電子書籍というとKindleのイメージが強いので、楽天koboとKindleのシェアが同じと聞いてびっくりしました。といっても国内においての話ですが・・
具体的な電子書籍ストア名を尋ねてみると、「楽天kobo電子書籍ストア」が利用率6.6%であり、次点の「kindleストア」(6.5%)をわずかに上回りトップ。他のストアの利用率は2~3%前後であり、この2つのストアが他を大きく引き離している。1年前に実施した同調査では、利用率が1~2%程度であったため、利用率は軒並み増加している。
全体的に、10代、20代の若年層の利用率が高く、年齢層が上がるにつれて利用率は下がっている。その中で、「楽天kobo電子書籍ストア」と「kindleストア」の2者については、シニア層の利用率も比較的高い。特に「kindleストア」は利用者に占める60代以上の割合が20.4%と、他ストアの平均の2倍近い。
わたしは、電子書籍はKindleを使っているのですが、「楽天kobo電子書籍ストア」と「kindleストア」が同じシェアということで、楽天koboの魅力を探るべく、楽天koboをインストールして検証しました。
楽天koboとKindleとの比較
利用率
「楽天kobo電子書籍ストア」が利用率6.6%で、「kindleストア」の利用率は6.5%です。
少し前まではKindleが圧倒的なシェアを誇っていましたが、逆転しています。
アメリカだと状況は異なり、KindleとNookとiBooksで市場を形成しています。
米BISGが米国の電子書籍ユーザーレポート「Kindleのシェアは67.0%、Nookは11.8%、iBooksは8.2%」
スマホアプリの使い勝手
楽天kobo
動作が遅いのでストレスが掛かります。拡大縮小も使いにくいです。
ハイライトは使いやすい。
Kindle
アプリが軽くて使いやすいです。
文字のコピペもできるし、拡大縮小もスムーズ。クラウドで管理してくれるので、iPhoneで途中まで読んで、iPadで続きが読めます。
ハイライトは色分けができて便利。
PCでの使い勝手
楽天kobo
デスクトップアプリをインストールするのですが、重くて使い物になりません。よく落ちます。今読んでる位置が、本全体のどこなのかわかりにくい。読んだ位置は同期されますが、ハイライトは同期しません。
Kindle
アプリが軽くて使いやすいです。電子書籍はクラウドと同期しているので、読んだ位置が同期できます。ハイライトも同期します。連携がスムーズです。
電子書籍リーダー
どちらもスマートフォンやタブレット、PCで読めるので、普通に使うなら電子書籍リーダーは特に必要ないです。
ただし屋外で、例えば旅先のプールサイドで読んだりするなら、電子書籍リーダーの方が読みやすいです。
楽天kobo
3種類あります。kobo aura H2O のみ防水です。
- kobo aura 11,880円
- kobo glo HD 13,824円
- kobo aura H2O 19,980円
Kindle
プライム会員だと無料で読める電子書籍が結構あります。
8,980円の廉価版以外は、少し高くなりますが3Gモデルもあります。回線料金はAmazonが負担してくれます。
- Kindle Wi-Fi 8,980円
- Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi 14,280円
- Kindle Voyage Wi-Fi 23,980円
割引や特典
楽天kobo
楽天ポイントが使えます。全書籍対象クーポンがよくでます。この全書籍対象クーポンという割引が、ユーザーをひきつけているのでしょう。
Kindle
日替わりセール、月替りセールがありますが、楽天ほどの還元率ではないです。
楽天kobo、Kindleどっちを使うの!?
楽天koboも試してみましたが、わたしはKindleを使います。
楽天koboのアプリを使っている時のストレスを考えると、多少の値引きクーポンがあってもなびくことはありません。楽天koboは、スマートフォンのアプリもデスクトップアプリも重すぎますからね。
Kindleアプリの唯一の不満
クラウドへ保存したPDFファイルを、PCアプリで読むことができない&読んだ位置の同期ができないことです。iPhoneやiPadのアプリでは読めるんですけどね。
スタジオジブリが発行している小冊子「熱風」を購読していますが、みなさまご存知でしょうか?旬な話題のインタビューがあったり、物事を捉える視点が面白いのです。以前、ドワンゴの川上氏が「鈴木さんにも分かるネットの未来」という連載もありました。→2015年6月に書籍化されました。
この小冊子をPDFにして、Kindleのクラウドに保存していますが、PCで読むとき、PCアプリでは読めません。まあPDFなので、PCで読むだけならKindleアプリじゃなくてもいいんですけどね。更に言うと、PCで読んだ位置が同期できると抜群に使い勝手が良くなりますね。
拡大している電子書籍マーケット
紙の書籍はなくなって、電子書籍に置き換わると言われていますが、実際のところ電子書籍のシェアはどのくらいあるのでしょうか?
日本国内の電子書籍マーケット
2013年度の出版物販売金額は前年比4.5%減の1兆6823億円でした。これに対して、電子書籍の売上は769億円です。
この数字から、電子書籍の割合は約4.57%ということになります。
アメリカの電子書籍マーケット
2012年の米国の出版物販売金額は前年比6.9%増の150億4900万ドル(約1兆5000億円)でした。電子書籍の売上は、前年比44%増の30億4200万ドル(約3000億円)です。
アメリカでは、電子書籍が一般書籍全体に対して約20%を占めています。
電子書籍のメリット
- 複数の書籍を内蔵できるので、旅先で荷物になりません。かさばらない電子書籍はとても便利です。
- 文字が電子化されてるので、検索が可能。
- 紙代・印刷・物流のコストがほとんどかからないので、価格を低く設定できる。
今度の電子書籍のプラットフォーム
アメリカと日本では電子書籍マーケットが違いますが、共通して言えることは、電子書籍が普及すればユーザーはAmazon等のプラットフォームから直接購入するので、書店を経由する必要がなくなります。
書店の数は、電子書籍の普及とともに減少していき、書店のビジネスは難しくなっていくと思われます。
書籍全体の市場が縮小
書店の役割の一つに、来店するお客に、店頭に並んでいる書籍を見せてプロモーションを行っているという側面があります。電子書籍の時代になって書店の数が少なくなると、プロモーションの機会が減りますから、書籍全体の市場は縮小していくことになります。
ドワンゴの川上量生氏は、「鈴木さんにも分かるネットの未来」の中で次のように言ってます。
電子書籍時代には市場の大半をコントロールするのはAmazonとAppleの二大プラットフォームになりますから、彼らが出版市場全体の責任を持つのが本来は筋だとぼくは思います。だとすると、彼らが電子書籍市場の規模を守るために、プロモーションを兼ねた直営店を展開するという流れは、ありえない話ではないと思います。
楽天koboとKindleのシェアが拮抗していると入っても日本だけの話なので、書籍のマーケットの縮小を防ぐためにも、Amazonに対抗できるプラットフォームができることを期待しています。
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