書籍「いちばんやさしいGoogleビジネスプロフィールの教本」

謎に満ちたピラミッド!「ミューオン透視」で調査する!

よもやま話

先日、テレビをつけたらNHKで「大ピラミッド 永遠の謎に挑む」が放送されていました。

これがめっちゃ面白かったです。

ピラミッドは4500年前に建造され、古代史最大の謎と言われています。「人力でどのように建造したのか?」「黄金の宝が眠ってるのでは」といった謎だらけですからね。

エジプトのギザにあるクフ王のピラミッドは、ピラミッド建設の頂点であり、世界最大規模を誇ります。高さ146.59m、底辺230.37m、勾配51度50分40、容積235.2万㎥、とてつもない大きさで、平均2.5トンの岩をおよそ280万個も使っているのです。

ピラミッドの建造が盛んだったということは、エジプトが中央集権国家として権勢を誇っていたことを如実に表しています。

ちなみにピラミッドの語源は諸説ありますが、ギリシア語で三角形のパンを指す「ピューラミス」が由来という説が最も強いです。

番組では、ピラミッドの謎を解くにあたって「ミューオン透視」という最新のテクノロジーを使って挑みます。「ミューオン透視」を使えば、ピラミッドを破壊することなく内部の構造を把握するでき、万が一、未知の部屋が見つかれば、世紀の大発見となりますからね。

ピラミッド・スキャン・プロジェクト

この計画は、エジプト考古省が中心となり、エジプトカイロ大学・日本・フランス・カナダの4カ国の研究チームが参加し、最先端のテクノロジーを用いてピラミッド内部の構造の解明に挑みます。「ミューオン透視」を活用して、ピラミッドの内部の構造を解き明かすための調査が始まったのです。

日本の研究チームは、NHK、名古屋大学、高エネルギー加速器研究機構がタッグを組み、2015年10月25日からエジプトのピラミッドでの透視実験を繰り返しています。

↓以下、毎日新聞のニュースを引用します。

ピラミッドの謎、宇宙線で解明へ 「ミュー粒子」活用 福島原発でも実績、日本の技術で

エジプト考古省は25日、地球に降り注ぐ宇宙線を利用し、首都カイロ近郊ギザなどのピラミッド内部を調査すると発表した。破壊せずに内部の構造を把握する試みで、日本の最新デジタル技術を活用。未知の部屋が見つかれば、世紀の大発見につながる可能性がある。名古屋大の森島邦博特任助教(素粒子物理学)や高エネルギー加速器研究機構の高崎史彦理学博士ら日本の研究者のほか、フランスとカナダの研究チームも加わる。

調査は、宇宙線から生じる「ミュー粒子」を利用。物を通り抜けやすい性質を生かし、粒子が飛んできた方向と数を測定して密度などを推定する。ピラミッド内部の既に見つかっている空間に特殊なフィルムを置き、粒子の痕跡を解析、内部の構造に迫る方法だ。デジタル技術を使うため、大量の粒子を正確に数えることができるという。

日本では最近、東京電力福島第1原発事故で溶けた核燃料を調べるのにこの技術が用いられた。

ミューオン透視とは

宇宙線としてから宇宙から地球に降っている素粒子「ミューオン」を使って、ピラミッドの内部を透視します。

ミューオンとは人間の体だけでなく、岩などの硬いものでも通り抜ける性質を持っています。透過性は非常に高いですが、物質の密度が高いところ、厚いところは少量の素粒子しか通り抜けません。

その反対に、密度が低かったり、空洞だったりすると、多量の素粒子が通り抜けます。
素粒子「ミューオン」を計測することによって、内部の建造物の密度がわかり、レントゲンのように透視することができるのです。

森島邦博氏

名古屋大学の森島邦博特任助教(素粒子物理学)がこの分野における第一人者です。名古屋大学がミューオン研究の最前線なのです。

今まで、素粒子「ミューオン」を使って、火山の観測・東京電力福島第一原子力発電所2号機の建屋の調査に活用されてきました。

名古屋大学の森島邦博特任助教らによる研究グループは、東芝と共同で、原子核乾板を用いた宇宙線ミュー粒子の測定によって、東京電力福島第一原子力発電所2号機の原子炉内部を透視することに成功した。

この結果、2号機について核燃料の70%〜100%が溶け落ちていることや、2号機の原子炉には核燃料も水もほとんど残っていない可能性があることが分かりました。

名大、宇宙線ミュー粒子で福島第一原発の中を透視

屈折ピラミッド

屈折ピラミッド

ギザの大ピラミッドの調査の前に、奇妙な形と言われている「屈折ピラミッド」で「ミューオン透視」を実験として行いました。

「屈折ピラミッド」は、紀元前27世紀頃に完成されたと言われています。古王国第4王朝初代、スネフェル王が建設。スネフェル王はギザの大ピラミッドで有名なクフ王の父。

高さ105m、底辺189mあり、途中でピラミッドの傾斜角度が変わっているのが特徴で、下部は54度27分、上部は43度22分となっています。

森島邦博特任助教は、この調査にあたって、アルミプレートに挟まれた特殊なフィルムを用いてミュオンが感光する装置を用意しました。ピラミッド内部には、2つの玄室(死者の墓室)があることが確認されており、地下にある第1玄室に装置を置き空間を調査します。

実験結果

この調査では、第1玄室の上に存在する第2玄室の空間が、素粒子「ミューオン」を使って確認することができました。

クフ王のピラミッド

屈折ピラミッドの実験がうまく行ったので、素粒子「ミューオン」を使って内部を透視する実験が今後展開されます。
残念ながら番組はここで終了してしまいましたが、続編は必ずあるはず。日本の研究チームには、NHKが入ってますからね。

前方後円墳

前方後円墳

日本にも巨大な墓である前方後円墳があります。日本列島に約4,800基が存在するんですよね。

大規模なものは、3世紀中頃から6世紀中頃までに作られております。

仁徳天皇陵(大仙陵古墳)が日本で一番大きな古墳で、墳丘長486m、高さ35.8m。世界を見渡しても類を見ない大きさで、、クフ王ピラミッドや秦の始皇帝墓陵に並んで「世界三大墳墓」とも言われています。