日本のカード決済には、CAFISという日本だけの独自の規格が使われています。
今日のエントリーは、CAFISというガラパゴスな規格が、今後どうなるのかについて考えてみます。
CAFISとは
CAFISとは、Credit And Finance Information Switching systemの略で、NTTデータが提供するクレジットカードの情報照会サービスです。
クレジットカード会社、加盟店、金融機関をネットワークで結び、顧客の利用限度額を確認したり、有効なカードかどうかの照会をしたりします。全国におよそ2000の加盟店があり、月間、2億3000万件のクレジットカード決済を処理しています。
CAFISは、レジでの与信照会の速度が2秒と短いため、レジにおける決済スピードはめちゃ早いです。
こういう技術って、日本は優秀だよね。Suicaだって、1分間に60人が自動改札を通過できる仕様でしょ?Androidpayはめちゃ遅いですから。
1985年に電電公社がNTTに民営化される前年の1984年に、NTTデータの前身である電電公社のデータ通信部門が、CAFISを開発しました。
NTT民営化後は、NTTデータが運営を引き継いでいます。
CAFISの障害
CAFISは電電公社時代からのシステムなので、サービス提供から23年の実績があるのですが、サーバーがダウンして、クレジットカードの利用ができなかったトラブルもあります。
NTTデータは9月6日、5日にクレジットカード決済インフラ「CAFIS(キャフィス)」に障害が発生した原因について、ハードウエア障害によるサーバーダウンだったことを公表した(画面)。5日の午後4時6分ころから午後5時39分までCAFIS経由でのクレジットカード取引に影響が生じた。
日本のカード決済手数料が高い理由
日本のカード決済手数料は業種にもよりますが、最低でも5〜6%はかかります。
なんで日本のカード決済手数料が高いのかというと、カード決済がCAFISの上に載っかっているからです。
CAFISを中抜きできれば、もっとカード決済手数料は安くなるはず。
フィンテックは、CAFISを中抜きしたい
SquareやSPIKEなどのフィンテックは、CAFISを中抜したいはず。
SquareやSPIKEなどのフィンテックの登場で、店舗側は、お手軽にクレジットカード決済の導入ができるようになりました。
Squareを導入する場合、店舗の審査なんて本当に簡単に終わりますからね。
ユーザーに対して、低い手数料でクレジットカードが利用できる環境を整えようとしているのに、CAFISがあるから、クレジットカードの手数料が下がらないのが現状ですからね。
クレジットカード会社に対しCAT端末など「CAFIS(カード決済総合サービス)」と呼ぶ決済システムを提供するNTTデータの森村克弘カード&ペイメント事業部長は「スマホ決済が画期的な点は、加盟店の獲得手続きを大幅に簡略したこと」だと指摘する。通常は加盟店の獲得には審査など多額のコストがかかるが、スマホ決済の場合は利用者の方から申し込んできてくれ、しかも簡単な審査で利用できるからだ。
審査が簡単であれば、その分、セキュリティーが心配になる。しかしスマホ決済はその問題も最新の技術でクリアした。
これまでのカード決済は電話回線で行うバッチ処理が多く、入金も月1~2回程度だった。このため、加盟店の信用をはかる厳格な審査が必要だった。
ところがスマホ決済は、カードを読み込んだ瞬間に情報が暗号化され、しかも常時接続ですぐにデータセンターに情報が送られる。このため不審な利用も即座に検知できるというわけだ。
もっとも、スクエアもコイニーも全部のカード会社と直接、ネットワークを結べるわけではない。このためNTTデータのCAFISやジェーシービー(JCB)系の決済サービス会社、日本カードネットワーク(JCN)の回線網を利用している。
国内カード決済市場の7割以上を握るNTTデータは約70万台のCAT端末を提供しているが、新規顧客は以前ほど伸びておらず、いわばスマホ決済が増えた分は新しいビジネスになる。「その意味ではスマホ決済の登場は歓迎できる」と森村事業部長は話す。
だが将来を考えると、喜べない面もあるという。つまりスクエアなどが決済代行会社として市場で力を持つようになれば、企業系列を超えて、各カード会社と直接、ネットワークを結ぶ可能性がある。そうなれば「CAFIS外し」という事態にも発展しかねないからだ。
CAFISに危機感を持つNTTデータ
NTTデータが、CAFISに危機感を持っていることは明らかです。
スマホを使った決済サービス事業を始めるようだけど、CAFISの上に載せるシステムの模様。
こんなシステム作っても、利用者が増えるとは思えないんだけどね。
どんなシステムかというと、ユーザーが銀行口座をスマホ上で登録することで、加盟店でスマホを使って決済できるというものです。
一人のユーザーとしてこのサービスを見た時に、ものすごく便利だなと思う人はほとんどいないはず。
Apple PayやSuicaで同じようなことできるわけだからね。
「新たな決済サービスが台頭すれば、CAFISを利用する金融機関や加盟店が減る。そうした将来に危機感を持っている」。こう話すのはNTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部 第一開発統括部 システム企画担当の宮原秀友課長代理だ。
同社は2018年度上期をめどに、スマートフォンのアプリを使った決済サービス事業に乗り出す。同決済サービスは、クレジットカード決済インフラ「CAFIS(キャフィス)」を利用する。NTTデータはこうした新興勢力に対抗するために、銀行口座から直接支払いが可能なスマホ決済サービスに乗り出す。競合に対しての優位性は「既にCAFISを利用している金融機関がサービスに対応しやすいこと」(宮原氏)と説明する。CAFISには流通・小売業などの加盟店約2000社、金融機関約1600社、クレジットカード会社約120社が加盟している。
今後のCAFISはどうなる?
Squareなどが、CAFISを中抜きできるようになれば、CAFISの存在意義ってなくなると思いませんか?
スマホとクレジットカードリーダーとネットワーク回線が進化したこともあって、今までのように加盟店がクレジットカードを導入するに当たっての厳格な審査なんて必要なくなりましたからね。
インターネットの本質は、中抜きを許さないってことなので、CAFISを中抜きできることで、クレジットカードの手数料が下がることに期待したいですね。
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