田中角栄とロッキード事件が不思議すぎる件について

ロッキード事件は2つの点において不思議な事件です。

  • 第1は、アメリカ在住のロッキード社の役員には、罪に問われることはないという「免責」を与えることによって、ロッキード社の役員には罪は及ばなかった点。日本では刑事事件の99%が有罪になるわけなので、まあ刑事事件なんてこんなものと言ってしまえばそれまでですが・・
  • 第2は、2つあった献金ルートの内、検察がターゲットにしたのは「田中角栄ルートの5億円」のみで、「児玉誉士夫ルートの21億円」については全く解明されなかった点。

「田中角栄ルートの5億円」については、元内閣総理大臣の田中角栄が逮捕されたにも関わらず、児玉誉士夫氏が関与したとされる「児玉誉士夫ルートの21億円」に検察は手を付けられませんでした。

事件から40年が経過した現在でも、真相は闇に包まれたままなのです。

これらのロッキード事件の闇については、ここ最近の田中角栄ブームによって多数の書籍が出ていますので、1番最後に紹介します。

当時の当事者を含め、関係者が書いた書籍を読むのが一番理解が深まるはずです。

ロッキード事件とは

ロッキード事件を簡単におさらいすると、

ロッキード社の旅客機「トライスター」の日本市場への売り込みにあたって、日本の政財界に巨額の賄賂がばらまかれた事件です。元内閣総理大臣 田中角栄が逮捕されるという衝撃的な事件でした。

Wikipediaが詳しいので引用します。

この事件は、国内航空大手の全日本空輸(全日空)の新ワイドボディ旅客機導入選定に絡み、自由民主党衆議院議員で田中角栄元内閣総理大臣が、1976年(昭和51年)7月27日に受託収賄と外国為替・外国貿易管理法違反の疑いで逮捕され、その前後に田中元首相以外にも佐藤孝行運輸政務次官や橋本登美三郎元運輸大臣2名の政治家が逮捕された。

さらに収賄、贈賄双方の立場となった全日空の若狭得治社長以下数名の役員及び社員、ロッキードの販売代理店の丸紅の役員と社員、行動派右翼の大物と呼ばれ暴力団やCIAと深い関係にあった児玉誉士夫や、児玉の友人で「政商」と呼ばれた国際興業社主の小佐野賢治と相次いで逮捕者を出した。また、関係者の中から多数の不審死者が出るなど、第二次世界大戦後の日本の疑獄を代表する大事件となった。

ロッキード事件の結果、ロッキード社ってどうなったの?

1981年に民間機事業から撤退しました。

その後、1993年にジェネラル・ダイナミクスの航空宇宙事業部を買収して戦闘機部門を強化。1995年にマーチン・マリエッタ社と合併して社名を「ロッキード・マーチン」へ変更。世界の主要な軍需企業となっています。

軍需部門の売上高の世界ランキングをみると、1998年〜2000年は1位、2001年〜2002年は2位、2003年は1位、2004年〜2006年は2位、2007年は3位、2008年は2位、2009年〜2010年は1位となってますね。

2010年度の売り上げの内、78%は軍需ということです。売上の大部分は、戦闘機や人工衛星、ミサイルなどということになりますね。
最近だと、ステルス戦闘機であるF-22、F-35の開発や製造を行っています。

ダグラス社はどうなったの?

ロッキード社とライバルだったダグラス社はどうなったのでしょうか?

1997年にボーイング社に吸収合併されます。

田中角栄に関する書籍

ロッキード事件については、田中角栄の近くにいた人達が書籍を書いています。

最近発行された書籍を紹介します。

天才

石原慎太郎氏の著作。ここから田中角栄ブームに火がつきましたね。幻冬舎の見城徹氏が石原慎太郎氏を口説いて書籍化しました。さすが目の付け所があります。

天才 石原慎太郎

田中角栄を葬ったのは誰だ

元参議院議員の平野貞夫氏の書籍です。

2006年7月に講談社より発刊された「ロッキード事件――葬られた真実」(平野貞夫)を大幅に加筆修正して、佐高信氏との対談も加わっています。

田中角栄を葬ったのは誰だ

田中角栄を葬ったのは誰だ 対談「政治家・田中角栄」 Kindle版

田中角栄 頂点をきわめた男の物語

著者 早坂 茂三氏です。田中角栄の政務秘書を23年間務めた男で、「日本列島改造論」の名付け親とも言われています。

田中角栄 頂点をきわめた男の物語

冤罪 田中角栄とロッキード事件の真相

衆議院議員11期、参議院議員1期を務めた石井一氏の著書。

冤罪 田中角栄とロッキード事件の真相

↓つい先日、産経新聞のインタビューに応じました。

無罪を信じ米国人代理人を断った元首相…依頼した石井一氏は「追い落とそうとした米政権のワナにはめられた」

1000億円を動かした男 田中角栄 全人像

文藝春秋の別冊です。

1000億円を動かした男 田中角栄全人像

実録 田中角栄

大下英治氏は田中角栄に関する著書はいくつも書いています。

実録 田中角栄

さいごに

最近はあまり影響力がなくなってきましたが、田中角栄氏の薫陶を受けた小沢一郎氏のインタビューを紹介します。

小沢一郎衆院議員「オヤジ(田中角栄)は天才に決まっている」

オヤジのことはいい思い出だった。全ては走馬灯のごとく。年を取るとなおさらだね。僕は27歳のとき、初当選し、田中角栄、オヤジの門をたたいた。学んだことは数知れない。おっかなかったさ。こっちは1年生議員だし、何の経験もないし。オヤジは当時、自民党の大幹事長だもの。僕はオヤジの早世した長男と同い年でね。だから、オヤジは僕を息子みたいにかわいがってくれた。

オヤジが逮捕されたロッキード事件というのは世にも不思議な事件なんだよ。刑事裁判なのに、ロッキード社の役員に罪に問われることはないという「免責特権」を与えて、供述させたわけだ。こんなことができるんなら、時の権力に目をつけられた人はみんな罪人にされちゃう。いわば、日本の司法の自殺行為だった。ロッキード事件がなければ、オヤジはもっと長生きしただろう。しかし、あくまであの時代が必要とした政治家、それが田中角栄という存在だったのだ。

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