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ウェブマスターオフィスアワー (2018年4月3日)

Google検索オフィスアワーSEO

2018年4月3日に放送されたウェブマスター オフィスアワーのまとめです。
今回は、Google Dance Tokyo 2018のライブ放送です。
質問ごとにYouTubeの再生、文字起こしをしているので合わせてご覧ください。

ブログ記事

2018年4月3日のウェブマスターオフィスアワー以降のブログ記事です。

Q&A

AMP対応を開始する判断基準は?

【質問】

AMP対応するかどうか悩んでいる。AMPに踏み切るとしたら、どのような点 (直帰率改善、ページ速度改善など) を意識して取り組めば良いか?

【回答】

常に追っているKPIなどがあると思うので、そちらを見ていただくとよいのでは。
ビジネスの場合CVRやCTRなど、UXの観点から直帰率やページ速度やビュー数など。

大事なのはスモールスタートでもいいので始めていただくことかなと思う。
例えばLPや記事の特集ページをAMP化してどんな効果があるのか見ていくなど。

YouTubeでみる→9分53秒から再生

デスクトップでもAMP対応はある?

【質問】

AMP Conf 2018にて様々なAMPの技術が発表された。
モバイルの高速化だけでなく、Gmailへの対応など、モバイルページ以外にもAMPの技術が使われていくことになりそうだ。

Googleはウェブマスターに対して検索ユーザーのUX向上のためにページの高速化を推奨しているが、今後デスクトップにもAMP対応を推奨していく可能性はあるのか?

【回答】

ECの場合、次のようなデータもあるので、ページの高速化は重要。

  • 53%の訪問者はページの表示が3秒遅れるだけで離脱
  • 79%のユーザーはパフォーマンスの悪いサイトには戻らない
  • 1秒表示が遅れるごとにコンバージョン率は20%減る

デバイスの種類やネットワーク環境はユーザーによって色々あるので、多様なユーザーに対してユーザー体験を上げていくにはページの速度は重要。

デスクトップ環境は、ネットワークもCPUも高速なことが多いので、速度の面でそこまで影響があるかと言うと、サイトによるのかなと。
その一方で、AMPを実装すると AMPコンポーネントを利用できるので、開発コストを軽減できるメリットもある。

公式 インデックス可能なプログレッシブ ウェブアプリの構築方法

YouTubeでみる→12分25秒から再生

PWAとSEOの両立の成功事例

【質問】

社内でPWAを推進したいが、SEOと両立させたPWAの成功事例がまだ見られない。

クローラビリティの観点から考えると、全てをPWAに置き換えるのではなく、既存サイトを残してクローラビリティを保ちつつ、プラスの機能としてPWAを提供するのがベストだと考えている。
検索の観点でPWAとどのように向き合うのがベストなのか教えて欲しい。

【回答】

日本の成功事例は、日経電子版。
高速なことに加えて、Service Workerを使っているのでオフラインでも動く。

ウェブとアプリはメリットとデメリットがそれぞれある。
今までのウェブに足りなかったものは、プッシュ通知、ホーム画面に追加、簡単な支払い、オフラインで動作する信頼性、常にログオン等があげられる。
PWAの導入で、ウェブのリーチを活かしつつ、モバイルアプリでできることを増やしていくことができる。

YouTubeでみる→15分38秒から再生

クロール済み – インデックス未登録

【質問】

インデックスさせたいページが「クロール済み – インデックス未登録」になる理由を教えて欲しい。

【回答】

頂いた情報だけでは、どの原因で「クロール済み – インデックス未登録」なのか判断するのは難しいが、次のようなことも考えられる。

  • 他のページに正規化された
  • インデックスする価値がない
  • その他の問題がある

重要ページがインデックスされないのであれば、具体的なURLも一緒に送って欲しい。

YouTubeでみる→18分54秒から再生

常時SSL化のランキングへの影響

【質問】

常時SSL化が検索順位に与える影響を伺いたい。

【回答】

影響はそんなに大きくはない。
ほぼ同じ評価のコンテンツがあったときには、httpsの方が若干有利。

YouTubeでみる→23分37秒から再生

https移行後、httpプロパティは必要?

【質問】

https移行後、httpのアクセスをリダイレクトした。Search Consoleに登録していたhttpプロパティは削除しても大丈夫か?

【回答】

残しておいて問題ない。設定がうまく行っていない時に備えて、むしろあった方が良いのでは。

YouTubeでみる→24分51秒から再生

UXの改善による検索結果への効果

【質問】

障害者の方に問題なく情報を得られるようにサイトを見直している。
セマンティックなコーディングだけでなく、ユニバーサルデザインの観点から色のコントラスト比などの工夫を行っている。
サイトのUXはどこまで検索結果へ効果をもたらしているのか?

【回答】

UXは重要とのこと。

YouTubeでみる→26分20秒から再生

アルゴリアズムの改良は結果ありき?

【質問】

アルゴリアズムの改良は結果ありきなのか、それともアルゴリズムありきで結果は後からついてくるものなのか?

【回答】

ユーザー行動を理解し、ユーザー行動に基づいてサイトを改善していくために、どんなサイクルを回していけばいいのか、という視点は、Google検索におけるアルゴリズムの改良においても当てはまるプロセス。

あるアイデアがあったとして、このアイデアは絶対にいいので、必ず良い検索結果をもたらすという仮説があったとしても、実際に実験を走らせてみて、良い結果が見られなかったら、やらない。必ずローンチするということはなく、仮説の検証を経てローンチをしている。

YouTubeでみる→27分29秒から再生

SEO業者の存在について

【質問】

自分の関わるところでは極力スパマーにならないように気にしているが、Googleの関知していないところでノウハウは蓄積されている。
このノウハウはGoogleの意に反することがあるかもしれないが、Googleは我々のことをどのように感じているのか?

【回答】

SEOは情報伝達のスピードアップと円滑化のためにやっていることで必要なこと。
いかに自分のサイトを検索エンジンに理解させて、ユーザーにとってより良いコンテンツを提供していくことを考える人がいなくなると、検索エンジンを作る側にとっては大変なことになる。ユーザーにも大きな影響がある。

検索エンジンやユーザーを騙したりして、変なことをやる人がいるので、Googleもガイドラインを徹底してやっているが、そこはSEOの本質ではないと考える。

多くのSEO業者の方が、SEOの力を良い力のために使っていただくことを信じている。

YouTubeでみる→31分26秒から再生

特定キーワードでの順位低下

【質問】

特定キーワードでの順位が落ちた。原因や改善すべきことを伺いたい。

【回答】

そのキーワードに対してユーザーが何を求めているのかを理解することが、順位を改善する上で一番の近道なのでは。
検索クエリによってユーザーが求めているもの、検索意図は違う。自分のサイトをどのように改善すると、その検索意図に答えることができるのかを考えることが重要。

YouTubeでみる→37分50秒から再生

Google Playの検索との連動性

【質問】

Google検索は、Google Playの検索ロジックと連動性はあるか?
Web to Appに対して、Google検索が新たに行っている施策があれば教えて欲しい。

【回答】

Google検索とGoogle Playの検索は、多くのインフラやアルゴリズムを共有している。
インデックスの種類が違うので (登録しているのがウェブページなのか、アプリなのか)、同じ結果にはならないが、かなりの共通性はある。

YouTubeでみる→39分03秒から再生

MFI導入後のランキングアルゴリズムの方針

【質問】

MFI導入後のランキングアルゴリズムについて伺いたい。

【回答】

Googleのランキングアルゴリズムは柔軟なので、MFIがロールアウトされてモバイルベースになったとしても、柔軟に対応できるし、ランキングアルゴリズムの大改修が必要なわけではない。

ランキングアルゴリズムが依存しているアルゴリズムが (ページランクなど)、MFI移行後に移行しても機能するかを注意深くモニタリングしながらロールアウトを進めている。そのためアルゴリズムをMFIのために大改修しなければならない状況ではない。

YouTubeでみる→41分03秒から再生

予算や技術力がないと成果が出せないのでは

【質問】

AMP、PWA、構造化データや各種データーフィードの実装など、情報を正しくインデックスするための技術的知識が不可欠になってきていると感じる。
予算と技術力を持てるものと、持たざるものの差が開いてしまうのではと心配なのだが、Googleはどのような方針を持っているのか教えて欲しい。

【回答】

AMP、PWA、構造化データも、単純にお金があってそのような技術を実装できるから、検索において良い順位になるような検索エンジン作りをGoogleはしないようにしている。

AMPもPWAもランキングシグナルとしては利用していない。
AMPを実装しただけで順位が上がることはない。ただし、AMPを利用して速度が上がり、ユーザー体験が良くなれば、結果として順位が上がることはあるかもしれない。

ウェブはテールが長いので、テールの部分においてそのようなウェブマスターの方に悪い影響を与えないように、Googleは検索エンジンを運用している。

予算と技術は連動しているわけではないので、頑張って技術を磨くことでサイトを魅力的にするのが良いのでは。
予算が潤沢なところでも、初歩的なミスをすることもある。

YouTubeでみる→43分37秒から再生

MFIは不可逆的?

【質問】

一度MFIに移行したサイトが、再びデスクトップファーストに戻ることはあるのか?

【回答】

一度MFIに移行したサイトが元に戻ることはない。
前提として、MFIに移行する際には、移行しても問題のないサイトからロールアウトしている。

もし移行後にモバイルで問題が出るのであれば、サイトの修正に注力すると良いのでは。

YouTubeでみる→47分41秒から再生

地域別の検索結果の違いは?

【質問】

東京都中央区と神奈川県川崎市で検索したときの検索結果は違うのか?

【回答】

違う。
東京都中央区で「ラーメン」と検索するユーザーと、と神奈川県川崎市で「ラーメン」と検索するユーザーの求めているものは違うので。

モバイルになってから、様々な場所で、いろいろな人が、いろんなことを検索するようになってきた。
昔、デスクトップからしか検索できなかった頃は、週末に外出すると、検索量が落ちるようなことがあった。
今はモバイルを使って外でも検索するようになっている。

YouTubeでみる→48分59秒から再生

Search Consoleの順位の基準は?

【質問】

Search Consoleの検索順位は何がベースになっているのか?エリアはどのように加味されるのか?

【回答】

Googleの検索結果上のデータの平均です。

公式 表示回数、掲載順位、クリック数とは

YouTubeでみる→50分17秒から再生

新規サイトは検索結果に反映されないのか

【質問】

新規サイトは、ユーザーの需要にドンピシャな内容であっても、検索結果に反映されないものか?

【回答】

色々なシグナルをベースにして、このサイトは新しいサイトなんだということを検知するようにしている。
反映されないかというご質問には、たぶんされるということになる。

とはいえ、運営歴の長いサイトの方が、「他のサイトからのリンクが多い」「シグナルが多い」ということはある。
なので、シグナルをベースにランキングを計算する時に、新しいサイトよりも、運営歴の長いサイトの方が評価しやすいというのはあると思う。

もし、ユーザーの検索意図にドンピシャなコンテンツであれば、コンテンツ分析だけで、かなりいいところまで行けるのでは。

YouTubeでみる→52分13秒から再生

どうしても順位が上がらない場合は?

【質問】

構造化データやMFI、一通りのSEOを行いコードもきれいになったが、検索順が上がらない。コンテンツに問題があるのか?

ポータルサイトのため情報は常に集まってくるが、読み物コンテンツをさらに充実させた方が良いのか?

【回答】

技術的なことを一通り実施したようだが、ダブルチェックすることは重要。
その先はマーケティングの話になってくるので、コンテンツのオーディエンスを広げて認知を高めていく。
例えば、「広告を出す」「SNSでコミュニティを作る」など、ウェブマーケティングの方法はいくつもある。いかにして自分の持っているコンテンツをマーケティングするかという話になっていくだろう。

YouTubeでみる→54分11秒から再生

モバイルコンテンツの表示方法に関して

【質問】

現在はPCよりもモバイルの方がユーザーが多いと考えている。
MFIを視野に入れ、PCとのコンテンツ差分をなくしていきたいが、情報量や資料画像が多すぎて、ユーザービリティを阻害するのではないかという壁に当たっている。
ユーザー構造を阻害しないような情報提供方法を知りたい。

【回答】

方法は色々あると思う。
例えば、ファーストビューでは隠れているが、タップしたら表示するような感じでもいいのでは。

本当に情報量や資料画像が多すぎてユーザーエクスペリエンスが悪くなっているのかを考えて欲しい。実はデスクトップでも良いUXではない可能性もある。

モバイルは物理的な面積が少ないが、例えばWikipediaを見れば、アコーディオン式になっていて、ページ全体で見るとコンテンツはたくさんあるが、パッと見た時に情報量が多すぎないようになっていて良いのでは。

YouTubeでみる→57分24秒から再生

サイトの大幅改修時のベースはモバイル?

【質問】

サイトの大幅改修を検討している。モバイルとPCが1対1ではなく、独自の構造です。
今から改修する場合、モバイルに寄せた方がいいのか?それともPCをベースにモバイルを改修した方がいいのか?

【回答】

モバイルに寄せた方がいいです。
ユーザーの行動がモバイルにシフトしているのは真実。今から改修をしたり、新規に作るのであれば、モバイルファーストで考えた方が良い。

YouTubeでみる→59分47秒から再生

サイト移転が反映されない

【質問】

サイト移転をし、.htaccessで301リダイレクトをかけたところ、検索結果に旧URLが残ってしまった。
クリックすると新URLにリダイレクトするのだが、こちらのやりたかったことは、旧URLの評価を引き継ぎ、旧URLの削除だったので困っている。
コンテンツ重複など、SEO的なマイナス評価がついていないかも心配です。

【回答】

頂いたURLを見たところ、新URLに反映しているように見えた。
具体的な検索クエリを教えていただけるともう少しデバッグできる。

同一言語の地域別サイトの設定方法

【質問】

インド人がUSやUKなど別の英語サイトに流入することがある。正しくその地域別のサイトに誘導するにはどうすればいいか?

【回答】

地域、言語で別URLがある中で、対応するページを指示するためのhreflangというリンク要素があるので、きちんと実装すれば良い。

1つ注意しておくべきことは、インド、US、UKの各サイトが、その地域向けのサイトとして充実しており、他の地域サイトとは異なっていることが重要。
インド向けにはルピーを使うとか、UK向けにはイギリス英語のスペルになっているなど。

.muドメインは不利?

【質問】

.muドメインでサイトを運営している。モーリシャスのトップドメインだが、日本でのSEOに不利にならないか?

【回答】

有利でもなく、おそらく不利なのでは。

日本のユーザーに向けてサイトを作るのであれば、ccTLDではなく、gTLDを使った方がいいと思う。

機種名以外ほとんど同じ。重複コンテンツ?

【質問】

複数機種のサポートコンテンツをCMSから出力すると、機種名以外はほとんど変わらないコンテンツが増える。重複コンテンツとならないか?

【回答】

されないとは言えない。
何%くらい同じなのかにもよってくる。もし、本当に機種名だけが異なるコンテンツなのであれば、複数機種に対応する1つのマニュアルを作った方が良いのでは。

SEO都市伝説

【質問】

  • ページは大量にできたが順位が上がらない。相互リンクはどこまで重要か?
  • ページの上部、下部などリンクの位置で重要性は異なるか?
  • headにスピード計測用のJSを入れているが、このようなJSは順位に影響を与えるか?

【回答】

マインドセットを変えた方が良い。

サイトを分解していって、部分ごとにランキングに影響があるといったことを見ていくやり方は、やらない方がいいかなと思う。

リンクの場所やJSなどテクニカルな話があったが、クロール・インデックス側の話であって、ランキング側の話ではない。

たとえ話になるが、風が吹けば桶屋が儲かる的に、なにがしかの連鎖を経て桶屋が儲かることはあるかもしれないが、桶屋は儲かりたいから風を吹かそうという発想にはならない。

桶屋が桶を売りたいのであれば、桶を買いたいと思ってもらえるようにすることが重要で、今日の風速がどれくらいかということを毎日測ることはいいアプローチではないのでは。

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