は、およそ9億人/日。これに対して、スナップチャットのDAUは、1億5000万人/日。
Facebook MessengerのDAU9億人の内、2割利用してくれれば1億8000万人で、スナップチャットのDAUを抜き去ることが可能です。
スナップチャット の売却のタイミングは難しい
スナップチャットのメインユーザーは18歳から24歳のユーザーで、67.9%を占めます。
彼らは自分達のプラットフォームは、親世代に荒らされることなく、若者だけで維持したいはず。
スナップチャットが35歳以上のユーザーの取り込みをすれば、若者は逃げていくのは明白で、スナップチャットは全年齢層のプラットフォームには成り得ないんですよね。
今後、スナップチャットは若者のプラットフォームを維持しないかぎり生き残れません。単独のサービスで生き残れるとは考えにくいです。
スナップチャットは最高値でFacebookに売却というのが、正しい戦略のように思います。
EvernoteやDropboxのような失敗はしないで欲しいです。
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