先日リリースされたChrome66で、シマンテックのSSL証明書を導入したサイトに訪れると「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示され、サイトが閲覧できなくなります。
Safari、Firefox、Edge、IEでは上記のエラーは表示されません。あくまでChromeだけの話です。
なぜ、このようなことが起きているのかというと、2017年9月、Googleは公式ブログで、シマンテックが発行するSSL証明書を徐々に無効にしていくと発表したからです。
Chrome66から、Chromeは2016年6月1日以前にシマンテックによって発行されたSSL証明書を削除します。
2016年6月1日より前にSymantec CAから発行された証明書を持つサイト運営者は、Chrome66のリリース前に、既存の証明書をChromeが信頼する認証局の新しい証明書へ置き換える必要があります。
シマンテックのSSL証明書を購入したユーザーは、怒り心頭ではないでしょうか。
一体、何のためにSSL証明書を購入して、時間とコストを掛けて、ウェブサイトをHTTPS化したのかという話になります。
ということで、シマンテックのSSL証明書を導入しているサイト管理者の方は、新たにシマンテックから証明書を再発行して、サーバへインストールしてください。
今日のエントリーは、Chrome66でシマンテックのSSL証明書を導入したサイトを訪問すると、「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示され、サイトが閲覧できない件についてお話します。
Chromeでサイトが閲覧できない影響は、ものすごく大きい
Chromeでサイトが閲覧できない影響はものすごく大きいです。だってChromeのシェアは50%超えてるもんね。
世界を見ればChromeのシェアは50%を超えている
「別にChrome使ってないよ」という方もいるかもしれませんが、あなたがChromeを使っていなくても、世界を見ればChromeのシェアは50%を超えていることは頭に入れておきましょう。
ちなみに日本におけるChromeのシェアは、40%を超えたところです。日本はiPhoneユーザーが多いためSafariのシェアも高く、いまだにIE11のシェアもそこそこあるんですよね。
Chromeが無効にするシマンテックのSSL証明書はどれ?
Chromeが無効にするシマンテックのSSL証明書は、Symantec、GeoTrust、RapidSSLブランドの証明書です。
- ラピッドSSL
- クイックSSLプレミアム
- セキュア・サーバID
- セキュア・サーバID EV
- グローバル・サーバID
SSL証明書の有効期限の確認方法
SSL証明書の有効期限の確認方法です。
Chromeでの確認方法を紹介します。
- 「保護された通信」をクリック
- 「証明書」をクリック
- 有効期限が表示される
1. 「保護された通信」をクリック
Chromeのアドレスバーの「保護された通信」をクリックします。
2. 「証明書」をクリック
「証明書」をクリックします。
3. 有効期限が表示される
SSL証明書の有効期限が表示されます。
シマンテックが発行したSSL証明書の無効化を回避する方法
シマンテックが発行したSSL証明書の無効化を回避する方法です。
SSL証明書が発行された時期によって、対応策が異なります。
2016年5月31日以前に発行されたSSL証明書
Chrome66より、2016年5月31日以前に発行されたSSL証明書が無効化されます。すでにChrome66はリリースされているので、早急の対応が必要です。
SSL証明書を再発行して、サーバへインストールしてください。
2016年6月1日から2017年11月30日までに発行されたSSL証明書
2018年9月13日までにSSL証明書を再発行して、サーバへインストールしてください。
2016年6月1日から2017年11月30日までに発行されたSSL証明書は、Chrome66では無効化されません。無効化されるのは、2018年9月13日にベータ版がリリースされる予定のChrome70から。ちなみに、Chrome70の正式版のリリースは2018年10月23日を予定しています。
2018年9月13日移行もサイトを運営するのであれば、SSL証明書を再発行してサーバへのインストールが必要です。今すぐにでもやっておいた方がいいです。
シマンテックのSSL証明書が無効になる理由
なぜ、GoogleはシマンテックのSSL証明書を無効にするのでしょうか?
理由は2つあります。
- シマンテックのルート証明書がセキュリティ基準を満たしていなかった
- シマンテック傘下の一部企業が、適切なプロセスを経ずに、不正にSSL証明書を発行していた
シマンテックが発行しているSSL証明書のシェアは市場の約30%です。GoogleがシマンテックのSSL証明書を無効にすることで、HTTPS化に対応したウェブサイトの約3割がChromeで表示できなくなります。
市場への影響は大きいにも関わらず、ダメなものはダメという態度のGoogleは素晴らしい。ユーザーが安全に利用できるインターネット環境の整備に、Googleは全力で取り組んでいます。
さいごに
以上のように、Chrome66でシマンテックのSSL証明書を導入したサイトを訪問すると、「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示され、サイトが閲覧できません。
すでに閲覧できなくなっているサイトもたくさんあります。
ラピッドSSLなどのSSL証明書を利用している方は、すぐにでもSSL証明書を再発行してサーバへインストールしてください。
もしくは、無料で使えるLet’s Encryptに乗り換えることをオススメします。
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