オンラインストレージってすっかりコモディティーとなってしまいましたが、LINEもオンラインストレージのサービスを開始しました。
2008年にDropboxが出た時は、クラウドとローカルでファイルの同期ができるというサービスの虜になりましたが、技術の陳腐化というのは怖いですね。
新機能「Keep」が登場!LINEで届いた内容をメモ&ストック
本日、LINEの最新版(バージョン5.3.0)を公開し、テキストや画像をLINE内に保存しておける新機能「Keep」(キープ)が登場しました。
今回登場した「Keep」は、テキストや画像をLINEに保存しておける自分だけのストレージ(倉庫)機能です。
LINEで受信したテキストはもちろん、自分のスマートフォンに保存しているや写真*も“キープ”することができます。
その他にも、LINEを便利にお使いいただくためにいくつかのアップデートを行いました。
「Keep」では何ができるの?
キープ機能では、友だちとのトークルーム上の「テキスト」「画像」「動画」「音声メッセージ」「Word、Excel」を保存しておくことができる機能です。
LINE独自のクリップボードのようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。保存できる容量は1GBまでで、1ファイルが50MBを超えるものは保存期間が30日間です。50MB未満のファイルについては保存期間は無制限となります。
1GBというとかなり少ない気がしますが、主に「テキスト」や「スマートフォンで撮影した画像」を保存することを想定しているので、このくらいの容量でいいのでしょう。
「Evernote」や「Google Keep」に近い用途
メモや写真などで気になった内容や見返したい内容をストックしておくのに便利です。
- 友だちとのLINEで登場したお店の名前
- LINEで決まった待ち合わせ場所
- 家族に頼まれたおつかい物
- 上司から送られてきた書類
- 移動中に思いついたアイデア
- スマートフォン内の画像
自分での確認のために「Keep」を使う
「Evernote」や「Google Keep」での使い方に近いです。メモ帳がわりに使えます。
誰かと情報を共有するために「Keep」を使う
保存した内容をLINEの友だちに簡単にシェアできます。「Keep」に保存したデータはトークで送れます。これは便利ですよね。
「Googleドライブ」との使い分けは?
「Googleドライブ」や「Dropbox」のサービスはPCを持っていることが前提のサービスです。スマートフォンで使う場合、容量の制約があるので、開いたファイルだけ同期することになっています。
アプリで使う場合、UIの制約もあるので、PCのようにすべての機能を使いこなすには、そこそこのITリテラシーがないと難しいです。
「Googleドライブ」と「Keep」では、利用するユーザーから、用途まで全く違うサービスと思ったほうがいいです。
スマホのライトユーザーを囲い込む「Keep」
今回のサービスは、誰でも簡単に使いこなせることが重要です。LINEで受信したテキストを、長押しして「Keep」を選ぶだけで保存できますからね。保存したものをシェアすることもボタン一つでできます。
LINEはユーザーのセグメントをきっちり把握しているので、こういうサービスの展開が非常にうまいですよね。
スマートフォンしか使わない10代の若者
スマートフォンしか使わず、PCを全く使わないという10代の若者が増えてきています。
また、PCでGoogleドライブやDropboxは使ってるけど、スマートフォンだとうまく使いこなせないというユーザーも多いです。Googleのサービスは高頻度でUIをがらっと変えてくるので、使いこなすのは難しいのです。
若者のデジタル端末の所有台数のエントリーです。
昔のガラケーユーザーと親和性が高いLINEユーザー
2014年のデータですが、日本でのユーザー数5200万人以上、DAU(毎日のアクティブ率)66.6%です。
約3463万人が毎日使っている計算になるので、国民の約30%弱が毎日使っていることになります。
これだけたくさんの人が使うサービスの場合、誰でも簡単に使えるということが非常に重要になってきます。
「Keep」を使ってみて
「自分用のメモを保存」、「保存したメモを友だちのトークにシェアする」という目的に特化しているサービスです。
ITリテラシーの低い利用者もかなり多いはずなので、この層へアプローチするために、「Googleドライブ」とは異なり、できることを割りきったサービスというのがポイントです。かなりのユーザーに浸透するサービスになりそうです。
「Evernote」や「Google Keep」でも同じことはできるのですが、LINEのアプリ内で簡単にできるというのが重要で、こういうサービスが爆発的にヒットするのです。
すべての人がPCとスマホでデータ共有して、仕事するというわけではないですからね。
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