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シェアリングエコノミーは人を幸せにするのか?

テクノロジービジネスモデル

2016年はシェアリングエコノミー元年なんて言われてますが、人々の生活は幸せになるのでしょうか?

シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミーの定義をおさらいしておきましょう。

一般的には、遊休資産の有効活用による新しい価値を創設ということになります。

政府のシェアリングエコノミーがどんな認識なのか見てみると、

「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある。貸し借りが成立するためには信頼関係の担保が必要であるが、そのためにソーシャルメディアの特性である情報交換に基づく緩やかなコミュニティの機能を活用することができる。シェアリング・エコノミーはシリコンバレーを起点にグローバルに成長してきた。PwCによると、2013年に約150億ドルの市場規模が2025年には約3,350億ドル規模に成長する見込みである。

民泊(airbnb)・配車サービス(UBER)・シェアリングカーなど、シェアリングエコノミーも色々ありますが、今日は民泊を例に取ってみましょう。

でも民泊って誰がつけたんだろう・・ネーミングがダサいよね。

airbnbのデメリット

airbnbを例にとってみると、大家・利用者を幸せにすることはあるけど、近隣住民は不幸になるケースが目立ちます。特に都市部においては顕著です。

家賃の高騰

都市部で、airbnbが広がっていくと、近隣の家賃が上がってしまうというデメリットがあります。

大家からすると、賃貸で貸すよりも、airbnbで貸し出すことによって、収入がおよそ3倍になります。例えるなら、賃貸マンションで貸すと月10万円の家賃収入だったものが、airbnbで日割りで貸し出すと月30万円の収入になると思っていただくとイメージが湧きやすいです。

こうなってしまうと大家は賃貸物件で貸し出すことをやめてしまいます。特にホテルの値段が高い観光地ほどairbnbで貸し出す方が儲かるので、元々住んでた人を追い出すことになります。

フランスのパリでは、賃貸物件の数が減ったため、家賃が高騰して近隣住民が住めなくなってしまいました。

アパートなどの所有者がこぞって民泊営業に乗り出したため、パリの家賃相場が急上昇した。賃貸契約の25%が更新されないなど、住宅不足が深刻化。とりわけ観光客の人気スポット周辺では「住民が減った結果、学級閉鎖といった事態も起きている」(シュネ会長)という。

民泊仲介サイト最大手の米Airbnb(エアビーアンドビー)に登録されているパリ市内の民泊物件は約6万件、ベッド数にして約20万床。ホテル(11万床)の2倍近い。

民泊大国フランスの惨状を見よ! 脱税横行、家賃上昇、人口減…「パリは人の住めない街になってしまった…」

パリの事例の教訓を、東京で活かすべきです。

法的な整備

規制緩和やルール作りが絶対に必要です。もっと旅館業法の緩和も必要になってくるかもしれません。

日本政府は、民泊のルール作りを進めており、個人が所有する部屋を貸し出す場合、年間180日以内という上限を設けるようです。2016年度内に、法案の提出を予定しています。

近隣住民とのトラブル

騒音・ゴミの出し方などのトラブルはよく聞きますが、社会と折り合いを付ける取り組みが始まり、airbnbが苦情報告ツールを提供することになりました。

Airbnbと近隣のホスト

旅行で数日間だけ滞在する旅行者は、どんちゃん騒ぎをやりがちです。日常生活を送っている住民とは、どうしてもトラブルになりますからね。

airbnbはプラットフォームとして、利用者を増やす・大家を増やすという点に力を入れてきましたが、ようやく近隣住民とのトラブルをどうするかというフェーズに入ってきたということです。

大家・利用者・近隣住民の3者の利益が守られるような形になるとシェアリングエコノミーがもっと進んでいくことは間違いないです。

大家の収入が家賃収入の時の数倍になる、利用者もホテルよりも快適な部屋に安く泊まれるといった点だけでなく、近隣住民のことをもっと考えないと絶対にダメです。

上手く共存できる仕組みを作っていくことが課題ですね。